ビリオネアの考えを教育によせてみた②
ビジネスに成功したビリオネア(億万長者)は、優れた経営哲学をもっているはずです。
その考えを、少しでも自分に取り入れられないか、そんなことを考えて、前回から書き始めています。
素材にしているのは、ディスカバリーチャンネルで放送されている「覆面ビリオネア」という番組。
今回はそのエピソード2「プラン崩壊 節約トラック生活で心身は限界寸前」。
タイトルといい、このサムネイルといい、グレンのやばそうな状況が伝わってくるEP.2です。
でも、こんな状況でも前向きにチャンスをつかみにいこうとするグレンのビジネス哲学に感動しました。
1.Ep2 事業を成功させるための考え・金言三選
まずは、3ヶ月分の生活資金を稼ごうと、奮闘するグレン。
住むところを確保し、いよいよ事業を始めるためにチームを集めようとします。
このチーム作りが、事業成功には欠かせない大事な要素となっています。
番組の中で、自分の行動、考えをグレン自身がふりかえって解説しています。この中にたくさんのビジネス哲学が語られています。
この中から、次の3つを拾ってみました。
2.敵を知りつくせ!
エリーという街でクラフトビール業界に乗り出そうと、動き始めたグレン。
まずは、地元のクラフトビール工場へ、ビールの醸造の仕方について学びにいくところから始めます。
そして、オーナーから、事業の立ち上げや経営について、詳しく話を聞きます。事業立ち上げまでにサポートしてくれる弁護士も紹介してもらいました。
この金言を教育によせてみると、どういうことになるでしょうか?
私は、この4月に中学校へ異動となりました。
知らない町、ちがう校種・・・・。異動が決まった3月の初めはとても憂鬱でした。
しかし、元来が楽天家の私は、ある時気持ちを切り替えることができて、「あんなことしたいな」「こんなことしたいな」と夢を膨らませていきました。
で、迎えた4月。
あれほど思い描いていた「したいこと」の実行を、とりあえず、一時保留するするしかありませんでした。
なぜなら、私の考えていた前提が甘すぎたのです。
「したいこと」を実現していく仲間である同僚や生徒がどんな人物であるか、実現していく場となる学校は、どんな街にあって、どんな保護者に支えられていて、サポートしてくれる教育委員会はどんな組織で・・・。
そういったことを知らなすぎました。
私が異動して、まず手をつけるべきことは、そういったことを「知る」ことからでした。
学校長、職員一人一人、ニーズのある保護者や生徒、いろんなことを降らせてくれる教育委員会、声を届けてくれる地域の方々・・・・との対話。
どんな願いを持っているのか、どんなニーズが存在するのか、そういったことに耳を傾け続けてきました。
自分のできることや長所、したいことをどう重ね合わせていくか、そこにも注力しておきます。
3.成功するチームに必要なのは?
クラフトビール事業の立ち上げチームの構築に着手したグレン。
チーム結成のための面接を行い、グレン自身が今回の事業の立ち上げにかける思いを伝え、一人ひとりの事情や熱意をくみ取りながら対話を深めていきます。
また、チーム候補者のメンバーたちと一緒に呑む機会もつくりました。候補者みんなで話すことで、誰がリーダー的な存在になってくるかをグレンはみています。
グレンが候補者を評価しているようであり、候補者たちもグレンを品定めしていることも意識しながら。
学校教育も、人的資本がとても大切です。
教職員チームがどんな先生で構成されているか。
先生たち一人一人はとっても個性的で、教育に対するいろいろな考え方があり、それぞれに得意なこと、不得意なこともあります。
ただ、グレンの場合とちがって、学校の場合は、学校長が教職員を選ぶことはできません。
もちろん採用試験で一定のふるいにはかけられているものの、その方の人柄までは見通すことはできません。
経験年数の少ない先生だから心配だなぁ、とか、ベテランの先生だから大丈夫ということは、必ずしも当てはまらないのです。本当のところは、一緒に仕事をしてみるまでは、よくわからないというのが本音です。
それでも、価値ある学校教育を提供できる、いい学校をつくっていくためには、学校長の信じるビジョンを、教職員チーム一人一人が信じて、同じ方向に向かって、進んでいくことが大切です。
今年度から勤務する中学校は、学校長が中心になって、「学びの共同体」の考え方を組織的に取り組もうとしています。
とはいえ、「どうすればいいのさ?」という先生たちの心の声が、1学期を終えた今でもなお聞こえてきそうな感じがしています。
校長の目指すこのビジョンをどう具体に落とし込んでいくか?それが教頭である私の仕事ではあるのですが・・・・(^^;
終わりに|チーム作りは難しい!
今回の記事では、覆面ビリオネアEp.2から3つの金言を拾って、教育につなげてみました。
チーム作りの大切さは、これまでにも身に染みて感じてきました。
それでも、公立学校ならではの難しさを、今も昔も感じています。
一つは、人材を選ぶことができないということ。
そして、もう一つに、人事異動があること。数年のうちに、大部分の人材が入れ替わってしまうのです。
要となる学校長でさえ、3年、早ければ2年で替わってしまうのです。
これでは、同じビジョンで、じっくり腰を落ち着けて取り組むことができないのが現状です。
なんか、最後に、愚痴っぽくなってしまいましたm(_ _)m
さて、覆面ビリオネアの方ですが、グレンの集めたチームが、彼の描く夢と同じものを見ようと挑戦を始めていくところで、Ep.2が終わります。
続きが楽しみです。どんな金言を拾うことができるかな。
了
続編▷EP.3から得た金言集③はこちらからどうぞ。
前編◀︎EP.1から得た金言集①はこちらからどうぞ。
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