#3 いま、この状況下でライブや劇場に行く私なりの理由
コロナウイルスの感染者が増えている、とか、ヨーロッパで変異した強いウイルスが蔓延しはじめている、とか。まだまだコロナの話題は続きそうな世界情勢。
日本でも寒さが増すにつれて感染者が増えているようで、年末年始のイベントがどんどん中止になっていますね……。残念。仕方ないよねという気持ちと、なんとか開催できないのかなという気持ちと。すごく複雑な心境です。
まだまだ収束しそうにないコロナの広がり。この状況下でライブ会場や劇場、映画館などに行くということ。賛否両論あると思います。私は10月から月に2〜3回ほど足を運んでいるという状況です。
※ご参考:過去記事
【河村隆一さんライブレポート】ライブシーンのニューノーマル、その最先端を体感して
【河村隆一さんビルボードライブレポ】愛、やさしさ、覚悟。たとえそれが美しい嘘だとしても。
【稲垣吾郎さん・剛力彩芽さん舞台】苦悩の中にあっても愛は見出せる。「No.9ー不滅の旋律ー」観劇レポート
誰でもコロナに感染する可能性がある、無症状のまま終わる人もいるし、知らないうちに自分が他者に広めてしまうこともある。そしてまだまだ解明されていないことも多いウイルス。いちばん安全に過ごすなら誰とも会わず、どこにも出かけないで家に籠ること。手洗いや消毒を徹底することーー。
私自身は以前と異なり、ふらふらと目的なく出かけることはかなり減りました。そしてライブや舞台の予定に合わせて2週間ほど前から体調管理を徹底する意識がより高まりました。もちろん出かける時はマスクを着用しますし、自分でアルコール消毒ジェルやスプレーを持参します。やれることは、やっている。それは自信を持って言えます。
その上でイベントに参加することは、私は悪いことではないと思うのです。イベント会場も、私が経験した限りではコロナ感染症対策がしっかりとられています。
イベントに参加することでアーティストや関係する方々を応援することになる。それは経済面でもそうだし、精神面でもそうなんじゃないかと思っています。そして、誰かを応援するということは、巡り巡って自分自身を支えることにもなる。イベントで励まされることは多いですし、ステイアットホーム状態が長い私たちにとって「非日常」を体感するというのは一種の救いにもなります。音楽が好き、お芝居が好きという方ならなおさらそうなのではないでしょうか。
ただ、自分が無症状感染者で、イベントに参加したことで知らないうちに周囲の方に感染をひろげてしまう危険性については、正直答えが出ていません。「もはや運だよね」と家族に話すこともありますが、たとえば医療関係者の方からしたらとても残念に感じることだと思います。少しでも感染する・させる可能性を減らす行動をするべきだ。それもひとつの正解。
じゃあ、どうしたらいいのか。。。
私なりに悩んで、考えて、最終的に、行きたい場所には万全の体制で行くということにしたのです。
2020年は、予想外のことがたくさん起きました。私の場合、コロナ対策のために急にアメリカから一時帰国することになって数ヶ月間、借住まい。その後、自宅に帰ることができないまま日本に本帰国となってしまいました。「あの人に最後、直接ご挨拶したかった」「あの時、”また今度行こう”なんて言わずにすぐ行っておけばよかった」「あー、あの部屋をもっと片付けておくべきだった」……。頭に浮かんだのに見送ったアレコレに対する後悔で、精神的にしんどい日々を送りました。
この経験を無駄にしない。後悔しないように、やりたいことがあればやる。行きたい場所があれば行く。できるだけ先送りせずに。
それが、このコロナ禍で得た教訓です。だから、ライブ会場や劇場にも、できるかぎり行こうと決めたのです。
自分なりの「正解」を選ぶとき、そこに他の道があるのなら、他を選んだ人にとっては自分なりの「正解」は不正解に見えることもあるでしょう。でも、自分は正しいと思ったのなら、貫きたい。その影響や反響は良いものも悪いものも自分で受け入れる。そして他を選んだ人を批判しない。このルールが私の中で定着した1年でした。
コロナ禍で失ったものはたくさんあるけれど、そんな中でも得られたものはある。この中だからこそ感じられたことがある。暗い部分を認識しつつも、できるだけ明るい部分を見つけていきたいなと思う今日このごろです。