「もう一度やり直せても同じことを選ぼうと思う」と思える日々を
※一度アメーバブログに掲載した記事の転記です※
金曜日(5月26日)、仕事を休んで愛知は蒲郡に行ってきた。
森、道、市場という催しを目当てに。
ノロノロと支度をして昼間に家を出て、夕方くらいに会場に着けばいい、と大変にダラけた旅程で弾丸日帰り遠征。
まぁ私は日帰りが多いのだけど。
森、道、市場(以下、面倒なので森道)は、私の音楽での最推しである「えっちゃん」こと橋本絵莉子氏が出演するって言うんだから、色々と悩みまくったが3月だか4月辺りに万馬券が当たったことで資金が出来たので行くことにした。
(それでも何故か金欠なのだけど。)
えっちゃんは今はソロで活躍しているが、まだチャットモンチーだった頃に波多野裕文氏とユニットを組んで1枚だけアルバムを出していて、何故かそのユニットで森道に出演する。
一度もまともなライブをしていなかったのに、急に森道でやるっていうんだから、次がいつかも分からないし、貴重が過ぎる。
ユニット名は『橋本絵莉子波多野裕文』
どストレートでそのまんま過ぎる。
唯一出したアルバムのタイトルもユニット名そのまんま。
橋本絵莉子波多野裕文/橋本絵莉子波多野裕文
とかいう紹介になる不思議コンビ。
とにかく、その2人を目当てに、その2人だけを目当てに蒲郡。
新幹線で豊橋まで行き、在来線で蒲郡まで行こうとしたのに、何故か「三河大塚」で降りた。
まぁ一応は最寄り駅なんだけど、蒲郡からシャトルバスで向かうつもりでいたのに気付いたら三河大塚に電車は到着。
慌てて下車した。
単に乗り過ごしたのかもしれない。
Yahooの乗り換え案内を見ていたのにな…
きっと、こんなとこもよくあることだ。知らんけど。
駅に着いて、PASMOを改札にかざしたらエラー。
駅員さんに豊橋でちゃんと改札機に通せてない、乗り換え改札じゃなくて一度改札を出てから在来線の改札を通らないと、正しくPASMOに記録されないと説明された。
なんとややこしい……。
とりあえず処理してもらい、三河大塚から会場まで歩いた。
割と距離がある。
東京駅で京浜東北線のホームから京葉線のホームまで歩く時くらいの「まだなのか?」と少し驚きながら歩いていた。
会場には遊園地があり観覧車がランドマークなのだが、その観覧車が見えてからも結構歩く。
観覧車が見えてからは船橋法典駅から中山競馬場までの連絡地下道を、動く歩道を使わずに歩いてる時のような気持ち。
着きそうで、まだ着かない…
そして着いたと思ったらチケットとリストバンドを交換する窓口まで、また歩く。
東京競馬場の西門から東門まで歩いてるよう気分。あれ、意外と距離あるんだよね。地味にしんどい。
ほとんどの例えが競馬なのは、頭の中の引き出しが競馬に侵食されている人間だから仕方ない。
でも森道の記憶は歩いたことで埋め尽くされるのでは?と、少し恐怖したくらいには歩いたと思う。少なくともそう錯覚した。
リストバンド交換を経たら、もう17時を過ぎていた。
とりあえず橋本絵莉子波多野裕文が出るステージがある海エリアに行った。
サンドステージという名前なだけあって、砂浜に建てられたステージで目の前は海だった。
ステージの大分手前にある物販でグッズを買って、今年は2度目の海だなぁと少し眺めた。
(前回は江ノ島の海を3月に見てる。)
子どもが楽しそうに遊んでいて、私も波打ち際に行こうかと思ったがスニーカーに砂が侵入する気配を察知したので引き返した。
つまらぬ大人になってしまったもんだ。
それからトイレに行って(野外の仮設トイレ、実は人生2度目くらい)、何か口にしようかと多く出ている露店を巡った。
しかし私はお酒はあまり飲まないし、お腹はそんなに空いていないし、特に欲しい物も無い。
(しかも手持ちのお金もそう余裕がない。)
フェス(森道は音楽と飲食と買い物が楽しめるフェス)に来て、何も現地で口にしないのも…とキョロキョロしていたら、コーヒーショップが目に入った。
お酒は飲まぬが、私はコーヒーなら大好きだ。
喜んでホットコーヒーとクッキーを一枚買って、サンドステージでのライブを楽しんだ人らの人波に逆らいながら人混みを慎重に抜け、ステージ脇の石段でコーヒーを啜ってクッキーをかじる。
なかなか美味しかった。
ふとステージに目をやると、既に橋本絵莉子波多野裕文を目当ての人たちが少し集まっていた。
「まだ気が早くない?まだ楽器の設置やら音響チェックの段階でしょ…」と眺めていたら、ステージ上に見覚えしかない横顔があった。
えっちゃんだあああああああ!!!!!まごうことなき、あれはえっちゃんだ!!!!!!
クッキーを口に押し込んで、コーヒー片手に小走りでステージ前に行くと、音の確認などでスタッフさんらに混じってステージに居るえっちゃん。
ドラムを叩いたり、マイクチェックなど周囲のスタッフさんらとコンタクトを取りながら、一つ一つ確認していた。
普段のライブでは見ることのできない姿である。
ファンからの視線を一身に集めて照れたり手を振ってくれたりして、ファンサがスゴいことになっていた。
もうこの時点で、来て良かったと身体の芯からじんわりと感じ入っていた。
ちょろいファンである。
波多野氏も途中から現れて、ギターの確認をしていた。波多野氏は初めて生で見た。はじめましてである。
一通り確認が終わったら、えっちゃんは「ありがとう」とファンに告げてニコニコと手を振り袖に履けて行った
これだけでもお金取れるじゃん……と、オタク心理で考えていたし、えっちゃんを見ながら残っていたコーヒーはいつの間にか飲み干していた。
お酒を飲みながらライブを楽しむ人の気持ちが少し分かった気がした。
これは"進む"なぁ…と(笑)
それから本番まではソワソワとしながらその場で待機。
なんとなしにスマホに届く仕事のメールに目を通して少しナーバス。
完全に無駄なことをした。
そしてライブの時間になると再び袖には、えっちゃんと波多野氏が現れた。
しかも手を振ったら振り返してくれた。
私に!!!!
たとえ違ったとしても、そう勘違いして生きていく所存。
それが幸せの秘訣だ(?
仕事のメールでのダメージはそれで忘れられた。ちょろい。
そしてステージに出る手前で、2人はグータッチをして出て来た。かわいい。
一曲目は聴きたいと願っていた「君サイドから」。
なんてったって、この曲がアルバムで一番好きだ。
でも一曲目でいきなり聴けるとは思っていなかったのでビックリした。
アルバムでは最後から2番目の曲なのに…!!
聴き慣れないイントロだなぁと思ったら、イントロの無い君サイドからだった。
これはサプライズ。
この一曲だけでライブ終了だとしても、お金払っていいレベル。
でも、その後ももちろんライブは続く。
アルバム9曲中8曲を演奏した。
素晴らしい。
そんなにやるんだ…と感動した。
楽器を演奏せずにハンドマイクで座って歌うえっちゃんはかなりレアだったし、ドラムを叩きながら歌うのも久しぶりだし、生で観たのはもしかしたら初めてだったかもしれない。
チャットモンチー時代にドラムボーカルもやっていたけど、ライブでは私は観れていない気がする。
いやぁ、堪りませんなぁ。
波多野氏のギターはアコギでもエレキギターでもカッコよかった。
ギターの巧拙は私には分からないけれど、弾き様がカッコよかった。
えっちゃんがユニットの相方として選んだのも頷けるってやつです(お前は何様だよ)。
アルバムでは様々な楽器をそれぞれが演奏したのを収録しているはずなので、どうやって2人で演奏するのかは気になっていたけれど最小限の体制のシンプルな演奏で、曲自体の良さを贅沢に楽しめた。
このライブに5,000円ちょいって安いですね!!!!と、ちょろい人間なので何度も思った。
(5,000円ちょいってのは森道のチケット代だが、普通に考えても安い。)
あとアメリカンヴィンテージという曲の前に、波多野氏が無人のキーボードの前まで来て、黒いガムテープ?を長めに切り取って、それを更に縦に裂いたものを鍵盤の一ヶ所に貼って固定し、音を出しっぱなしにした。
マジで何をしてるのか分からなくてポカンとしていた。
波多野氏の手際はなかなかゆったりしているし、それを施してからも絶妙に意図が見えてないオーディエンスの大半からは困ったような笑いが漏れていた。
私もよく分からなかったww
とりあえずその様はシュールだった。
流石に演奏が始まると「あ、なるほどね」と納得はしたけれど、急に演者側がやると驚きますね。
アメリカンヴィンテージっていうだけあって、ヴィンテージ感ある音(ブリキのオモチャが動いてるような音とか)を使って原曲は作られてるので、それの演出というか表現の一つだったのだね。
曲終わりにテープを剥がすまでが、アメリカンヴィンテージでした(家に帰るまでが遠足、みたいなやつ)。
もうね、良いライブだったんですよ。
うおおおお!!!とモッシュして声出して盛り上がるような激しさは一片も無いけれど、2人と曲の良さを味わえる時間でしたよ。
曲始めと終わりにアイコンタクトしてニッと笑ったりして、演奏する2人も楽しそうで良かった。
MCは「何でここにいるのか分からない」「気付いたらリリースから6年後に海を目の前に…」とか、『むしろそれはこっちが知りたい』と思うような話だったww
えっちゃんのトークの緩さは毎度のことだけど、波多野氏さえも緩かった。
あなたも緩星人だったのか。
波多野氏が「えっちゃんは何歳まで生きるつもりですか?」と、投げかけたりして「えっ!」と、えっちゃんを少し驚かせたりしていた。
私もビックリしたよw
そのあとは「じゃあまた6年後に、40代にもう一回やる感じで」と結局は何で森道に出ることになったのかは分からなかったが、終始ゆる〜く「なんで今回ライブやってるんでしょうか?」ということを言っていた。
あと「特に(このユニットからの)告知はありません」だそうですw
最後の曲は「臨時ダイヤ」。
アルバムでもラストを飾る曲。
恐らくはアルバムで最後にして最もポップで楽しい曲。
その曲で綺麗にライブが締まってしまった。惜しいくらいだ。
全然今日は寝れないない、臨時ダイヤの歌詞の通りの気持ちになった(事実、帰宅後も疲れていたのに直ぐに寝れなかった)。
あと波多野氏のバンドの曲、ちょっと興味が出た。
ライブが終わるとすっかり辺りは薄暗く、月が出ていた。
すっきりと晴れておらず曇り空だったので夕焼けは見れなかったが、これはこれでエモいというやつだろう。
こういったロケーションでの野外ライブもたまには良いものだ。海辺でのライブに来るのは初めてだったしね。
少し余韻に浸り、帰ろうと歩き出すと私のいたステージエリアの直ぐ脇にある大きめのステージで、アジカンことASIAN KUNG-FU GENERATIONのライブが始まっていた。
流石は大人気の大御所バンド。観に来ている人がえらいこと多い。
盛り上がって飛び跳ねたりしている人らの隙間を縫いながら、若干の「なんでコイツ、アジカン見ないで帰るの?」という視線を感じつつ(笑)、会場の出口へ。
背中で演奏と盛り上がりを聴きながら、三河大塚の駅へと歩き、帰宅の途についた。
そんな帰り道、豊橋駅で新幹線の特急券を落としたのは、長くなるのでまた別の時に……。
ちなみに新幹線待ちのお供は、元チャットモンチーの「くみこん」こと高橋久美子の著書「暮らしっく」だった。
全然読んでなかったので手を付けたが、まだ半分も読めてない…(笑)
読むスピードが物凄い遅くなった。老化だ。
そしてこの記事のタイトルは橋本絵莉子波多野裕文「飛翔」の歌詞から。
そう思える日々を生きたいよねぇ、と。
こんなこと思ったこと無いかもしれない…と、えっちゃんが眩しくなったものだよ。
しかし橋本絵莉子波多野裕文は、えっちゃんが「チャットモンチーではできない、自分過ぎる内容の歌詞を歌いたい」ということから組んだユニットであり、大半がえっちゃん作詞曲なので
"橋本絵莉子"の経験と思い出を曲で追体験しているような気持ちになる内容が多いけれど、それがかなり強い曲の一つが「飛翔」(もう一つは「君サイドから」)だと思うけど………
飛翔って、すっっっごい橋本絵莉子のルーツをめぐる歌詞だよね。
って、それがちょっと言いたかっただけです。
私はザリガニ釣りはしたくないけど、ショッカーの居場所がないステージでヒーローショーやってる小さなジャスコには行きたい。
そんなこんなでダービー、、馬券当てたいです。。
おわる。
※noteに転記時点でダービー終わってますね。タスティエーラ号、ダービー制覇おめでとう!※
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