【4/23記事の補足】ワーストシナリオは回避されそう?

GW前に色々考えてから1ヶ月ぐらい経ったので、振り返り。

【そんなに悪いことは起きなかった】

5/6に緊急事態宣言は解除できない。一部の都道府県での解除はあるかもしれないが、引き続き「次の2週間が運命の分かれ道」であるとして、自粛の要請が続く。延々と。

延々とは続かず、5/14に39県で解除、5/21に5/25に全国解除となった。

経路不明感染者が増えてしまった今、濃厚接触者を追跡するクラスター潰し戦略は通用しないため、これからはPCR検査実施人数の拡大に路線転換せざるを得ない。これに伴い陽性判定数もズルズル増えていく。前提が変わってしまうので宣言解除の客観的基準を失う。ニュース価値としての鮮度を次第に失い、メディアも飽き、視聴者も飽き、自粛の徹底は続かない。

PCR検査実施数は増えているようだが、感染者数は減った。そもそも4月7日の発令時にはピークアウトしていたようだ。何故なのかはよく分からない。

観光や飲食などダメージの大きい業種は自粛要請の終わりが見えない中では事業をたたむしかない。コロナ倒産やコロナリストラなどの経済不安を背景に、自殺者数がコロナ感染死者数を超える。

倒産や自殺はまだ顕在化していない。5/27時点でのコロナ死者869名。経済理由での自殺者数は年間3000人強。増えないで欲しい。

リモートワークが急増する裏側で高まるサイバー攻撃のリスク。自然災害または人為的な要因で通信障害が起きた時の経済社会へのダメージが深刻化。

これもまだ顕在化していない。

自粛が限界を超えて人々は街に繰り出し、感染拡大の第二波が襲う。既に医療現場は疲弊、防護服などの物資は慢性的に不足。コロナ対応のしわ寄せで通常の医療を受けられず悪化・死亡する患者が増加。

第二波について論じるにはまだ早い。現状は医療資源は逼迫しておらず、しわ寄せが発生するほどではない。

相変わらず三密で議論する国会内での集団感染リスク。国会や行政府が集団感染により機能マヒした際のバックアッププランなし。

国会は普通に集まって議論しているのに感染者が出たという話を聞かない。行政府は多少の感染者が出ていたけどすぐに収束。結果としてセーフ?

世界に目を向けると、欧米やアジアでの感染拡大を抑え込めたころに時間差でアフリカでの感染拡大。国際的な人や物の移動を制約しない限り感染拡大を抑え込めない。

5/28に見た感じだと、アフリカでの感染拡大には至っていない。

世界中のコロナ長期化に伴う国際物流の停滞、バッタ被害による世界的な食糧不足。あるいはこうした食糧不足を見越した一部の国による買い占めなどのパニック。

バッタは深刻。ただし食糧買い占めパニックには至っていない。

北朝鮮の現体制崩壊に伴う難民問題の顕在化。10万人規模の難民が日本列島にも押し寄せる。三密を回避した状態で隔離するなど人道的対応がどこまでできるのか。

一時期は金氏の死亡説も出ていたが、5/2に北朝鮮メディアが工場の竣工式に出席したことを報じてトーンダウン。その後引き続き雲隠れ。コロナの混乱に対しては公開処刑などで鎮圧しており体制がひっくり返るほどの混乱は起きていない。

金正恩「異例の事態」になお注目…視察回数「激減」の裏に何が(高英起) - Yahoo!ニュースロイターは22日、専門家の分析として「北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は4月に続き、5月も3週間にわたり公の場に姿を見せておnews.yahoo.co.jp

ということで、ワーストシナリオから見るとかなり現状は明るい。

ただし、顕在化していないが解決していないリスクも幾つかある。

あと意外だったのは、スタグフレーション(不況と物価インフレのダブルパンチ)が来るのかなと思ったけど、日銀の予測はむしろ物価下落の傾向があるよと。

先行きについては、当面、感染症の拡大や原油 価格の下落などの影響を受けて弱含むとみられる。 すなわち、1感染症拡大の直接的な影響から宿泊 料や外国パック旅行費が下落するほか、2食料工 業製品や外食等の景気感応的な品目が弱含むと考 えられる。また、3石油製品等のエネルギー価格 の下落が下押し要因として作用すると見込まれる。 そうしたもとで、中長期的な予想物価上昇率は、 当面、弱含むと考えられる。もっとも、その後に ついては、エネルギー価格下落の影響が減衰して いくことや、景気が改善していくもとで、中長期 的な予想物価上昇率も緩やかに高まっていくこと から、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、 徐々に上昇率を高めていくと考えられる。

これ需要側からだけ語られているけど、新しい生活様式対応のために床面積当たりの利益が減り、値上げせざるを得ない、競合が倒産して値下げ圧力が減る、従業員確保のコストが上がり賃上げ、生産の国内回帰に伴い価格引き上げ、といった供給サイドの要因によるインフレは加味されないんだろうか。謎。

引き続き継続的にフォローしていきたい。



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