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植物の力を借りる

岡倉天心『茶の本』の冒頭には、

「茶は薬用として始まり後飲料となる。シナにおいては8世紀に高雅な遊びのひとつとして詩歌の域に達した。十五世紀に至り日本はこれを高めて一種の審美的宗教、すなわち茶道にまですすめた。」

とあります。


茶の本の引用を待たず、お茶は薬として用いられてきたことはご存知の通りです。
また、『朝茶は七里帰っても飲め』ということわざがあります。
朝に飲むお茶は、飲むのを忘れて旅に出たら、たとえ七里の道を帰ってでも必ず飲むべきだという趣旨のことわざです。
お茶は、庶民の間でも厄除けのお守りとして利用されてきました。

このようにふるくから(江戸時代以前から)
日本に存在する薬草は、
チャノキだけではありません。

5月5日には粽、柏餅に菖蒲湯
7月7日の七夕の笹の葉など、

邪気を払い、厄を除けて
成長や繁栄を祈ることに用いられてきました。

現在でも、さまざまな年中行事とともに
薬草があります。
お茶をはじめとした植物の力を借りるアイデアを
大切にしたいと感じます。

読んでくださった方のこころに一瞬でも何かを残せたら、とても嬉しいです。