見出し画像

「花壇を無理くり畑にしてみた話<後編>」新規就農への記録・その4

後編は、「畑には向かないんじゃないか?という土地を畑にするには?ということをずっと考えていったら、どんどん畑が好きになっていった」というお話です。ちょっと、ややこしい言い方ですみません(笑)。

そもそもですが、野菜を育てることに向いている土地というのが畑です。
逆を言えば、野菜を育てることに向いてる土地にすることも可能では、と。
土の状態、日当たりの状態など、いろいろあります。私もまだまだ難しいところは勉強不足で分からないことが多いのですが。土づくりは、奥が深い。

よく難しい土地として言われるときの例えとして、「学校のグランドみたいな土地」、という言い方を聞いたことがあります。
確かに。学校のグランドで、野菜を作ろうとは思わないですよね。まあ、作れないことはないんだろうけど、ちょっと耕したり、肥料入れたり、時間がかかりそうです。

ん?じゃあ、花壇はどうかな?とあるとき思ったんですよね。
「グランドよりもよさそう。花も植えているわけだし。」
まだ自分自身、野菜作りをしたことがない時の話です。

ちょうどその時の同僚に、授業として子どもたちと、小さな学校の花壇で野菜を作っている人がいました。自分でも家庭菜園をやっているらしく、カセットボンベタイプの簡易耕運機を持って来ては、耕していて。
それを見たときの感想。
「…おお、なんか、かっこいい。」
「花壇で野菜、作れるんだ…」

学校の花壇では、一般的にパンジーとか、朝顔とか、マリーゴールドを育てることが多いですかね。そこに、ほうれん草とか、大根とか、ネギを植えたりするんです、その方は(笑)。
防虫対策として、トンネルも設置しちゃう(笑)。それを見た時の感想。
「え?ここ、花壇だよね。あれ?でも、なんか楽しそう(笑)」
「というか、農業って、案外自由なんだな。」

今考えると、仕事的にも自由だったな、と(笑)。
年配の方だったから、誰にもいろいろ言われずやれていたのかも。
しかし、その後私もそうですし、確か実家が農家という若者も密かに参戦。
なんか、学年対抗じゃないですが、それぞれ熱を帯びてきて、
2階の窓からネット張ってひょうたん育ててみたり、
キュウリや朝顔を2階の教室に這わせたり(笑)。
アイディアは無限でした。今思い出しても楽しい(笑)。
もうね、もはや花壇じゃない(笑)。でも、楽しい!
なんか、畑っていいなあ、と、あらためて思ったことを思い出します。

私自身は、このころ草取りにはまってました。
というか、除草というよりも、草取り。それも一人で。
ちょっと仕事で行き詰まると、花壇ならぬ畑に行き、うつむきながら無心で草をポチポチ抜く。これが、心を整えるのに最適でした。
自分と向き合えるし、考え事も、ぼんやりと自分のペースでできる。
職員室や教室だと、一生懸命考えてしまうんですよね。
そんな時は、草取りですよ、みなさん(笑)。
自分と向き合うスタイルは、
「はたけのいす」にもしっかり受け継がれていきます(笑)

次回は、もっと畑のこと、野菜作りのことを知りたくなり、
地元の市民農園に行ってみた、というお話です。

<ちょっと長いおまけ
 ~もしかしたらたまたま見てくださった、若い先生やその卵さんへ>

畑と学校編は、これでひとまずおしまいです。
もし、学校の花壇を畑にしてみたい!と思った方のために(いるのか??)
ちょっとだけ小ネタというか、アドバイスを残しておきます。
学校の若い先生や卵さんが、もしやるときの参考になれば…。
(だから、いるのか(笑)??)
もちろん専門的な話は、YouTubeや本を読んでくださいね~。

〇学校の花壇って、土の下を、コンクリートを打ちっぱなしで基礎を作ってることが多いです。べた基礎、とかいうんですかね。
これだと、耕すためにスコップを入れても、一定の深さからは刺さらない。
「あれ?刺さらない。石かな?」いや、多分それ、コンクリートです。
そうだとしたら、土の部分(作土とも言います)はそこまで。
なので、大根とか根菜類を育てるのは、花壇によってはむつかしいかもしれません。葉物とか、あと、根菜類でも、根が下にあまり伸びないカブとか人参なら大丈夫だと思います。

〇先述した、2階の窓から斜めにネットや紐を張って、そこに蔓を這わせていくのは楽しいし盛り上がるのですが、実が成りだすと重たいですので、ネットや紐を充分に張ることが重要です。
ひょうたんとかキュウリはなおさら(笑)。そういうのは、きちんと四方に支柱を立てた方がいいですね。台風対策も考えておかないと、思わぬところに支柱やネットが飛んで行って、危険なので。
あと、スズランテープは、風が吹くと、音がうるさいです(笑)。
近所からも苦情が来るなどして、多分、教頭先生辺りに怒られます。

〇もし、授業で野菜作りを考えるのであれば、植える時期も大切ですが、収穫時期をしっかりイメージしましょう。
やはり、畑で一番楽しいのは収穫!そのタイミングが、長い夏休みにかかると、子どもたちが収穫できずかわいそうだし、喜べなくてもったいない!
ミニトマトやキュウリ、ナスなんかは、夏休み中が収穫のピーク。職員がひたすら収穫しないといけなくなり、お盆休みでほったらかしになり、最後は教頭先生辺りに怒られたりする未来が見えます(笑)。

〇あと、学年を跨ぐ、年度を跨ぐ野菜も工夫が必要です。3月に植えたジャガイモを6月に収穫するとしたら、年度初めの花壇の抽選で、多分揉めます(笑)。外れたら、明け渡さなきゃいけないだろうし。
ある程度職場の中で発言権を得たり、空気を読んだり、早く歳をとって貫禄をつけた方が早道かも(笑)。

〇あと、収穫後の茎や葉っぱ(残渣といます)の処分も考えておいた方がいいです。ローカルなところだと、裏の林にえい!と捨てに行けばよいですが、都会の学校だと、そうもいかないかな、と。ひまわりとか、ひょうたんとか、すごいですから!成長の仕方が。ゴミ袋に入れる量ではなくなったりします。でも、グランドの隅とか、どこかに置いておいて、腐らせて畑に漉き込むのが循環型農業とも言えますし、SDGs的な観点からも、教育的説得力はあると思うので、ぜひいいくるめ…じゃなかった、説明を工夫してみて下さいね(笑)。

私は千葉では、春の4月に進級記念でひまわりを撒いて(植えるのが少し遅れると、夏休み前に花が満開になりません!始業式終わったらすぐ種まきしたいところです)夏休みに入る直前に写生大会。これで一学期に収まる。
で、夏休み中に畑を一度軽く耕し、きれいにする。
そして、9月に秋じゃがの種イモを植え、11月~12月頭に収穫…
というのが、学校の日程的にしっくり来てたように思います。じゃがいもも、二学期の枠に美しく収まる(笑)!
あくまでも、千葉の場合、ですけどね。いろいろ工夫してみてください!

…なんか、なんのブログかよくわからなくなってきましたが(笑)。すみません、学校関係のブログではとりあえずありません(笑)。やってみれば、なんとか野菜はどこでもある程度作れそうだよ、というお話でした。

まあ、職員室を見渡せば、大体「隠れ家庭菜園プロ」のような方が、年配の方中心に必ず何人かいると思うのでぜひ味方につけましょう。いろいろ教われると思いますし。
YouTubeの動画も今はたくさんあるけれど、やり始めの最初のころは、
言ってる「意味」が分からないことが多いと思うので。私がそうでした。
なので、直接手取り足取り教えてもらったり、見様見真似が一番早道です。

野菜作りは一年に一度しか学ぶ機会はありません。
1年1年を大事にしていきましょうね。
次回からは畑の話に寄っていきますので、よろしくお願いします。

いいなと思ったら応援しよう!