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人を変えたければ、期待をかけよう
対人スキルを鍛えたい私とあなたのために、
この本からの学びを少しずつあなたとも共有していきます。
人間関係にお困りの私とあなたのお役に少しでも立てれば幸いです。
この本では、対人スキルを鍛える方法が
1.人を動かす3原則
2.人に好かれる6原則
3.人を説得する12原則
4.人を変える9原則 (←今回の記事はココ)
の30原則にまとめられています。
これまでの記事はここにまとめています。
今回は、「人を変える9原則」の7番目について書いていきます。
今回の記事では、「人に変わって欲しければ、期待をかける」 について紹介します。
1.人は期待に応えようとする
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自分について良い評価が与えられた以上、その評価に違わないように努めるのは人情である。
相手のある点について、それを正してもらいたいと思うことはよくあります。
10年ほど昔に担任した小学1年生の子どものことを思い出します。
彼は、すぐに友達に手が出る、足が出る、いわゆる悪ガキと言われる暴れん坊の男の子でした。
保育園の先生もほとほと手を焼いていて、引き継ぎの時には、彼のことで1時間も話し続けるくらいに、心配しておられました。
そんな彼も、入学したばかりの数日は、様子を伺うためか、おとなしく、時に隣の席の女の子に優しく振る舞うことがありました。
私は、そんな彼の様子をつぶさに観察していたので、ほめることができたのです。
「○○くん、○子さんの落とした消しゴムを拾ってくれて、とっても親切な子なんだね〜」
「○○くん、○子さんが泣いていたら、なぐさめてくれたんだってぇ?優しい子なんだね〜」
だんだん慣れてくると、いよいよ彼の本領発揮かと言わんばかりにトラブルも多少はありましたが、その後も彼は、親切で、優しい子であり続けてくれたのです。
それは、彼の何気ない行動に、「親切」「優しい」という美点を備えていることとして、公然と価値づけ、そのように扱い続けていたからかもしれません。
だから彼は、私や周りの友達の期待を裏切らないように、親切で優しくあり続けてくれたのでしょう。
2.ピグマリオン効果
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良い評価を与えられたトミーは、評価どおりになろう、先生の期待を裏切るまいと努力した。そして、事実、先生の期待にこたえた。
教育心理学の心理的行動の一つに「ピグマリオン効果」というものがあります。
他者からの期待を受けることで学習や作業などの成果を出すことができる効果のことを言い、まさに人は期待に応えようとすることを表しています。
1964年にアメリカ合衆国の教育心理学者ロバート・ローゼンタールによって実験が行われ、提唱されたものです。
ローゼンタールの行った実験は次のとおりです。
①サンフランシスコの小学校で、ハーバード式突発性学習能力予測テストと名づけた普通の知能テストを行ない、学級担任には、今後数ヶ月の間に成績が伸びてくる学習者を割り出すための検査であると説明した。(実際のところ検査には何の意味もない)
②実験施行者は、検査の結果と関係なく無作為に選ばれた児童の名簿を学級担任に見せて、この名簿に記載されている児童が、今後数ヶ月の間に成績が伸びる子供達だと伝えた。
③その後、学級担任は、子供達の成績が向上するという期待を込めて、その子供達を見ていたが、確かに成績が向上していった。
④報告論文の主張では成績が向上した原因としては、学級担任が子供達に対して、期待のこもった眼差しを向けたこと。さらに、子供達も期待されていることを意識するため、成績が向上していったと主張されている。
⑤この実験の方法をめぐっては批判もある。現在でも激しい議論がなされている。(教員は、実験の際、名簿はざっと一度見ただけであると言い、さらに名簿に記載された子供達の氏名は記憶していなかった。)
ピグマリオン効果の反対の心理的行動として「ゴーレム効果」というものがあります。
相手に期待されていないと感じることで、それ以上の成果があがらないばかりか、逆に低下していまうという現象が起こります。
つまり、相手に期待するか期待しないかの違いによって、少なからず相手のパフォーマンスに変化を与えることができるということになります。
要するに、相手をある点について矯正したいと思えば、その点について彼はすでに人よりも長じていると言ってやることだ。
「徳はなくても、徳あるごとくふるまえ」とはシェイクスピアの言葉だ。相手に美点を発揮させたければ、彼がその美点を備えていることにして、公然とそのように扱ってやるがよい。良い評判を立ててやると、その人間はあなたの期待を裏切らないように努めるだろう。
3.まとめ|人を変えたければ、期待をかけよう
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今回の記事では、人を変える原則について
「人を動かす」D・カーネギー著 山口博訳 創元社 part4 7章
から紹介しました。
この章の中でカーネギー氏は、期待をかけられたり、良い評価を与えられたことで、その人に良い変化を与え、人生すら変えてしまった例をいくつも示してくれています。
確かにこのことは、教育心理学においても、教師の中で広く認識されていることであり、また実際、全国の教室やスポーツ指導において実践、実証されていることでしょう。
私自身も職員室内でのリーダー的立場になった時や現在の教頭職においては、若手の先生たちに期待をかけて、その人のパフォーマンスをあげてきた覚えがあります。
そう単純なことではないでしょうが、
期待する→ほめる→更なる期待→・・・
というプラスのサイクルに入れば、人はどんどん変わっていってくれることでしょう。
人を変える原則6:期待をかける
了
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