
第39話:これくらいできないと困るのはきみだよ?
教師スキル研究会、通称小林ゼミは、授業改善アドバイザーの小林昭文さんが主催するオンライン研究会です。もうすぐ丸6年となります。
主に全国の小・中・高校の教員がゼミ生で、週に1回程度、zoomの部屋に集まって、教育のさまざまなテーマについて語り合っています。
今年度からは、Instagramやstand.fmでの情報発信も始めています。
ここでは、stand.fmで音声配信したファイルを文字起こしし、それを要約して記事にしたものをお届けします。
2月14日に行われた教師スキル研究会行われたサブゼミのアフタートークをお届けする番組です。
主催の小林さんに今日のゼミのことを聞いています。
今回のゼミでは、ABD(アクティブ・ブック・ダイアローグ)で読書会をしました。 課題図書は勅使河原真衣さんの『「これくらいできないと困るのはきみだよ」?』という本です。 4人の専門家との対談をまとめた本で、どれも示唆に富んだお話でした。
ゼミ生で分担して要約スライドをプレゼンし合いました。
アフタートークでは、小林さんがABD会を終えて、気になったことを話しています。 気になった方は、ぜひ、聞き耳を・・・
教師の圧と子どもの学びを考える – ABD会を通じて見えたもの
先日、教師スキル研究会(小林ゼミ) の定例会にて、ABD(アクティブ・ブック・ダイアログ)会が開催されました。
今回の課題書は 『「これくらいできないと困るのはきみだよ」?』(勅使河原真衣著)。
対談形式で語られる教育の現場のリアルに、参加者たちは多くの学びを得ました。
先生の「圧」が子どもたちに与える影響
今回の読書会で特に印象に残ったのは、「教師の圧」が子どもたちにどのような影響を及ぼすか という点でした。
畑山さんが担当した特別支援学校の先生・川上康則さんと勅使河原さんとの対談では、
「教師もまた、さまざまなプレッシャーにさらされているが、その圧力が最終的に子どもたちに向かってしまう」
という現実が浮き彫りになりました。
さらに、「子どもたちのため」という大義名分で押し付けられる厳しさが、本当に子どもたちの成長につながるのか? という問いも投げかけられました。「強い立場の者が、弱い立場の者のためだと言いながら正当化する構図」 は、学校だけでなく社会のさまざまな場面で見られるものです。
姿勢指導は本当に必要? 教科指導とのバランス
これに対して小林さんは、教師が子どもに対して「姿勢を正せ」「黙って聞け」といった指導には厳しいのに、肝心の教科内容の理解を深める指導は雑になっているのでは? という点を指摘しました。
たとえば、算数の問題をしっかり理解させるよりも、「黙って座ること」 を重視してしまうケースが多いのではないか、という疑問です。
「学校では形式的な指導が厳しくなりすぎて、本来の学びの本質が置き去りになっているのでは?」
この言葉には、参加者も大きく頷いていました。
面接指導を「楽しみながら」学ぶ方法
また、小林さんが高校で実践していた 「面接指導の工夫」 も興味深い内容でした。
一般的には、教師が一方的に「姿勢が悪い」「もっと胸を張れ」と指導するものですが、小林さんは生徒同士でフィードバックし合う形を取ったそうです。
3人1組のグループワーク で、面接官・受験生・観察者に役割分担し、互いにアドバイスをし合うという方法を試したところ、
「先生が指摘するより、生徒同士のほうが厳しいことを言う!」
という興味深い現象が起こったとのこと。
「姿勢が悪いね」「この話し方はダメだよ」と、友達同士で楽しみながら指導し合うことで、自然と改善が進み、生徒たちの面接スキルが向上したのだとか。
この方法のポイントは、「先生が直接指導するのではなく、環境を整えること」 にあります。
教師が「ピンと座れ」と命令するよりも、教師自身が模範を示す ことで、子どもたちは自然と学んでいくのではないでしょうか。
学びの環境をどう整えるか?
今回のABD会を通じて、「教師の圧力」と「学びの本質」を改めて考えさせられました。
「子どもたちのため」と言いつつ、本当にその方法がベストなのか?
「学校教育の形骸化」が進んでいないか?
そうした問いかけをし続けることが、教師の役割なのかもしれません。
教師スキル研究会では、こうしたテーマを日々掘り下げ、学び合っています。
次回の定例会は 2月21日(金)21:00~ 。フリートーク形式で、参加者が自由にテーマを持ち寄る場になります。
興味のある方は、ぜひInstagramやstand.fmで情報をチェックしてみてください!
それでは、また次回お会いしましょう!
教師スキル研究会では、このような悩みを共有し、共に解決策を考える場を提供しています。
興味のある方はぜひ参加してみてください!これまでのアフタートークの記事は、こちらにあります。
教師スキル研究会は、初月参加無料となっていますので、どうぞお気軽にご参加ください。
「授業っていいよね!おもしろいね!」って思ってくださった方は、いいねやフォロー、ゼミへの入会をお願いします!
教師スキル研究会・小林ゼミのことを詳しく知りたい方はこちら↓
https://home.tsuku2.jp/f/akifumi_kobayashi/kyousi_skill
教師スキル研究会・小林ゼミInstagramで発信中
教師スキル研究会・小林ゼミに申し込んじゃえ!はこちらから↓
初月無料のため、1ヶ月ご参加いただいて、合わなければ退会オッケーです!