大撃沈!第55回防府読売マラソン
ハッチです。
ご覧いただきありがとうございます。
12月1日に第55回防府読売マラソンに参加しました。
このレースでサブ3.5、すなわち3時間30分切りを果たし、別府大分毎日マラソンの挑戦権を掴み取る事を目標に取り組んできました。
しかし結果は後半にハンガーノックでフラフラになり、歩いて止まっての大撃沈。タイムは4時間01分51秒で、初マラソンから7走目にして「歩かずに完走記録」と「連続サブ4記録」が同時に途絶える失敗レースとなってしまいました。
本記事では、レースの振り返りとハンガーノックになってしまった原因などを素人なりに振り返っていきます。
よろしければ最後までお付き合いいただけますと幸いです。
<防府読売までの取り組み>
・昨シーズンからの取り組み
2月の姫路城マラソン2024では3時間34分25秒でサブ3.5を射程圏内に捉えたと思っていました。
マラソン参戦3シーズン目となる今年は、
基本のジョグを大切にする
インターバル走とロングジョグを主なメニューにする
週に一度パーソナルジムで足腰重視の筋トレ
減量
の4つをテーマに練習しました。
以前は中〜高強度のSNSに映えやすい練習を中心に行ない、疲労や脚の痛みで数日ランオフするようなサイクルでした。いわゆる練習の継続性が無い状態ですね。
ある時チームメイトのるーさんから「なんと言ってもしっかりジョグで距離踏む事が大切だよ」というお話を聞き、それがとても響いたので実践する事にしました。
スピード練習は1000m×5インターバルを実施しキロ5が余裕に感じられるように。
週イチの筋トレは特にスクワット、ブルガリアンスクワット、カーフレイズの下半身メニューに重点を置いて実施。
減量は食事内容をアプリに記録してカロリー管理を行ない、9月からの取り組みでレースまでに3kgの減量に成功。
・東京レガシーハーフ出場
猛暑で思うように距離を踏めないなか、暑熱順化のためにも汗を流しました。
そして10月20日に東京レガシーハーフに出場して仕上がりの確認。
レースシューズは満を持してヴェイパーフライNEXT%2を投入しました。このシューズ、2年前STEPスポーツ岡山店の移転オープンセールで購入したままずっと温めていたものです。
サブ3.5したら履こうと思ってましたが、ソールが加水分解でダメになったらもったいないし、履いてあげてこそのシューズと思い開封しました。
結果はスタート渋滞を取り戻せなかったものの、スーパーシューズの力で道中は4′30″/kmで巡航でき、1時間37分04秒でPB更新。遮熱順化で汗を流した甲斐があったというものです。
・レース前日まで
今回はカーボローディングと言って多めに食べるのでは無く、胃腸を休める方向で調整を行ないました。消化にも多くのエネルギーを消費するし、何より胃もたれを感じたままスタートラインに立ちたくない思いがありました。
しっかり食べたのは金曜夜のココイチカレーだけで、土曜朝はバナナとヨーグルト、昼はきつねうどん、夜はコンビニで買った小ぶりの麻婆丼とおにぎり。普段の生活よりも少ないぐらいです。
夕方には新幹線で山口県入り。徳山駅前の東横インにチェックインしました。
そしてゼッケンを取り付け、ウェアに魂を注入します。この時間は身も心も引き締まるのでとても好きです。
そして補給セットの準備。今回のポイントは練乳を所持した事です。これはTazzoさんのポストを参考にさせてもらいました。
PBペースで走ると糖を多く消費するのか、ジェル4つ摂って全ての給水所でスポドリ飲んでも、終盤に低血糖で指先が痺れる経験を何度もしています。
なので練乳をジェル補給の間でチビチビ飲み、糖を切らさない作戦をとる事にしました。
<レース当日>
・スタートまで
5時半起床。バナナときなこおはぎをかき込み、シャワーを浴びて体を目覚めさせます。
宿泊した東横インは朝食無料でおにぎりが用意されるので、提供開始となる6時半に1階ロビーへ。すると既にフロア一周するほどのランナーの大行列ができています。さすがに待ってられないので、早々に諦めて部屋に戻り出発準備を整えました。
身支度を整えチェックアウトに向かうと、あれだけいたおにぎり待ち列がゼロになっていました。これ幸いと小ぶりなおにぎりを2個手に取りチェックアウト。
徳山駅からは電車で移動です。車内でおにぎりを頬張りながら揺られる事30分、防府駅に到着しました。防府駅からは無料シャトルバスが出ています。ありがたく利用させていただき無事現着。
アリーナで前職の元上司と合流しました。雑談を交わしつつ、所持品、計測チップ、ゼッケンの最終確認とガーミンの再起動をしてアップに向かいます。
動的ストレッチと体が温まる程度のジョグをして、少ない待ち時間でトイレを済ませることができ、スタート15分前に整列します。ギリギリまでトイレに並んでいても、ゼッケン番号順に分けられたブロックに何事もなく立つ事ができます。1時間前から整列し待ってるうちにトイレに行きたくなるような事はありません。
大会開催者の挨拶も無ければ、場を盛り上げるMCも無い。ただ「スタート5分前」「スタート3分前」のアナウンスがあるのみ。さすがガチレース。今年もこの場に立てました。心地よい緊張感に気持ちも高まります。
よっしゃやったるで!と気合を入れていざ号砲。
・スタート〜ハーフまで
スタートロスは45秒。コースは中盤まで基本左回りなので道路左サイドからスタートして、そのまま左端を走る事で1mでもロスを減らすよう心がけます。この辺りは昨年の防府読売を走った経験が活きます。
詰まることなく流れていくのですが、ペースが5′05″〜5′10″/kmと目標よりも少しだけ遅い。とはいえスイスイ抜いていけるだけのスペースも無いので、焦らず無理せず集団が解けるのを待つ事にします。無駄な脚を使わない事を学習できています。
スタートして2km過ぎで早くも額に汗が流れてきました。暑くなりそうなので4km地点にある最初の給水所から体に水をかけて冷やすことに。
1km〜5kmラップ:25分31秒
およそ40秒の借金です。4′50″〜55″/kmぐらいで行けばハーフまでに返済できるな〜と計算できたので、慌てる事なく淡々と進行。
8km手前で塩ジェルとアミノバイタルを摂ったあと給水所でスポドリを飲み、水で口と手をすすぎ、背中にかけて体を冷やす一連の作業をいそいそとこなします。
6〜10kmラップ:24分36秒
混雑もほぐれた頃、フォームとリズムの良い同じペースで走る2人に合流させていただき、3人で小集団を組んで走ります。1人じゃないってやっぱりラクだなぁとありがたみを感じました。
11〜15kmラップ:24分43秒
本日3回目のスタート地点を通過して三田尻大橋方向へ向かいます。
12kmぐらいで今回の目玉、練乳を投入しました。激甘ですが、口に注ぎ込んでつなぎ補給としました。フタを閉めてポーチに収納できるのも想定どおり役立ちそうです。
この頃には3桁ゼッケンを付けた方がチラホラ逆走してスタート地点に向かう姿が目に入ります。これ以上走っても良いタイム出ない、と判断したら無理をせずサッと見切りを付けて余計な疲労は残さないスタイルでしょうか。
このセクターも3人の小集団で気持ちよく進行。
16〜20kmラップ:24分38秒
防府市街地に向かいって行き、沿道の人が増え声援が大きくなります。17.4kmのエイドでジェル2本目を摂取。
脚はまだまだ十分残っているし呼吸も問題無いように感じるものの、平均心拍数は160台でベスト時の姫路城より10ほど高い。少し不安を覚えますが今悩んでも仕方ないのでそのまま進みます。
ハーフ通過:1時間44分56秒
・ハーフ〜フィニッシュまで
狙いどおりハーフ到達でイーブンに戻す事に成功しました。よっしゃよっしゃとニンマリしながら、後は4′58″/kmを下回らないようにすることに注力です。キロ3〜5秒ほどペースを落とせると心身ともにゆとりが生まれました。
22kmの給水で3人の小集団がバラけてしまいそこから単独走になります。
そして23km過ぎだったでしょうか、スライドしていくエリートを見ていたら川内優輝選手が来ました。故障明けでキツそうな表情をしています。咄嗟に「川内ファイト🔥」と声援を送ります。必死に走る姿にこちらも胸が熱くなりました。
21〜25kmラップ:24分55秒
25kmの植松跨線橋は、昨年沿道から長州力の入場曲「パワーホール」を流しての応援があった場所です。揚々と腕を回す準備をしていましたが残念ながら不在でしょんぼり。
その頃から知らぬ間に5分を少し超えるペースに落ちてしまっている事に気付きます。おっといけない、と目標ペースに戻しましたが、何故か体に力が入らないフワフワした感覚がありました。いま思えばすでに糖が枯渇しかけていたのだと思います。
そしてここで最大のミスを犯します。
27km給水所手前で補給を開始しました。脚攣り予防に芍薬甘草湯を手持ちのOS-1で流し込み、続けて塩ジェルを摂りました。
塩ジェルを摂ったことで「ジェルを摂った」気になってしまったのでしょう。肝心のエネルギージェルを摂り忘れてしまいました。
30km手前の折り返しに差し掛かる頃には自覚できるほど違和感を感じ始めました。
26〜30kmラップ:25分26秒
さあここからがマラソンだ!と気合いを入れ直して、先のラップで作った借金返済に取り掛かります。ギアを入れ直し4′50〜55″/kmで来た道を戻っていきます。ですがそれも長くは持続できなかったので、予定より早くカフェイン200mgジェルと練乳を少し入れます。
その甲斐あってしばらくは何とか粘ったものの、徐々に失速しペースが落ちる一途を辿ります。
31〜35kmラップ:25分56秒
ペースはキロ6分→7分→8分とどんどん落ち、ついには走ることすらキツくなりました。
両手と鼻先、頬辺りが強く痺れています。
レース中に一度も歩いたことが無い事を根性の証と思っていましたが、これ以上走ったら本当に危険だと感じるほどになり、止むを得ず初めて歩く事にしました。歩かない記録が途絶え無念。
騙しだまし歩き、回復を期待しますがむしろ真っ直ぐ歩けずフラフラしだし、ガーミンのペースはキロ15分を示しています。
ついには突然左ふくらはぎが酷く攣り「あ゛っ!」と声を発して一歩も動けなくなりました。それまで攣りの兆候は無かったのに走るのをやめた途端に来ました。更に左脚を伸ばしていたら右脚も攣って万事休す。
5分近くは止まっていたでしょうか。何とか歩けるようにはなりましたがリタイアしよう、座ってラクになろうという考えが何度も頭をよぎります。関門時間も危うくなってきて絶体絶命のピンチに。
それでも回収バスに拾われるか関門にかかるまでは前に進む、自分から白旗は上げない、と心に決め歩き続けます。
39km給水所でスポドリを飲み、紙コップが無くなったのでペットボトルのままで提供されている水を受け取り、脚にジャブジャブかけて冷やしました。シューズに入ってもお構いなしです。
三田尻大橋を超えた先で右脹脛が攣ります。偶然隣で同じく右脹脛を攣っているランナーさんと
私「同じ脚が痛いっすねー😅」
ラ「もう少し頑張りましょうかねー😅」
と励まし合いながらリスタート。
36〜40kmラップ:48分24秒
時計は3時間45分を指しています。沿道からは「間に合うよー!」の声が聞こえます。水で冷やした効果かそれともスポドリの効果か、再び脚が動き出し再度走れるようになりました。
最終関門は競技場の入口で制限時間4時間。頭が回らず上手く計算できませんが、声援を信じて走ります。
いよいよ競技場入口が見えてきました。先にフィニッシュした方々が関門前の沿道から「間に合う!間に合う!」「ファイト!」「いけるよー!」の大声援を送ってくれます。ありがたい。
関門まであと30mぐらいで脚がピキッとなりバランスを崩しそうに。沿道からあがる悲鳴。でも絶対止まらない。あとは気持ちだけ。
関門の時計は末尾が40秒を示しているのが見えました。間に合うぞ!
そして審判員が10秒前カウントダウンを始めゲートを閉める準備をしています。脚が攣らない最大速度を出し関門閉鎖5秒前に何とか滑り込む事に成功しました。
そして後ろからはガラガラ、ガシャーンというゲートが閉まる音。
ほぼ同時に関門通過した方と、
私「間に合って良かったっすね〜」
相手「フィニッシャータオルもらえますね〜」
などと会話をしながらトラックを並走します。
最終コーナーを曲がると脚を引きずりながら懸命に前に進むランナーが。
なんと三田尻大橋で同時多発脚攣りをして励まし合った方ではありませんか。
「また会いましたね〜」「一緒にフィニッシュしましょう」と3人並んで仲良くフィニッシュラインを通過。無事完走する事ができました。
完走タイム:4時間01分51秒
・フィニッシュ後
昨年は全身が攣り競技場から車椅子で搬出してもらいましたが、今年は何とか自分の脚で歩いてアリーナに戻れました。
先にフィニッシュした元上司と合流。3時間21分でセカンドベストだったそうです。その元上司が家まで車に同乗させてくださるので、シャトルバスで駐車場まで行き帰路に着きます。
猛烈にシュワっとした甘い飲み物が欲しくなり、最初のコンビニでスプライトを購入。
道中3時間ずっと運転していただき、無事帰宅。
家に帰るまでがマラソンという事で私の防府読売マラソンが完結しました。
<振り返り>
・ハンガーノック
帰宅して荷解き中、ユレニクイからエネルギージェルが2個出てきました。そこで初めて自分のミスに気がつきました。先にも書いたとおり27km地点で摂り忘れがあったと書きましたが35kmで摂る予定のジェルも忘れていました。と言うより忘れていたのではなく「ジェルを摂る」という考えに至らない状態ですね。脳に糖が回らないと思考力が低下する、を実体験しました。
この表でいうところのレベル4に手が掛かるところまで来ていました。
詰まるところ、
胃腸を休めるためにカーボローディングを控える
↓
いつもより早い段階でガス欠状態になる
↓
思考力が低下してくる
↓
ジェル摂り忘れ
↓
ハンガーノック
の流れではないかと素人なりに考えました。
この反省を踏まえて、次走は
・食べ過ぎに注意しながらカーボローディングは実施する
・忘れずジェル摂取するようレース中リマインドする形を考える
を取り組むようにします。
・サブ3.5に向けて走力向上
必要とされるスピード(4′58″/km)に対して不安は感じていないのですが、過去レースと同様に35km以降の落ち込み方が激しいのが問題です。
これは過去の記事で「ロング走をする」と何度も書いているけど、それほど回数を重ねられていないのが全てでしょう。
35kmからの落ち込みを最小限に留められるレースをするには、距離耐性を向上させる事が最重要課題ですね。時間はかかるけどそれが目標達成への最短ルートと言えそうです。
・最後に
正直なところ今回でサブ3.5達成できると思っていました。それがフタを開けてみれば初マラソンを下回るワースト記録。それに加えて連続サブ4記録と歩かず完走記録まで途絶える大惨敗。
決してナメてた訳ではありませんが「初マラソンでサブ4する!」と息巻いていた頃から比べると多少の慣れが生じていたことは否めません。
そんな自分にマラソンの神様が喝を入れてくれたのだと思います。おかげで改めてマラソンの奥深さを感じることができました。
失敗レースを反省し、次はどのように練習するか、前日までの過ごし方は、シューズは、補給は…考えることが多くて試行錯誤するのも楽しみのうちですね。こうして人はマラソン沼に肩まで浸かっていくのでしょう(笑)。
最後に、今回も多くの方からXでご声援をいただき、それが本当に励みになりました。苦しい時でも「諦めずに頑張ろう」と心の支えになったのは間違いありません。この場で心から御礼申し上げます。
残念ながら今回は不甲斐ない結果となってしまいましたが、引き続き頑張っていきますので今後ともよろしくお願いします。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。