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自分の「やりたい」を発信することで、可能性を広げていく|HATACHI MAGAZINE#15

私の過去の経験から、自分も相手も幸せなことが大切な価値観になっています。だからこそ、子ども達も支援する側もお金を見出せるような、双方にとって良い循環を作ることができないのかなと。この問いが今の活動に繋がる原点です。

#15_埴田恵里②

|埴田恵里さん
*立教大学コミュニティ福祉学部コミュニティ政策学科4年
*1998年生まれ/群馬県出身
*大切にしている価値観:貢献と挑戦


|リーダーとして人をどのようの巻き込んでいくのか

最近よく考えるのは、どうやって仲間をうまく巻き込み、マネジメントしていくのかです。イベント運営や学生団体に所属しているのもあり、以前に比べて組織でアクションを起こす機会がたくさん増えてきました。その中で、自分がリーダーになって何かをやるにあたり、組織をまとめること、ビジョンやミッションに基づいて行動していく際の難しさを感じます。

仲間と何かをやるのは1人でやるよりも楽しいし、巻き込める力もつくので、チームで行動する方が私にとってはワクワクしますね。

|1人ではできない、チームで大きなことに挑戦するワクワク

これまで「チームで挑戦する」ことを振り返ると、小学校から高校生までやっていたバスケットボール部での経験があります。

中学校の時には、キャプテンとしてチームをまとめていました。当時から、組織で何かをやることがすごく好きで。達成感、仲間と同じ思いを共有して本気で戦って涙を流すのが、すごくかっこいいなと。それを続けた先にある成長が私にとってはとても大きなことでした。

ただチームでもあって、一人ひとりがライバルでもあるので、やるからにはレギュラーに入って活躍したい。高校では選抜メンバーが集まっていたこともあり、試合にでるためには自分で実力をつけないといけないし、やっぱり負けたくない気持ちがありました。

「チームで挑戦する」は、自分ができない部分を補ってくれるメンバーがいるのと、自分の強みを発揮できる場である両面を持っていると思っています。1人でできないことも、チームになると実現できることがすごく増えていく。

そこに自分1人では達成できなかったことに挑戦できる楽しさや、未来に向かって大きなことに挑戦できるというワクワクがあります。だからこそ、私は1人で何かをやるよりもチームでやる方が何倍も楽しいですね。自分が活躍して組織に貢献したい思いがあったので、そこは成長できた部分かなと思います。

|可能性と届けられる人が広がっていくゼロイチ体験

大学生になってからは、ベトナムで実践型インターンシップに参加した時もチームでやるゼロイチの面白さを経験しました。

インターンシップでは、主にゼロイチでものを作る新規事業の開拓をしました。1人の力だと、考えられるアイデアが限られているけど、それをみんなでアイデアを出しあって、お互いが「これいいね」と思うことをまとめて作り上げていく。

このプロセスによって可能性がどんどん広がるし、自分たちが作ったものを届けられる人が増えていくのを感じました。

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実際に開発した新商品

そもそも、私がこのベトナムの実践型インターンに参加したのは、カンボジアでの活動がきっかけです。カンボジアにはNGOの活動で行ったのですが、そこで感じたのは「ボランティアだけでは限界がある」ことでした。

私はこの経験がきっかけで子どもの貧困を是正したいと思うようになったのですが、ボランティアではなく「じゃぁビジネスの場で実際に自分には何ができるのか」それを考えたいと思い、ベトナムの実践型インターンに行ったという経緯があります。

|「人の笑顔が好き」から広がる、自分の可能性

私が中学2年生の時に海外研修事業があって、その時にオーストラリアにホームステイに行く機会がありました。当時感じたのは、「やっぱり日本と海外って違うな」ということ。オーストラリアに行ったのをきっかけに最初は海外自体に興味を持ちました。

日本は豊かだと言われている一方で、テレビでは海外の貧困問題が取り上げられていて「実際に自分の目で見てみたい」そこにボランティアで貢献したいとその時から思ってたのかもしれません。

そもそも、何故NGOやボランティアに興味があるのかというと、私自身が人の笑顔を見ること、人に貢献することが好きだから。

実は、小さい頃から人の目を気にして生活をしていました。

私の両親が教員ということもあって、何かをできている上での自分の存在価値があるというか。「常にできている自分ではないといけない」と感じて過ごしている中で、自分が人のために何かしてあげられて、それで相手が笑顔になってくれるのがすごく嬉しかった経験がありました。

その中でも特に、子どもが何も飾らない笑顔を自分に見せてくれるのがすごく好きでした。小学校の教員だった母から、よく子どもの話を聞いていたことも影響しているかもしれません。

以前から、NGOの活動をテレビで目にしていたこともあり「人の笑顔が好き」から、ボランティアを通して、笑顔になってくれる人、幸せになってくれる人がいるならやってみたい。「私も将来人生を歩んでいくならそういうことに関わりたい」と考えるようになりました。

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カンボジアの他にも、海外のインターンシップに参加。タイインターンで新規企画を提案している時の写真

私にとって人のために活動したり、貢献するNGOでの活動は、とても魅力的でした。非営利組織としてやっていく活動、利益を目的としない活動として、社会貢献をやっているのが素敵だと思います。大学に入ってもからも、NGOの活動に興味があり1年生の時に「新たなことに挑戦してみよう」と思いました。

|新たな人生が始まったカンボジアでの経験

そこから実際に、大学のボランティアセンターに行ったり、インターネットで調べて説明会に参加しました。複数ある中から偶然選んだのが、カンボジアへ行く「子どもの貧困」がテーマのプログラムでした。

現地の空港に着いた時の最初の印象は、すごく整っているなと。でもやっぱり地方に行くと家や道路が整備されていなかったり、物乞いしている子ども、地べたで寝ているおじいちゃんおばあちゃんがいました。

そこから、孤児院の子どもたちのところへ。向こうの現地の子ってすごく明るくて、日本人に人懐っこいんです。だけど、食べるものも限られていたり、頑張って幸せなんだろうなと子どもたちと接している中で、感じました。

でもこうやって私たちを頼らないと幸せになれないって環境がなんか違うと思いました。もっと可能性があるのに、できることがあるのに、その現状にいる子どもを助けたい。そう思うようになりました。

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NGOの活動でカンボジア の孤児院に行った時


|「言葉」に出会うことで変わる価値観、ビジネスという視点

日本に帰ってきてから『孤児院ビジネス』という本があり、この本との出会いが1つのターニングポイントとなりました。

この本では、孤児院にいる子どもたちは孤児ではなくて、両親もいる。何故孤児院にいるかというと、親が子どもにご飯を食べさせてあげられなかったり、学校に行かせられない現状がある。それによって日本や海外から来てる団体が孤児院に行って支援をしていることが書かれていました。

でも、孤児院は全部が全部ちゃんとしているところではなくて。じゃあ「今やっている活動って正しいのかな」「これをやったことで子ども達って救われるのかな」と思って、すごい考えるようになりました。

私の過去の経験から、自分も相手も幸せなことが大切な価値観になっています。だからこそ、子ども達も支援する側もお金を見出せるような、双方にとって良い循環を作ることができないのかなと。この問いが今の活動に繋がる原点です。

本の他にも「ソーシャルビジネス」「グラミン銀行」という言葉に出会い、ビジネスを通して人を救えたり可能性を広げられるのを知って、すごく共感しました。

それを見て、自分の解決したいことに対してボランティアなどの非営利だけでなく、「ビジネス」という視点が生まれました。今は、「子どもの貧困の是正」を実現したくて、その根本にある課題を少しでも解決できる仕組みづくりをしたいのが大きな目標です。資金もちゃんと得られた状態で途上国でやっていきたい思いがあります。やっぱり、この思いはカンボジアでの原体験があるからだなと思います。

|立ち止まることで突き詰める。自分が変えたい物事の本質はどこにあるのか

最初は、子どもの貧困にアプローチしていこう、ビジネスを通して何かしたいと思いました。でも、途上国から関わっていきたいと思った時に、自分に力がない、資金がない状態でアプローチするのはリスキー。

そこで、「自分は日本人だし最初に育ってきた日本で物事をやっていきたい」と思った時に、日本でも7人に1人は貧困状態だ言われていることを知りました。ここを自分が解決していきたいと思った時に、何か違うなと。

一度立ち止まって考え、本当にそこにアプローチすれば子どもの貧困は解決するのかと言われた時に、当たり前だけど子どもの貧困には両親が関係していると思いました。

そうなった時に日本はジェンダー差が激しいし、ジェンダーギャップ指数では121位。先進国なのにすごく低くて、女性は男性と比べて賃金が低かったり、子どもを産んだ後のセカンドステージに悩んだりすることがある。

女性がもっと生き生きと輝けるようになったら、そういう女性が増えていけば子どもの貧困も減るし、女性の活躍を増えていく。旦那さんとの喧嘩や離婚問題もなくなるんじゃ無いかと思いました。

実際に、私の地元の友達は大学を出ていない人が多いんですよね。私の両親は教員なので収入面にしては比較的良い方。そのおかげで私も大学に行けましたが、地方ということもあり、お母さんは専業主婦でお父さんが働くのが当たり前です。小学校の時から仲が良い友達のほとんどが大学に行っていない状態で。

私の友達は、大学は出ないで高校卒業後すぐに働くことしか知らないままです。そしてその多くが女の子。地元の現状を考えた時に、彼女たちにもたくさんチャンスや可能性があるのにすごく勿体無いと感じたんですよね。

地方だと自分の可能性を広げる手段を知らないし、「それでいい」と言っている友達がたくさんいます。色んな情報や価値のある体験を通して、もっと自分にもチャンスと可能性があると知ってほしいと思っています。

こうやって私の中で色んなものが繋がっていき、女性のキャリアと生活を両立できる環境づくりを通して、子どもの貧困を是正するのを仕事にしたいと考えるようになりました。

|機会や環境を自ら生み出していくことで繋がる人

今は、女子学生限定で女性のキャリアに関してのイベントを企画しています。実際にキャリアとライフを両立している個人事業主として活躍されている方をお呼びしたりすることで、これからの人生においての選択肢を増やしながら、具体的イメージをつけてもらうことに挑戦しています。

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女子学生限定のオンラインイベントの最後にとった写真(一部)

イベントを通して得たことは色々あるのですが、大きく分けると3つあります。

1:「同じ想いを持つ人との出会い」
自分が将来やりたいことに対してイベントを開催したり発信すると、同じ興味関心を持った人とたくさん出会えること。1人の力ではできなくても、協力とか周りの支えがあるからこそできることがありました
2:「より学べる」
自分が「こういうことをやりたい!」と思う一方で、自分で調べるだけでは学びの数は足りないので、イベントを通して学びが深まります
3:「仮説と検証の繰り返し」
将来事業をしたいとなった時に、集客やファイナンス、PR面を実際に経験しながら、PDCAを回せるのがイベントの良いところ。やっぱり勉強しながら、アウトプットをすることで意味のあるものになります

今所属している起業家コミュニティでもイベンとをどんどんやっていこうと言う文化もあるけど、一番は自分がやりたい!と言う思いが強いです。

自分の「やりたい」思いを発信し続けた結果、社会人の方と直接コンタクトが取れるようになったので、少しずつ結果が結びついてきていると感じますが、これからも学びと行動を常にやっていかなきゃなと思います。

|これから実現していきたいこと

大学在学中は、子育てや教育に関するイベントも企画しています。自分でどんどんイベント企画を通して、共感してくれる仲間や社会人を巻き込んでいきたいです。

社会人になったら副業したいなと思っているので、大学生のうちは自分の思いを発信し続けて、イベントを開催していきます。社会人になってからは3年くらいバリバリ仕事して、26,7歳くらいで独立したいなと。そこで、「女性のキャリア支援、仕事と子育てを両立できる仕組みづくり」を実現したいと思っています。

一緒に活動する仲間の中で、ビジョンはみんな違っていてもいいなとは思うんですけど、理念とか価値観を分かち合う方が大事だと感じています。私はその部分で共感もしたいし、共感してくれる仲間と一緒にやっていきたい。


|将来のありたい姿

私は、「経済的、精神的に余裕があり、人に貢献できる輝いている女性」が将来のありたい姿です。将来自分が貢献していきたいと思った時に、自分に余裕が無いと人に貢献できないので、若いうちにしっかりと力をつけて輝ける女性になりたいと思っています。

#15 埴田恵里 ①

周りには、私と同じように人のために何かをやっている女性や子供、旦那さんたちが多いのでは無いかな。幸せなのが一番だと思うので、1人が幸せであったら、それを巻き込む人も幸せになれるので、まずは自分が幸せになれる環境があって、周りにいる1人をサポートできる人でありたいと思います。


|埴田さんからお知らせ💐

この度、女子大学生向けに"仕事・子育て・キャリア"などに関する情報を発信するためのInstagramアカウント(@eee.h0603)を開設することに致しました!

女性キャリアイベントの開催やイベントに参加してくださった方とのお話し、そして自分経験を通して、情報を知っているか否かで"人生の選択肢の幅"が大きく変わってくると思います。

将来、理想とするライフスタイルや実現したいキャリアを叶えるための情報収集や事前準備の場として利用していただきたく思っております!イベント情報なども随時発信していきます💐

📢女子大生質問リレー
「将来はどこで過ごしたいですか?」from 荒川恵さん

ーゆくゆくは海外で過ごしたいと思っていて、自分の拠点でもある東南アジアですね。今はどこにいても仕事ができるので、海外で家族と一緒に過ごしたいと思っています。


インタビュー/編集
HATACHI Community かなつなななみ

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