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【効果的な訪問リハビリ】自主トレーニングを継続してもらうためのポイント③

訪問リハビリでは、セラピストとのリハビリ時間以外にも自主トレーニングをするように勧めると思います。

しかし、利用者さんの中には、自主トレーニングを数週間、継続することができていても、いつの間にか辞めてしまっているケースはいませんか?

今回は、そんな利用者さんに対して自主トレーニングを継続してもらうためのポイントについて紹介します!


途中で自主トレーニングを辞める理由

自主トレーニングを途中で辞めてしまう理由は、”自己否定感”になります。

自己否定が強い利用者さんは、自主トレーニングができない日があると失敗してしまった、効果がなくなったと捉えてしまう傾向があります。

すると、自主トレーニングができなかった原因を、「だらしない」、「意志が弱い」のように自分自身へフォーカスしてしまい、失敗を許せなくなってしまいます。

失敗を許せず、自分を責めている内にやる気がなくなり、いつの間にか辞めてしまいます。

例えば、ダイエットのために朝の散歩をしていた女性とします。

この女性は初めの1週間は毎日、散歩ができていました。

しかし、たまたま寝坊をして、朝の散歩ができなかった日がありました。

その日をきっかけにして、散歩ができなくなってしまうような事になります。


自主トレーニングを継続してもらうポイント

自己否定をしてしまう利用者さんに対して、自主トレーニングを継続してもらうためのポイントは、”失敗を許容できる自主トレーニング設計”になります。

つまり、利用者さんが自主トレーニングを予定通りにできなかった場合でも問題ない自主トレーニングの提案とアフターフォローをすれば良いのです。

具体的な方法について、以下で3つ紹介します!

継続しやすい自主トレーニング①

継続しやすい自主トレーニングは、続けてできた日数には注目せず、運動ボリュームや運動の累積時間を大事した方が良いです。

例えば、足のむくみや歩行速度の改善のために「つま先立ち」の自主トレーニングを勧めたとします。

この場合、「毎朝、椅子の背もたれに掴まって爪先立ちを10回やりましょう。」とセラピストが提案するのは、好ましくありません。

この提案では、毎朝行う=自主トレーニングというイメージを持たれやすいです。

そうではなく、「次のリハビリまでに(1週間後)、つま先立ちを合計100回やってみましょう。毎日やってもいいし、1日で100回やってもかまいません。」とセラピストが提案すると、つま先立ち100回=自主トレーニングというイメージを持たれやすくなります。

自主トレーニングは、毎日行う=習慣化することが望ましいですが、まずはリハビリ以外の時間に運動する習慣を作ってから、徐々に毎日できるようにステップアップしていくつもりで提案すると、利用者さんが自己否定することなく、自主トレーニングに取り組めると思います!

継続しやすい自主トレーニング②

継続しやすい自主トレーニングは、自主トレーニングができなかったことに対してセラピストが注意するのではなく、慰めた方が良いです。

自主トレーニングを途中で辞めてしまった利用者さんに対して、「しっかりやってくださいね!」のように注意してしまうとやる気がそがれてしまいます。

それよりも、「自主トレーニングできなかったことを正直に教えてくれてありがとうございます。大変ですよね!まだ、たくさんはできないかもしれませんが、いずれできるようになりますので、今日できなくても、明日、明後日も挑戦してみてくださいね!」のように利用者さんを責めずに、ただただ慰めてあげましょう!

これにより、利用者さんは、自分を支えてくれる人=セラピストがいるから、頑張ろうとやる気を取り戻すことが期待できます

継続しやすい自主トレーニング③

継続しやすい自主トレーニングは、失敗から学び、活かそうとする姿勢をセラピストが見せると良いです。

自主トレーニング=利用者さんが1人で運動や練習をするというように枠組みを作ってしまうと、利用者さんは孤独になり、失敗すると自責しやすくなります。

そうではなく、自主トレーニングはセラピストと利用者さんが協同しているリハビリの一環であると考えてもらうことが重要になります。

そのためには、利用者さんが自主トレーニングを辞めた、もしくは中断してしまう原因を利用者さん以外にあると仮定して、次は失敗しないように利用者さんと一緒に策を練りましょう!

例えば、足のむくみや歩行速度の改善のために「つま先立ち」の自主トレーニングを勧めたとします。

利用者さんは毎朝、つま先立ちを行っていたが、12月に入り、自主トレーニングをしない日が数日ありました。

この失敗の原因を12月→寒くなり、水分量が減っている→朝は体が脱水によりやや動きにくい、だるい→自主トレーニングのやる気が起きないのようにセラピストが考えて利用者さんに伝えてあげましょう。

このように、利用者さん以外の原因について考えて伝えることで、利用者さんが水分量を多くなり、体の動きが改善することで自責が落ち着き、再度、自主トレーニングに取り組めるかもしれません!

まとめ

今回は、自己否定により、いつの間にか自主トレーニングを辞めてしまう利用者さんに対して、自主トレーニングを継続してもらうためのポイントについて紹介しました。

自己否定をしてしまう利用者さんに対して、自主トレーニングを継続してもらうためのポイントは、”失敗を許容できる自主トレーニング設計”になります。

失敗を許容できる自主トレーニングとは、セラピストが以下の3つに注意しながら、自主トレーニングの継続をサポートすることになります。

1.続けてできた日数には注目せず、運動ボリュームや運動の累積時間を大事する

2.自主トレーニングができなかったことに対してセラピストが注意するのではなく、慰める

3.失敗から学び、活かそうとする姿勢をセラピストが見せる

上記の関わりに注意しながら、利用者さんが自主トレーニングを中断しても再開する良い流れを作り、将来的には自主トレーニングが生活の一部=習慣にできるように、じっくりと見守っていきましょう!

是非、やってみてください!

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最後まで、ありがとうございました!


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