「妊活生活」という船旅
子どもがほしいと思ったとき、私はすでに40手前で、4つ年下の夫は「どうにかなる、作ろうよ」
と呑気なことを言っていた。
今から妊活がうまくいったとしても、出産を迎えるころには私は40を過ぎた超高齢出産。
どんなリスクが待っているか、考えただけで気が気じゃない。
男というのは、こうも楽観主義なのか…と呆れていたのを覚えている。
それでも妊活に踏み切ったのは、夫の
「どうにかなる」
を信じたから。
思い返せば、ずっと「親」になるのを望んでいた。
子育てをしてみたい、と思っていた
(結婚したいと思ったことはなかったが)。
どうにかなるならどうにかしてもらおう、
とも思った。
どちらにしても、どんな出産が待っているかはわからない。
ましてや出産に漕ぎつけられるかどうかもわからない。
そんな気持ちがありながらも「親になってみたい」という気持ちから、私達の小さな小さな船は、
「年齢」
という小さく重ーい錘をぶら下げながら、「妊活」「出産」に向けて舵を切った。