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知識や体験、気づきといった”無形”のものを、商品やサービス化するときのポイント
わたしの職業柄もあってか、ビジネスや独立の相談の中でも多いのが
・自分の体験してきたことや学んできたことをビジネスにしたい
・自分の持っている知識をビジネスにしたい
・自分のスキルや能力を商品やサービスにしたい
といった相談です。
いわゆる物質的なものを開発して売る、といった感じではなく、どちらかというと”無形資産”的なものを使ったり売ったりするビジネスを作りたい、と。
(例えば、講座を作るとか、個人セッションをやりたいとか、セラピーをしたいとか、コンサルティングをしたいとか)
目で見て手で触れて、その価値を”既に完成された商品”として評価できるビジネスモデルは、ある意味「納品型」と言えます。つまり、既に出来上がっている分かりやすいものがあって、それを売るわけです。
しかし、無形のものや物質的でないものとなると、納品型とは言い切れません。講座なんていうのも”開催して完了”ですから、いわゆる未完成のものを信用してもらって先に支払ってもらうスタイルです。
そういった商品やサービスを開発するときのコツがいくつかあります。その中でも重要なコツを、今日はご紹介します。
削減できるコストを徹底的に考えること
多くのコンサルタントやマーケターはすぐに「ターゲット」を絞るように言います。『誰のための商品なのか?』を決めろと。
もちろん大切なプロセスなのですが、ターゲットから入るとその他多くの同業と同じものしか作れません。
では、なぜターゲットを設定することが大切なのかというと、ターゲットの”問題解決”ができる(と思い込んでいる)からです。ターゲットを絞るということは、商品やサービスが解決する問題を明確にし、その問題をその他同じような商品やサービスよりも解決することができるよ!うちの方が問題解決が得意だよ!と宣伝したいのです。
しかし、限界があります。そもそも困っていないのです。何に困っているのかさえ明確でない人がほとんどなのです。人々はもはや、自分が何に問題を抱えているのか分かりません。わからないし、探るエネルギーを持っていないケースも大半です。
自分の本心や自分の願望にフォーカスを向けること、あるいは欲望であれなんであれ「自分の欲しいもの」をはっきりと自覚するまで、考えたり探したりする余力がありません。みんな思っている以上に、自分の欲しいものも目指している方向も、なりたい自分もわからないのが現状なのです。
「お腹空いているんですけど、何が食べたいのかわからないし、何が好きなのかもわからないのですが、わたしが超満足する美味しいご飯を食べさせてください」
と言っているようなものです。これに答えるのは無理難題だと思いませんか?よほど優れたサイキッカーとか超能力者とかであればいいかもしれません(笑)あるいは、超カリスマ性のある人なら。笑
だからわたしはこの現状で、”ターゲットから決めて商品やコンテンツ開発をする”ということをあえてやりません。問題から開発をしない、ということです。
その代わり、”問題”よりももう少し人々にとって分かりやすい”コスト”に目を向けることをします。
例えば、
・この商品はあなたの●●な時間を削減します!!
・このサービスを受けることで、あなたが今まで●●に使っていたコストをかなり減らすことができます!!
コスト削減は、問題を見つけるとか潜在的なニーズを発見するよりも、もう少し簡単です。なぜなら、人々が”嫌がるコスト”は、そんなに多様ではないからです。
コストとは何か?分類する
ここで、コストとは何か、少し具体的にみてみましょう。
例えばこのように分類してみます。
・時間コスト
・お金コスト
・体力コスト
・精神コスト
ほとんどのコストはこの4つに分類できます。さらに分解するとこんな風にもできます。
(例)時間コスト
→通勤時間
→睡眠時間
→メイクの時間
→家事をやる時間
コストとは基本的に、何かを生み出すために使われる費用のことを指します。費用とは必ずしもお金だけではなく、エネルギーも費用と捉えます。
嫌なコストを削減し、必要なコストを与える。
つまり、その本人にとって”必要でないコスト”を削減し、”必要なコスト”を与えることができるような商品・サービスを目指せば、自ずとターゲットは決まり、問題解決も見えてきます。
3種の商品作り勉強会&グループコンサルという商品のコストパフォーマンスの一例を見てみましょう。(この講座は10月で終了する講座です。)
(参考記事:3つの商品作りで売り上げが驚異的にあがる!とは?)
●削減できるコスト
・商品やサービスを開発する際に考えたり悩んだりする精神的負担(ストレス)と時間
・ビジネスモデルを構築する際の精神的負担(ストレス)と時間
●与える費用
・商品やサービスを開発する、創るときなどに考えるべきことを順序立てて考えることができる
●参加者が消耗するコスト
・時間(参加しなければいけない)
・お金(受講料がかかる)
・体力(と思考)
●抑えることができるコスト
・自分で考えなければならない精神的負担
→コンサルティングがついているので、自分のことをすぐに聞いたり、自分の疑問をすぐに解決できるスタイルになっている。
・他のコンサルティングサービスに支払うお金
→基本を覚えてしまえば、ある程度自分でビジネスモデルを構築できるようになるので。
etc…
しかし、抑えることができるコストなので、本人が積極的になればなるほど抑えられますが、そうでなければそれほど抑えられない、といったニュアンスが含まれます。
ほんの一例ですが、誰のための?誰のどんな問題のための?から入るんではなくて
・どんなコストを、どんな風にするの?
ってところから入ると、自ずとターゲット層が見えてきますし、商品の売りや強みも見えてきますし、何よりも『軸』ができるのです。
何に集中し、何を捨てるか。
なんでもやってあげられる、なんでも解決してあげられる、そんなものはありません。中途半端にいろんな強みをいれていくよりも、この商品やサービスの売りはここ!強みはここ!と明確にした方が紹介しやすい。
今日のお話は、『知識や体験、気づきといった”無形”のものを、商品やサービス化するときのポイント』でした。
※もちろん、形あるもの(有形)な商品へも通用します!
人によって”これは嫌なコストだなー”というのは違いますよね。ある人にとってはこれが苦痛、ある人にとっては苦痛ではない。
嫌なことにコストをかける、これは万人共通の苦痛です。
じゃあ、それは何?そこを見つけることがヒントになります。
あなたの商品やサービスは、どんな”コスト”を削減しますか?
どんなコストを削減するか見えてきたら、それをもっと正確に、確実にしていけるように心がけると、より完成されていきます。
コスト明確じゃない商品やサービスもあるよね?
ファンビジネス(タレント型ビジネスもそう)・・・これは問題解決とかコスト削減とかそういった感じで商品やサービスを提供していないように見えるモデルです。
ファンビジネス型の場合、例えば広告収入やスポンサー収入などによって成り立つこともあるので、今回のケースから外します。
なぜなら、よほどのカリスマ性がなければ、ビジネスとして続けられないからです。笑(一旦は成り立つかもしれないけど、続かないケース多し)
続けられないならYoutuberもブロガーもインフルエンサー的なポジションも益々厳しい時代になると個人的には思っています。
コストは明確に伝えなければいけないの?
コツはコスト!(コス◎コみたい。笑)
なんてことをお伝えしたのですが、じゃあ販売するときにコストのことを明確に言えばいいのかって言われれば、そうではありません。これは残念な話です・・・(シクシク・・・)
プロモーションと商品開発は、違うフェーズにあります。
商品やサービスを開発することと、それを「どうやって売るのか」を考えるのは、分けなければいけません。
分けて考えないから、多くの人は(多くの企業を見ていても)『こういうものを商品やサービスにしたいけれど、売れないし売り方がわからない』といって、アイデアだけで潰れていくのです。
0から商品開発やサービス開発をしたことがない人ほど、すぐに聞きたがります。
「で、どうやって売るんですか?」
「それ、売れませんよ」
「必要としている人がいないと思います」
「販促戦略は?」
「販路は?」
いやいやいや、フェーズが違うんだってばよ。
ピアノを習ってすぐに発表会で緊張しない方法とか、考えないでしょう。何かのスポーツを”上手くなること”と、”試合で勝つこと”は分けて考えますよね。(あくまでも例です。)
いい商品をつくることと、いい商品を売れるように仕上げていくのとでは、思考プロセスが違うのです。
だからブログと書籍はちがうんですね。いいブログが書けるからといって、売れる本が書けるわけじゃない。(だから、剛腕編集者様様なんです。)
分けて考えるというのは、”商品を作る”ことと”商品を売ること”は繋がっていることだけど、同じ脳みそや思考回路で考えない、ってこと。
売れなくてもいいもんをつくりたい!のは綺麗に聞こえるけれど、現場では通用しません。
ビジネスセンスがある人は、これを無意識のうちにやっているから、”同時にできる”ように見える。商才がもともとある人は、「売れるものを開発」できちゃっているように、見えるけど。(そんなもん、ねーよ!!!笑)
その辺のバランスって簡単そうで難しいので、今度の号外メルマガではそのようなテーマでお届けしていきたいと思います。
この記事は、ビジネスコアプログラムメール講座受講者向けの号外メルマガでした。
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