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イノベーションが生まれる場

こんにちは、コーイチです。
今回は、雑誌やメディアで取り上げられるほどおしゃれに洗練されているGoogleのオフィスの環境への工夫や取り組みなどを見ていき、これからの日本のオフィスも今後このようになっていくのか考えたいと思います。

1.わくわくするオフィス環境

                  (出典:Tech Vision youtubeより)

 Googleのオフィスはイノベーションが生まれやすい職場環境としてさまざまな取り組みがされています。
 Googleは、イノベーションを起こす職場環境とは、従業員が安心して発言するための心理的安全を確保できること、リスクを恐れることなく新しいアイデアにチャレンジのできることだと提言しています。
 自由な発想力と遊びごごろを持ち、トレンドを作り出す仕掛けとして、Googleの各国のオフィスは仕事と遊びの垣根を超えた空間を意識してデザインされています。

 創業者のラリー・ペイジは母校での卒業スピーチで「わくわくすることに取り組むことが世界を変える」と語りましたが、『職場を楽しむ空間にすることが世界を変える』という想いがオフィス空間にも表現されています。
 一見、仕事とは関係なさそうなボルタリングや滑り台、バスケットボールができる空間や奇抜に見えるデザインが施された洞窟や卵型・ドーム型の会議室は、その異空間に一緒にいるという、その感覚が会議に一体感を持たせるように働きかけます。
 また、Googleのロゴのカラーでもあるパステルカラーをオフィス家具に用いるのは、オフィス内の彩りを豊かにするだけでなく、企業への帰属意識を芽生えさています。
 
 イノベーションを起こすには、従業員間のつながりとコラボレーションが重要とGoogleは述べており、そのコラボレーションを指示することなく自然な形で実現できるようにデザインされています。
 オフィス内にはいたるところに、ソファやベンチ、大きなクッションなどが配置されており、立ち止まり、座り、落ち合う事ができる空間として利用されています。
 また、眠気を防止し、認知力や創造性を上げる効果があると言われるスタンディングデスクも導入されています。
 座って机に向かう姿勢は、前屈みの角度により首の痛みや肩こりの症状を発生させますが、立ってPC作業を行う事により、椅子に座る前屈みの姿勢が改善され、血行が良くなり、肩こりや首の痛みが軽減されます。
 こういった健康増進の効果と眠気の防止作用は、集中力のアップにつながり、生産性を向上させると考えられます。

2.健康増進施設の導入

                                          (出典:TODAYonline youtubeより)

Googleは従業員が健康を保てる環境に大きな投資をしています。
 企業の健康増進としての福利厚生はフィットネスジムへの法人会員割引が一般的ですが、日頃の健康増進は習慣性がなければ継続することが難しくなります。
 福利厚生制度が導入されていても、大手スポーツジムの法人会員の割合は全体の1%程度と言われています。
 一方でGoogleは一部のオフィス内にフィットネスジムを作り、従業員の行動動線に習慣的な運動が取り入れやすい環境を作っています。

 2019年10月に渋谷の駅に直結している駅ビル、「渋谷ストリーム」の14F〜35FをGoogle社が一棟借りして移転したことが話題になりましたが、 ここにもフィットネスジムを作りました。
 これほどの一等地に従業員専用のフィットネスジムを作るということから、Googleの健康経営の意識の高さが伺えます。

 また、ナップルームという仮眠ができる部屋をオフィスに作り、従業員へ無理ない就業を促したり、カイロプラクティックやマッサージを受けることによる適切な休息を促しています。
これらの福利厚生は従業員への心理的安全をもたらし、Googleで働くモチベーションの向上にもつながっているといいます。

3.コミュニケーションの場

                   (出典:edu vaani youtubeより)

 Googleのオフィスといえば、従業員であれば無料で食べ放題の社員レストランが有名です。
 創業当時からあり、従業員は、朝、昼、晩と間食も無料で取ることが可能で、好きな時に手軽に飲食できるように配慮されています。
 Googleでは50か国以上のオフィスに約200ヶ所のカフェテリアがあり、スナックや飲み物をとりながら休憩のできるマイクロキッチンが約1000か所あるそうです。
 この社員レストランは単純な福利厚生として提供しているものではなく、従業員間のコミュニケーションを取らせる仕組みと従業員の健康経営という戦略的な構想のもと作られています。

 Googleの食へのこだわりには栄養価の高い食事を提供するだけにとどまらず、創業者の「全従業員の寿命を2歳伸ばす」と言うメッセージが込められており、例えば、食べ過ぎ防止のため、お皿は通常のビュッフェよりも小さな10インチが採用されていたり、食べ物が並べられているレーンでは、まず始めに野菜が目に入りやすい位置に配置されていたり、脂質の高めな肉や魚はたどり着くまでに時間がかかるように配置がされています。
 また、健康的なスナックは手に取りやすいところに、ジャンクなお菓子は奥の取りにくい場所に配置し、自然と健康的な食べ物をお皿に並べる仕組みになっています。

 もともと、社員レストランは健康のためではなく、従業員同士が食事をとりながらフランクな会話をする中で新しいアイデアを生む場として創業当初は考えられていました。
 現在の社員レストランはより合理的にコミュニケーションが生まれやすくするため、ブッフェの前に従業員が1列に並ぶように料理が配置されており、食事を選びながら前後に並んでいる人と気軽に会話をし、部署や業務の隔たりがないコミュニケーションを取れるように作られています。

4.増加し続けるオフィス

                  (出典:Tech Vision youtubeより)

 Googleは今年の1月14日、ロンドンにある高層複合ビルのオフィス部分を10億ドルで取得すると明らかにしました。
 取得するのはウエストエンド地区にある多目的開発施設「セントラル・セント・ジャイルズ」のオフィス部分で、ビルはイタリアを代表する建築家、レンゾ・ピアノ氏が設計しており、近くには大英博物館もある立地です。

 Googleによると、英国では、今回取得するオフィス施設を含めて、1万人規模の従業員が働けるオフィス空間が確保されるとしています。
 Googleは内部をリフォームし、「チームポッド」と呼ぶレイアウト変更可能な空間や、屋外作業スペースを設ける計画のようです。
 米国のオフィスで試験導入している「キャンプファイア」と呼ぶ円形状の会議室も導入するといいます。
 室内には複数台の大画面ディスプレーが設置されており、対面とオンラインで会議に参加する人同士が違和感なく会話できる環境をつくるようです。

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                   (出典:The New York Timesより)
 また、Googleは21年3月、年内に70億ドル以上を投じ米国内でオフィスやデータセンターを拡張すると明らかにしました。
 本社のあるカリフォルニア州で10億ドル超を投じるほか、米国の計19州で施設を拡大し、少なくとも1万人のフルタイム従業員を新規雇用するとしています。
 
 Googleも他の米IT大手同様に、新型コロナ感染症対策として在宅勤務制度を導入していますが、同社はこれまで「会社業務を遂行するうえで中心的な場所となるのはオフィスだ」とし、対面で働くことの重要性を強調してきました。
 しかし、「オミクロン株」の急激な広がりで、計画変更を余儀なくされている状況となっており、22年1月10日から出社と在宅を組み合わせた勤務形態を導入するとしていましたが、21年12月に計画を延期すると発表しました。

5.最後に

           (出典:COLORS Work Environment youtubeより)

 Googleは人間の行動理論や研究結果をオフィス環境へ積極的に取り入れ、試行錯誤しながらオフィス空間作りを行っています。
健康的な食事を取ることや、従業員間の交流を図るという目的に即し、行動を意図せず自然と行えるように仕組み化しているようです。
 
 日本でも近年のオフィスづくりは、大きく変化してきています。
コロナ禍により、テレワークを経験した後に、オフィスそのものの考え方が変わってきたのかと思います。
 企業が必要に応じてオフィスを縮小する動きや郊外へ移転する動きが増えています。
 しかし、ただ席数を減らしたり、家賃の安い郊外にいくだけではなく、企業にとって最大限活用できる空間を作り込んでいくことが必要になるかと思います。
 現在のオフィスづくりのトレンドは下記のようなものとなっています。
  〇コンセプトやデザインが、企業ビジョンと繋がっている。
  〇テレワーク、フレックスタイムといった働き方の多様性に伴い、
   オフィス空間がカジュアル化し、生活空間の一部となるように考えら  
   れている。
  〇企業に合ったオリジナルなオフィス空間となっている。
  〇顧客との関係性を築く場所として作っている。
  〇環境や健康といった社会の中での存在意義が高められる空間を意識し
   たオフィス作りとなっている。

 これからのオフィスは、Googleのオフィスづくりのように、社員の力が発揮でき、その場所で楽しむことが出来る場をつくる方法を考えることが重要ではないかと思います。

今回も最後まで見ていただき、ありがとうございました。        よろしければスキ、フォロー、サポートのほどよろしくお願いいたします。

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