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【訪問リハあるある】「〇〇しないと・・・できない」とぼやく利用者さんへの効果的な対応!

「腰の痛みが良くならないと、歩く運動はできない。」

「涼しくならないと、外には行けない。」

「杖なしで歩けるようにならないと、外は歩けない。」

訪問リハビリでは、「〇〇しないと・・・できない。」とぼやく利用者さんがいます。

このような利用者さんは、セラピストが思うような運動を行うことができない、もしくは少ない運動しか行わない傾向がある印象です。

今回は、「〇〇しないと・・・できない。」とぼやく利用者さんへの正体と効果的な対応について紹介します!


「〇〇できないと・・・できない。」とぼやく利用者さんの正体

ズバリ、他人と自分を比べてしまい、成功や合格の基準がものすごく高くなっている『完璧主義』になっていると考えます。


完璧主義


『完璧主義』は、はじめの内はコツコツと努力できますが、他人に相談することが苦手になったり、極端に失敗を恐れてしまうようになってしまいます。

そして、徐々に挑戦することが難しくなります。

「〇〇できないと・・・できない。」とぼやくことは、挑戦を先延ばしにするための発言と捉えられます。

そのため、利用者さんが自分自身のあるがままを受け入れ、さらに優しくなってもらうことが効果的な対応になります。

具体的な方法を3つ以下に紹介します!


対応①

1つ目は、〈利用者さんの言葉を肯定的な言葉に変換する〉になります。


肯定的


『完璧主義』の利用者さんは、小さな失敗すら許せなくなっています。

そのため、「〇〇しないと・・・できない。」とぼやいた後に、セラピストから〇〇=利用者さんが考えた問題点に対する別の解釈の提示、「リハビリの時間に少しずつやってみましょう。」のような運動=挑戦を促すようなポジティブな提案をされると反発しやすくなります。

まずは、利用者さんの言葉を肯定的な言葉に変換しながら、共感していきます。

例えば、「腰の痛みが良くならないと、歩く運動ができない。」と利用者さんがぼやいた場合。

「腰の痛みが良くなれば、歩く運動ができそうですね。」

「歩くことができれば、買い物にも行けるかもしれませんね。」

セラピストの口から出される言葉は、常に肯定的かつ未来を見据えていることがポイントになります。


対応②

2つ目は、〈利用者さんの強みを伝える〉になります。


強み


『完璧主義』の利用者さんは、現状を受け入れることができないため、視野が狭く、ネガティブなことばかりに注意が奪われています。

そこで、セラピストの評価に基づいた利用者さんの強みを優しく伝えてみましょう。

例えば、「腰の痛みが良くならないと、歩く運動ができない。」と利用者さんがぼやいた場合。

「夜は良く眠れており、食事もバランスよく食べることができていますね。そのおかげか、筋力は十分にありますね。
この生活であれば、筋肉の硬さも最小限のため、ストレッチや簡単な体操、歩き方の練習で腰痛の改善も図れるかもしれません。」

自分自身の強みを理解できている人間は稀です。

自分では当たり前と思っていることでも、他人から見れば強みに見える部分は多々あります。

ドンドン強みを伝え、ポジティブにも目を向かられるように関わりましょう!


対応③

対応①、②で、利用者さんに向けて優しい声かけをしたからと言って、いきなりがっつりとしたリハビリ=運動に取り掛かるのは、危険です。

最後に、対応③として、〈不安を取り除くエクササイズ〉を行いましょう。

『完璧主義』の利用者さんは、困難になったことへの再挑戦を先延ばしにしている可能性があり、リハビリを行うことへの不安が高まっていると思います。

このように不安が高まっていたり、自分自身を責めてしまっている時は、交感神経が優位になっています。

副交感神経を優位にさせ、リラックスできるようになって始めて、あるがままの自分を受け入れ、自分に優しくできるスタートラインに立てます。

そこで、副交感神経を優位にさせるためのエクササイズをリハビリに取り入れます。


リラックス


ズバリ、深呼吸に合わせたゆったり体操で、ほんのり体温が高まり、疲れない程度が良いです。

副交感神経を優位にさせるエクササイズの中には、ストレッチやマッサージがありますが、これはおススメできません。

理由は、セラピストが施術することでリラックスさせてしまうと、利用者さんが受身的にリハビリを行ってしまい、結局、挑戦する気分にならないリスクがあるためです。

あくまでも、利用者さんが自分の体を動かすことでリラックスできるように関わりましょう。


まとめ

「〇〇しないと・・・できない。」とぼやく利用者さんは、『完璧主義』になっており、困難になったことに挑戦することが不安になっているかもしれません。

そんな利用者さんへの効果的な対応を3つ紹介しました。

①共感を示すために、〈利用者さんの言葉を肯定的な言葉に変換して伝える〉。
②視野を広げ、ポジティブな部分にも目が向けられるように〈利用者さんの強みを伝える〉。
〈不安を取り除くエクササイズ〉を行い、リラックスることで自分にやさ少なってもらう。

訪問リハビリの開始時には、上記の対応をとりつつ、利用者さんがあるがままの自分=現状を受け入れやすくなるように関わっていき、徐々に困難になったことにセラピストと一緒に挑戦できれば、素晴らしいと考えます。


ぼやく利用者さん まとめ


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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