八王子の牧場にある体験農園の魅力
こんにちは!今回は私たちのお仕事も紹介したいと思います。
経営や農地の一般論は話しますが、自分達の事業の説明などの具体的な事例を交えながら、これから書いてみたいと思います。
東京都八王子市小比企町には東京でも有数の大きな牧場があります。
それが磯沼ミルクファーム。
この牧場では、100頭近い乳牛が飼育されており
ホルスタインやジャージー以外にも6品種の牛がいる珍しい牧場。
また直売所やカフェが併設されており、放牧場を眺めながら乳製品、加工品の販売、アイスクリームなどが食べられる空間があり、地域の人達から観光客まで幅広く愛される場所となっています。
そんな放牧場やカフェのとなりには、畑が配置されていて季節ごとの野菜を栽培をしています。
ここは、磯沼ミルクファームの畑でありますが、私たちの団体、一般社団法人 畑会が管理運営を委託され、地域の人達に農業を体験できる場所として存在しています。
この農園は【八王子モーモー体験農園】といいます。
いろんな農業が集まっている八王子市小比企町
農業といえば、コメや野菜のイメージが強いですが、乳牛を育てる酪農もれっきとした農業に入ります。
磯沼ミルクファームでは、少しですがコメも作っていますし、近くの農家では果樹を作っている農家もいます。
つまり小比企町という一つの町で、コメ、野菜、果樹、乳牛(一部肉牛あり)が揃っており、東京の大都会では非常に珍しい地域になっています。
この小比企町には、いろんな生産者がいて一度の記事ではとても書ききれないほどの魅力が詰まっています。
農業体験農園の仕組み
この八王子モーモー体験農園は、『農業体験農園』という仕組みで運営されています。
農業体験農園とは、単発の農業体験イベントをやるところではなく地域の市民の人達が年間を通じて畑で農業体験をできる場所になります。
似たような仕組みとして『市民農園』という仕組みがあります。
こちらは、単に市民に一定の面積の農地を貸し出して自由に市民が耕作、栽培をし、すべて自ら種や苗を用意します。
かたや『農業体験農園』では、市民農園と同じように一定の面積の農地を使えるようになりますが借りるのではなく、農家などの農業経験者から農業を教えてもらって栽培してもらいます。
また、種や苗、農作業に使う道具は全て運営側で用意をしており、参加者は基本的に手ぶらで来て農作業ができるようになっています。
『市民農園』に比べて、『農業体験農園』は、手厚いサービスを受けられることから、一般的に市民農園よりも高い価格で提供されることが多いです。
八王子モーモー体験農園では、一般社団法人 畑会(ハタカイ)が運営管理をしていますが他の地域では、農業サービスを提供している大手企業の「マイファーム」や「シェア畑」が農家や地主の代わりにやっていることが多い状態です。
農業に関心のある方ならば、一度はこれらの企業名をご覧になったことがあると思います。
八王子モーモー体験農園の特徴と魅力
農業体験農園は東京では、練馬区で始まったのが最初ですがコロナ禍をきっかけに農業に関わりたい人が増え、東京の各地域に幅広く農業体験農園の仕組みが拡がっています。
そんな中、八王子モーモー体験農園も人気の農園となっており、2024年4月現在では、約50組近い方々が、この農園を利用しています。
農園自体の仕組みとしては、他の企業の農園と大きな違いはありませんが
牧場ならでは、特徴と魅力が備わっています。
まず大きいのは、牧場のとなりにある畑というところ。
農作業をしながら、放牧場にいる牛や羊を眺めることができ子供たちがいる利用者にとっては、動物と触れ合える憩いの場となっています。
そして、ただ単純に牧場のとなりにあるだけではなく有機的にも密接に関わっていることがあります。
それは牛たちが排泄した牛糞が堆肥となり畑にまかれていることです。
牛糞堆肥がまかれているモーモー体験農園の畑は土の肥料濃度が高くふかふかの状態になっています。
ものにもよりますが、一般的な畑より豊作になることがあります。
また、モーモー体験農園の畑ででてきた雑草や野菜の残渣は、放牧されている牛にエサとして与えられ、小さな循環が生まれています。
そういった点でも、利用者が環境についても学ぶ機会となっており、八王子モーモー体験農園のひとつの魅力となっています。
これからさらに増えていく「小さな農」
今回は、八王子モーモー体験農園をひとつの例を出しましたが八王子の各地域や東京の各地域では、それぞれの農地や農家の特性にあったやり方で市民と農が交流する事例がたくさん生まれています。
コロナ禍を経て、さらに経済成長が止まった日本において食糧危機に見舞われるという危機感が高まっています。
自ら自分達の食糧を守っていこうと農への注目が高まっています。
一般的な農家の場合、農業経営が集約化、大規模化していく中で別の世界線で、市民の「小さな農」が増え続けています。
こちらブログでは全国で起きている「小さな農」を紹介もしていきます。