
物語で紡ぐあなただけの価値観
こんにちは、破天荒ちゃんです。
昨年末に、思いも寄らない価値観が自分の中の上位にあることに気付き、その価値観を大切にすることで人生が好転したというnoteを書きました。
自分が大切にしている価値観について知ると一言で言うと簡単そうですよね。
しかもなぜか「自分のことは自分が一番わかってる。だからわざわざ今更自分について知ろう!とかやる必要なんてないでしょ。」という強気な考えの人も結構いるのではないでしょうか。(まさに過去の私がそうでした‥)
そして、そんな考えを持ちながら就活や転職のときに必要に迫られて「自己分析のための100の質問!」とかに勢い込んで回答してみたものの、「いざ
やってみると全然わからない…!それっぽいこと書いてみたけど、自分の本心なのか面接に受かりたいがために書いたうわべの気持ちが混ざり合って、何が本当かもう見えなくなっちゃった…」なんてことも。(すいません、白状しますがこれも私です。)
そう、意外と自分の価値観について知ることって難しいのです。
そしてこちらの記事でも書きましたが、自分は見えていないけど人から見えている自分を指摘してもらうと自分の価値観に気付くきっかけができたり。
そんなきっかけをくれた人のことは「自分以上に自分を知ってくれている‥!」と思うわけですからそりゃ好きになっちゃいますよね。
話が逸れましたが、自己分析を大量にこなしても意外と本当の自分は見えてこなかったり、身近な人からのフィードバックで気付くことは出来ても毎回「自分の価値観について気付くヒントをちょうだい!」と言ってヒント出せる人ばかりじゃない状況でどうやって自分の価値観に気付いたら良いのでしょうか。
たまたま私も気付いたのですが、その方法について教えてほしい!というお声をいただいたのでこの記事を書いています。
これは偶発的じゃなく自分で意図的に価値観にも気付くことができるなぁという方法だったので、皆様にもぜひご紹介したいと思います。
自分の価値観に気付く方法
皆さんは「ヒーローズジャーニー」という手法をご存知ですか。
世界中の神話や物語に共通する構造のことで、実はハリウッド映画も神話も大統領のプレゼンも、このヒーローズジャーニーという手法で作られています。
物語の構造は以下の5つのステップで構成されます。(8ステップやもっと多いステップで語られる場合もありますが、今回は5ステップでご紹介しています。)
葛藤:物語の始まり。なにかのテーマに対してモヤモヤした感情を持っている。
絶望:試練が降りかかり追い込まれる
挑戦と努力:メンターとの出会いや試練を乗り越えるきっかけをくれる人との出会い
達成:絶望を乗り越え、理想の姿を手に入れる
帰還:この経験を通じて学んだこと、同じように苦しんでいる人へのメッセージ
このように5つのステップで、自分の物語を考えプレゼンをするというワークが心理学の授業でありました。
ルールは以下の2つ。
自分の中で乗り越え済みの完了した物語ではなく、今まさに葛藤の中にいるものでこれから乗り越えていきたいことを、空想を交えながら描いていく。
誰に何を伝えたいのかを明確にする。
一ヶ月ほど各自で考えてきて、他の人のプレゼンも聞くのですが信じられないくらい素晴らしい物語が出来上がっていました。
テーマも様々です。恋愛、家族関係、仕事、容姿、お金‥
一人10分の発表の中で長い映画を観たかのような感覚を覚えるので、全員の発表を聞き終わったあとは何十本もの映画を観たような疲労感と感動と言葉では言い尽くせない感情になりました。
とても感情を揺さぶられるし、その人の心の内そのものがはっきりと伝わってくるようなワークでした。
さて、このヒーローズジャーニー。
自分でも物語を書いてみると意外と難しくて、だいぶ苦戦したのですがこれをしっかり考えてみると自分の価値観が浮き彫りになります。
例としてこのような形です。
私が当時発表したものを文章化したため、だいぶ長くなりますが、よければどうぞ。
物語の例
みなさんはお金は嫌な思いをしないと稼げないと思ったことはありますか?
また、私達のお給料の元となる会社の売上を上げるためには、多少なりともお客さんに無理をさせてでもお金を払ってもらわないといけない。
そう思ったことはありますか?
今日はそんな思い込みを持った人に向けたお話をしたいと思います。
「お前のところのホームページに書いてある金額、嘘じゃないか!うちはもう資金が足りなくて支払う余裕なんてないんだよ!俺に死ねっていうのか?お前が死ねよ!」
電話口から聞こえるのはお客さんの怒りの声。そこには切羽詰まった思いも含まれていました。
たしかにうちのホームページの表記はわかりにくく、サービス利用していくうちに利用金額も増えていくような課金形態です。
契約書や利用規約にも金額の増加については小さく書いてあるだけです。
「部長、このお客様からもう残額は支払えないとお電話がありました。
これだけ債権回収可能性の低い会社に残額請求をするのは得策だとは思えません。
いいかげん、ホームページにも金額の明記をしませんか?お客様に対してあまりに不誠実すぎます」
部長は冷たい声でこう言います。
「お前さ、ビジネスなめてんの?お客さんだって契約書に同意しているわけじゃん。
お客さんから回収する金額が減ったらお前の給料だって減るんだぞ?それでいいわけ?」
あぁ、これはいくら話しても話にならない。
落胆した私は胃のあたりにズシンと重たい感情を持ちながらその場を立ち去ります。
ある日大口顧客の会長から怒りの電話が入ります。
「おたくの◯◯って社員が、うちの息子の経営している会社から無理やり支払いさせようとしてるらしいな?そんな不誠実な会社とはもう取引できないね。早くその社員、責任取ってやめさせろよ!」
部長が応対し、こう答えます。
「承知しました。大変申し訳ありません。今回の件は◯◯の独断で決めたことでして、我々としても充分な教育が行き届いておりませんでした。お客様のおっしゃるとおり、この社員は今月付けで解雇いたしますので、どうか契約はこのままご継続いただけないでしょうか。」
その言葉を聞いて、私は頭が真っ白になります。
私はお客さんにそんなこと言いたくないって言ったのに。
我慢してずっと働いてきたのに。
なんのために頑張ってきたんだろう…
周りの音が遠のいて、自分の席でパソコンの画面をぼんやりと眺めることしかできませんでした。
退職の日、会社の人たちは腫れ物に触るように、声をかけてくれることも
ありません。
ふと、いつも雑談仲間だった掃除のおばちゃんを思い出します。
この時間なら、今日も1Fのエントランスのお掃除をしてくれているはず‥
おばちゃんに声をかけると
「あら、どうしたの?今日は元気ないじゃない。
いつもはあんなに元気なのに。」
「おばちゃん、今日はね、お別れの挨拶をしにきたの。
いつもよくしてくれてありがとうね。
私、会社クビになっちゃって。」
「あら!そんな突然?!これからどうするの?」
「うーん、わからない。でも、次はお客さんのためになる仕事がしたいな。
もうお客さんからお金を無理やり奪ってるような気持ちになる仕事はしたくないの。」
「そうなの?あなた、本気でお客さんのためになる仕事がしたいと思う?」
おばちゃんが真剣な眼差しで見つめてきます。
「もちろん。本気だよ」
するとおばちゃんがこう答えます。
「わかったわ。あなたにこの100万円、あげるから本気でお客さんのことを考えた会社を立ち上げてみせて」
「え!?突然どうしたの?!こんなの、受け取れないよ」
「ふふ、ペイフォワードよ。あなた、さっき本気って言ったじゃない。」
おばちゃんがいたずらに笑って小さくウインクします。
「本当に?いいの?」
「もちろん、いいわよ。ただ一つだけ約束して。
お客さんに価格以上の価値を提供する仕事をすること。」
「わかった。おばちゃん、約束するね。
こんな私に、力を貸してくれて、本当にありがとう。必ず恩返しするからね。」
こうして私は小さなカウンセリングの会社を立ち上げます。
でもなかなか思うようにお客さんは来ません。
「売上を上げるってこんなに大変だったんだ‥これは無理やりにでも、来てくれたお客さんからなんとかお金を取りたくなる気持ちもわかるな。」
そんな思いがよぎるたびに、おばちゃんとの約束を思い出します。
「お客さんに価格以上の価値を提供すること」
この約束を思い出しながら、言いにくいこともお客さんのためであれば伝えて、本気で向き合うことを続けていくうちにちょっとずつ、ちょっとずつお客さんが増え始めます。
「◯◯さんのところに行って、本当によかった。
心から私の幸せを願ってくれていることが伝わってきて、心の底からこの価格だったら全然安いと思える体験をしました。」
Googleの口コミやXでお客さんが投稿してくれます。
その投稿を見て、ひとり、またひとりとお客さんが来てくれるようになりました。
あれから3年後。
丸の内のオフィスを構えた私は憧れのブランド、アレクサンダーマクイーンの服を来て自分の席に座っています。
眼の前には数百員の社員たち。
そんな中社員の一人が嬉しそうに報告に来てくれます。
「社長!聞いてくださいよ!この前旦那さんとの関係で悩んでたスズキさん、今はもうすっかりラブラブになって、今日からハワイ旅行ですって!羨ましいな〜」
目を輝かせながら話してくれます。
「まみちゃんも頑張ってお金ためて彼と旅行に行ったらいいじゃない。」
「えー、そうですね!私、もっとたくさんのお客さんを幸せにしてたくさんお金も稼がなきゃ。お客さんにも喜んでもらえて、お金も稼げるなんて、この仕事、私の天職です〜!」
彼女の心の底からそう感じている気持ちが伝わってきて、私は思わず嬉し涙が零れそうになりますがぐっとこらえてメールを打ちます。
「おばちゃん、私の会社、こんなに大きくなったよ。
こんなにたくさんの社員が、たくさんの人のことを幸せにしてるの。
おばちゃんとの約束守ってきたから、今が手に入ったんだと思う。
あのときは本当にありがとう。今こそちゃんと恩返しさせてください」
おばちゃんからのメールが入ります。
「おめでとう!もらった恩は他人に返すのが最大の恩返しってものよ♡」
おばちゃんがいたずらに笑いながらウインクする姿が画面越しに想像できて、私は思わず笑ってしまいます。
「仕事は嫌なものだ。売上を上げるにはお客様から無理やりにでもお金を出させないといけない」
この思い込みを採用するかどうかは自分自身で決めることができます。
もしこの思い込みを採用しないと決めるのであれば、こっちの思い込みを採用するのはいかがでしょうか。
「私は必ずお客さんに価格以上の価値を提供します。そうすることでお金はあとから付いてきます。」
「そんなことないだろ…!」ってツッコミたくなるところもあるかもしれませんが、もちろん途中からはフィクションです。
皆さんももしやってみるときは存分に想像力を発揮して、描きたいように描いてみてください。
そして大事な価値観ですが、私がとてつもない怒りや失望を抱くのが「不誠実」というキーワードでした。これは本当にプレゼンで発表するまでまっったく気付かなかったので自分で自分にびっくりしました。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ぜひみなさんもこれからのじぶん物語を作ってみてください。
本気で描いてみると思いがけない一面を持った自分に出会うことができるはずですよ。
そして描いたら必ずどこかでアウトプットするのがオススメです。
お友達や家族、恋人に発表してみたり、身近な人に話すのは恥ずかしいなというときは私に聞かせてください♡
読んで行く中で疑問やお気付きの点がありましたらX(@hatenkooou_chan)でDMお待ちしています。
よければいいね・フォローもしていただけると励みになります!
ご質問はこちらからも受け付けておりますので、お気軽にどうぞ。
最後まで読んでくださりありがとうございました♡
少しでも皆様にとってよりよい人生の手助けになれたら幸いです。
では、また。