高齢者の事故率が低いという論への違和感

高齢者が事故を起こしやすいわけじゃない、という意見に大きな違和感があります。

年代別の死亡事故数を、年代別の免許保有者数で割り算する、この算定ロジック自体が、一見正しそうで、実はバイアスがかかっているのではないでしょうか。

免許保有者数≒運転者数なのか?

そもそも『免許保有者数≒運転者数』と仮説を置いているのですが、この仮説は本当に正しいのでしょうか? 

といのも、この年代、実際に運転するわけではなく、身分証明書代わりに運転免許を持っていようとする世代なのではないでしょうか???

実は、ここ10年で70代の免許保有者数(593万人->1,005万人)は激増しています(推計込み)。この人たちは、本当にアクティブな運転者なのでしょうか。(個人的な感覚として、実際に、都内を走っていて70代のアクティブな運転者が激増している実感がありません)

一方、25才あたりの若者は、人口減割合以上に車離れしていて、免許数が著しく減っています。この年代については、運転離れの中であえて免許を持つという意味で、アクティブな運転者だと推察されます。結果、事故率算定には免許保持者数の利用が妥当なのだと考えます。

年代別アクティブな運転者数とは

結論としては、真の年代別の事故率算定には、年代別 事故数を、年代別 アクティブな運転者、この推計で割り算しないといけないと考えます。

このアクティブな運転者は、年代別での出口調査的なヒアリングで推計が出せるでしょう。

あるいは、ゴールド免許を持つ、すなわち優良運転者講習を受けている人、この多くが(高齢者であればあるほど)ペーパードライバーであろうと仮説を立てれば、アクティブ運転者はそれを除した数になるでしょう。

ゴールド免許更新者の割合が、この8年で急増(+6%:50.14%->56.59%)しているのは、上記の高齢者の免許数の急増が要因でしょう。

なお、年代別のゴールド免許更新者割合は警察庁などのホームページでは見つからなかったのですが、高齢者については、全体平均56.59%よりも高いことが推察されます。

いずれにしても、アクティブな運転者数が大幅に減るため、高齢者側の事故率平均は大幅に跳ね上がり、高齢者の事故率が著しく低い、という当初の論は揺らぐのだと考えます。

各引用ソースが一次情報ではないので恐縮ですが、論拠に大きくブレはないと思いますが、いかがでしょうか。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?