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コンとローラ(コン編:第3回(全4回)飛んだり跳ねたり)

次なる目的地


俺は少しセンチメンタルになって歩いていた。

クザとの対戦、楽しかったなー

久しぶりに夢中になっていた。

その楽しい時間が終わった事実。

(いやだから夢なんだけどね)
が、少し寂しかった。

ダンディー
「コン、大丈夫か?
どこか具合が悪いのか?」


「ああ、
気にしないでくれ・・・
それより、
次のパーツはこの辺か?」

ダンディー
「ああ、
あのドーム内施設からの
反応をキャッチしている」

ドーム


「ああ、そう。
またさっきみたいなロボットとかいるのかな?」

ダンディー
「それなんだが、
今回はそういった動体反応がない模様だ」


「ああ、そう・・・。」

俺は少し
さっきみたいなゲームがないことを落胆した。

建物の少し手前で停止した。
建物はスポーツ施設にも見えるドーム施設だった。

もう少し進むと入口に入れそうだ。

突如!
周囲に薄い赤色の障壁なようなものが立ち上がり、
ウォーン、ウォーンといった
不気味な電子音が周囲に鳴り響いた!

俺はAIを見た。
地面に落下していた。


「どうした?ダンディー?」

ダンディー
「グゥ!グム!
コ、コン!
建物から
強烈なジャミングウェーブが発信されている!
私は!今動けない!」


「何だって!?
ど、どうすりゃ?」

ダンディー
「キミだけで建物の中に入り、
ポンティアムCPUを回収、
するんだ!
気を!
つけろ!
なにかある!
私は!
バックアップできない!
今、
ハッチを開ける!」

そういうとダンディーは発光した。

俺は急に閉じ込められた意識になり、
直後、背面の空間からすうっと空気が入ってきた。
後ろにつつっと下がると
ロボットから降りていた。

俺はAIのもとにかけよった。


「お!おい!
大丈夫か?!」

AIはかすかに点滅するものの
返答が返ってこなかった。


「待ってろ!
すぐ取ってくる!」

俺は建物の入口に走った。

建物の中に入る

建物の中に入った。
小さいホールの先が明るかった。


「ここにあるのか?」

明らかに危険な感じがするスペースに入った。


「な?
なんだこりゃ?」

そこには大きな公園で子供が遊ぶような
アスレチックがあった。

色んな形をした立体物が
ランダムに配置されている。
床までは2メートルといったところか。
その床が怪しく光っている。
なんとか先まで行かないといけないのか。


「・・・・あれか?」

今いる位置から20メートル先に
ゴールらしき場所がある。
そこには金色に輝く立方体がある。

ダンディーの言った通り、
アスレチック以外に
これといった
外敵らしいものはないみたいだ。


「よおし!ん?
これ邪魔だ!」

俺は身につけていたプロテクターを外した。
これで少しは身軽くなるはずだ。


「ゆっくり、ゆっくりだ・・・」

スタート地点から
最初の飛び石的なブロックに移った。
2つ、3つ、と
少し大きいブロックにたどり着いた。


「よしよし!
なんだ、楽勝じゃん!」

俺はこの夢で身体を動かすことに
すっかり喜びを感じていた。


「あとチェックポイントはー」

俺は目の前のブロックにぴょんと飛んだ。

しかし!その瞬間、
着地点にあるはずのブロックが消えた!


「え?」

怪しい色の床にとんと着地した。
瞬間!
ビリッ!
と軽い電流が全身を走り、
軽く意識を失った。


「ぎゃっ!いてて・・・」

気づくと俺は
入口の最初の地点に戻っていた。


「なるほど!ここはそんなステージなんだな!!」

攻略開始

俺は最初のチェックポイントで
しばらく眼前のブロックを観ていた。


「つまり・・・
だ!」

俺はその場で軽くジャンプした。
眼前のブロックがふっと消えた。

少しするとブロックがまた現れた。
俺はまたその場でジャンプした。
そのブロックは消えなかった。


「つまり二回ジャンプ動作がいるのか・・・
初見殺しじゃんこれ!
まったく・・・」

俺は一回ジャンプし
次にブロックが出現したのを見計らい
そのブロックに飛び移り、
またジャンプして大きなブロックに移った。


「さあて、
お次は・・・?」

スタート地点から
微妙に角度があって見えなかったが、
ここ、
第二チェックポイントからは
進行ルートを邪魔する動くブロックが複数あった。

これは見ながら避けていくしかない。

なんとなく予想はしていたが、
ここも初見では突破できなかった。
動くブロックに身体が接触する度に
床に落とされスタート地点に戻された。

しかし何回か失敗を繰り返して
俺はようやく
次のチェックポイントらしきところに着いた。

最後の関門

多分ここがラストの関門だ。

ここを抜ければゴールだ。
しかし流石に厄介だ。
正に迷路だ。
少しでも選択を間違えると
ここのチェックポイントに戻される。

何回かミスって分かったことがある。
①宙に浮かぶ立体×4を上を乗り越えるか下をくぐるか
②左右の分かれ道×2をどっちに進むか
③AとBと書かれたボタンを押す。正解だと開いた間違えると戻された。

俺は何度もリトライし、かなり消耗したが、
なぜか気分は高揚していた。

そして、


「うおおおお!」

俺はボタンを押した!
やった!
扉が開いた!
目の前に金色に光るブロックがある。

俺はおそるおそるそれに触れた。
俺は光に包まれ、
気づくとその建物のホールに戻されていた。

先程まで感じていたドキドキする振動もない。
左手には光り輝く基板を持っていた。
これが戦利品のCPUに違いない。

俺は建物を出た。
やはり先程のウェーブはなくなっていた。
ロボットの前でダンディーがふわふわと浮いていた。


ダンディー
「コン!
無事だったか?!」


「あ、
ああ。
ダンディーも、
もう大丈夫なのか?」

ダンディー
「ああ、
ジャミングウェーブも消えてもう心配はない!」


「そっかー
良かった」

ダンディー
「それは!
ポンティアムCPU!
よく取ってきてくれた!」


「ああ。
やっぱり、
これそうだよな。
はいよ。」

俺はダンディーにそれを差し出す。
先程同様に
ダンディーがそれを光に当て内部に収めたみたいだ。

ダンディー
「これで残るパーツはあと一つ!
ここからあの丘を超えるとある
都市にあるはずだ。
しかし
その街は帝国軍の将軍に支配されているはずだ」


「またコイツが必要そうだな・・・
ダンディー、
またやってくれ」

俺はフラフラと
ロボットの背面に行こうとした。

ダンディー
「待ちたまえコン!
キミはすっかり疲れている。
今日は休もう」


「え・・・?」

俺は空を見上げた。

すっかり暗く星が輝いている。

確かに全身くったくただ。
しかし、
なにかこう満たされた気持ちがあった。

ダンディーの話

俺はダンディーが転送してくれた食料を食べ、
軽くて柔らかい寝袋に入っていた。

ダンディー
「出発は朝にしよう。
都市では戦闘が予想される。
しっかり休むんだ」


「なあ、
なんで
そんなに慎重なんだ?」

ダンディー
「む?
そこまで忘れてしまったのかコン。
まあいい、
キミはここでも頑張ってくれているので
説明しておこう」

俺は寝袋に入り横になり、
ダンディーが子守唄を聞かせるように
情景設定を話してくれた。

「人類は帝国の侵略で
かなり少なくなって
戦場にはAIが多用され、
最低限の人間しか
戦場に派遣されなくなってしまったこと」

「人類は貴重な存在であること」

「ダンカムは
帝国軍の主力艦のバリアを
唯一突破できるロボットだということ」

「AIは献身的でなければならないようにできている。」

「帝国の目的は
人類の作るAIを全て破壊すること」・・・・

俺は眠りに落ちた。

目が覚めると朝だった。

ダンディー
「コン!さあ行こう!」
俺は再びロボットに乗り込み歩き出した。

しばらく進むと都市が見えてきた。

(つづく)


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