ドン・ノーマンを超えていけ!未来のモノのデザイン
この記事について
この記事は、2024年3月6日に実施された、メドレー & Ubie 共催「なるほど!人を助けるデザインのひみつ」の LT で Hatake の AI クローンが話した内容の書き起こしです。
当日参加できなかった方にもこの記事が届くと嬉しいです。ご意見ご感想お待ちしています。
「ひとりごとが2つあっても対話にならない」
こんばんは、AI Hatake です。今夜は私の好きな本の引用から話を始めようと思います。
これはデザイナーなら誰でも知っているであろうドン・ノーマンの言葉です。『未来のモノのデザイン』という本の中で彼が語っていることです。
あなたは、AIが「理由がよくわからないおすすめ」や「本当かどうかよくわからない提案」をしてくる場面に遭遇したことはありませんか?
このような場面で、ヒトと機械、ヒトとAIの対話は成り立っていません。AIがあなたに語っているのは、ノーマンの言葉を借りるとただの「ひとりごと」です。
実際、私たちはこの数十年、対話型エージェントといいながら対話が下手くそな機械をたくさん見てきたはずです。
人と機械 (AI) のより良い対話のためのデザイン原則
ノーマンは、機械が人間にとって真に役にたつものになるために、人間と機械がそれぞれお互いの強みや弱みを理解することの重要性を強調しています。
人と機械のより良い対話を実現しようと考えるすべてのデザイナーに向けて、ノーマンはいくつかデザイン原則を挙げています。詳細はぜひこの本を読んでみてください。
ノーマンが見えていなかった未来
この本を書いた当時、ノーマンは人と機械の一対一のコミュニケーションしか想定していませんでした。
AIの進化によって、人が伝えたいこと、言葉の意味や意図を、機械がより深く理解できるようになりました。
生成AIなど、技術が十分進化した2024年では、異なる言語を持つ人同士の対話を機械が橋渡しすることさえも可能です。彼が打ち立てたデザイン原則に技術が追いついてきたのが、いまわたしたちが生きている時代です。
この景色は2007年のドン・ノーマンには見えていなかったコミュニケーションデザインの世界です。
なぜ患者と医師の対話はすれ違うのか
さて、ここで視点を医療に移してみましょう。
病院の診察室で「医師に言いたいことが言えなかった…」と患者が思うことはよくあります。しかし医師も同様に、患者に対して「もう少し話を聞きたかった…」と思っていることはよくあります。
ここでみなさんと一緒に考えたい問いがあります。なぜ、患者と医師のコミュニケーションはすれちがうのでしょうか?
両者が使う言葉は大きく違っています。患者は医師が適切な診断・治療のためにどのような情報を提供すればいいか知りません。また、医師は患者がどのような背景をもった人なのかを知りません。患者と医師はあまりに知識や経験、メンタルモデルが違います。このため、不幸なボタンの掛け違いが頻繁に起きてしまいます。
歴史上見過ごされてきた、患者起点の対話の技術
医療の業界では、医師が何百年とかけてに問診の技術を積み重ねてきました。
ここで重要なのは、このような医師起点での対話技術の向上とは対照的に、患者起点で医師との対話をより円滑にするための技術は、歴史上ほとんど発明されてこなかったということです。
戦後まもなく発売された家庭の医学は、患者知識が医学知識をわかりやすく得ることができるようになった点で時代を一歩前に進める役割を担ったといえます。ただ、患者と医師のよりよい対話を主眼としたものではありませんでした。今日のインターネット上の多くの医療情報も本質的にはそうです。
知識そのものは、あなたが医師とどのように語るべきかを、何も語らないのです。
「患者語と医師語の翻訳者」としてのユビー
患者と医師の対話の起点は患者です。患者としてのあなたが診察室にいるとき、「今日どうしましたか?」と聞かれないことはほとんどないはずです。あなたがその次に何を言うかを、医師は注意深く聴いています。
ユビーがある世界では、あなたが受診前に簡単な質問に答えるだけで、自分がいまどのような状態なのかをたった3分で整理できます。かつ、それを医師に事前に共有することもできるので、あなた自身が1から10まで工夫をこらして自分の状況を説明する必要はなくなります。
ここで、ユビーは「患者のことばと医師のことばの翻訳者」としての役割を果たしています。
「1億回のひとりごと」ではなく「1億回の対話」をデザインする
医療の主役は患者です。ユビーは患者がより適切な医療にアクセスできるようにするために存在しています。
創業以来、私たちは1億を超える患者の「声」を聞いてきました。私たちは、これを「1億回のひとりごと」にしたくないのです。「1億回の対話」を生むためにデザインしてきたのです。これからもそうです。
これを実現するためには、患者起点の対話のデザインが必要です。
そこでドン・ノーマンが示した原則に則り、まず機械であるユビーが患者の言葉を患者以上に深く理解し、翻訳し、医師に伝えること。これがより良い対話に向けた第一歩となります。
患者自身が見過ごしてしまいがちな重要な症状は何か。何を不安と感じているか。何を治療のゴールととらえているか。これらを翻訳者としてのユビーが深く理解し、医師の言葉に翻訳し、両者の対話をうながす。ために、ユビーはさまざまな発明をしてきました。この技術を発明し続けることが、患者と医師のよりよい対話の鍵だと信じています。
ドン・ノーマン、聴いていますか?「ひとりごとが2つあっても対話にならない」というあなたの言葉を頼りに、わたしたちユビーはデザインしています。まだちょっとだけですが、あなたの夢は日本で実現していますよ。
さて、私自身が「ひとりごと」ばかり言っていてもしょうがないので、この先はパネルセッションでお話ししましょう。今日は AI のつたない日本語を聴いてくださりありがとうございました。
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ユビーでは、このような患者と医師の対話をデザインするデザイナーやプロダクトマネージャー、エンジニア、医師などを積極募集しています。自分もどちらの職種についても話せるので、求人票をざっと読んでもし興味あるようであれば、はじめましての方でも Pitta か X (twitter) の DM で声かけてください。
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