目指せ!新規就農44|食のアーティストへの変身、農家のサードプレイス
自分の育てた作物をどのように消費者に届けるか?
この命題は、農家にとって、とても大切な問いであり、新規就農を目指す私にとっても、重要に感じています。
今回の記事は、長野で100年続くりんご農家のみやちんのvoicy宮下直也の信州りんご旅「農業生産者のサードプレイス」を聞いた時の、私が「これだ!」と思った感動をお届けしたいと思います。
みやちんは、1stプレイス、2ndプレイスをこんなふうに定義づけています。
多くの農家さんは、このどちらかでの販売方法で収入を得ていることでしょう。
しかし、今回注目するのは、これらとは一線を画す「3rd(サード)プレイス」。
これは、自分の作物を飲食店やパティスリーの料理人が利用し、新たな価値を創造する場です。
農産物がただの商品から、芸術的な料理へと変貌を遂げる瞬間。
これが、農家としての新たな挑戦であり、私たちの作るものへの愛情を形にする試みです。
サードプレイスとは?
サードプレイスとは、「第三の場所」という意味ですが、ここでいう、農業におけるサードプレイスとは、単に農産物を販売する場所ということではありません。
みやちんの定義によれば、作物を一段階上のステージへと押し上げる場所ということになります。
飲食店やパティスリーの料理人が農家の天塩にかけて育てた作物を使い、その特性を最大限に活かした料理を創造します。
例えば、みやちんの場合は、単なる「りんご」が「りんごを使った特別なデザート」に変わり、その過程でみやちんがりんごにかけてきた努力と愛情がさらに意味を増して消費者に伝わるのです。
また、このサードプレイスは、農家と消費者の新しいつながりを作り出す場所としても重要です。
料理人が作物を使うことで、農家のストーリーが伝えられ、消費者は農家の顔を見ながらそのストーリーを味わうことができます。
これは、農産物を単なる商品ではなく、その背景にある物語と共に楽しむことを可能にします。
サードプレイスの存在によって、農家の役割は単なる生産者から、文化や物語を創造するアーティストへと変化します。
農家の作るものが、単に食べ物を超えて、感動や体験を提供することにつながるのです。これは、農業に新たな価値と可能性をもたらし、消費者には新しい食の楽しみ方を提供してくれます。
農家の新たな挑戦
voicyの中でとても興味深いエピソードが紹介されていました。
みやちんの企画する「りんご狩り&キャンプオフ会」です。
このイベントでは、元ミシュランシェフである浅見淳さんが、みやちんのりんご、農家仲間から集められたたくさんの食材を使い、一日限定のキャンプ飯を振る舞ってくれたというのです。
浅見さんの魔法の料理の手によって、それらの作物や食材が、想像もつかなかったお料理が次々と出てきました。その一品一品が、とても貴重で、とても美味しく、かけがえのないものだったのです。
これが、まさに、みやちんの目指した農家のサードプレースだったのです。
農家の役割は、単に作物を提供する生産者から、感動や体験を創出するアーティストへと昇華しました。料理人が農家の育てた作物を使い、その背後にある物語を料理を通して伝えることで、農家の努力と愛情が消費者に直接届けらることができるのです。
このサードプレイスは、農家と消費者を直接つなぐ橋渡しとしての役目をもち、農業が持つ文化的な価値を高めてくれます。
このようなイベントを通じて、農業に新たな価値と可能性をもたらし、消費者には新しい食の楽しみ方を提供することもできるのです。
みやちんの目指すサードプレイス。これは、まさに私の夢見る農家の姿でもありました。
まとめ|農家のサードプレイスは創造とつながりの場
みやちんの目指した農家のサードプレイスは、私の夢になりました。
その場所は、単なる作物を販売する場ではなく、創造とつながりの場です。私たちの作るものが、ただの食べ物を超えて、感動や体験を提供する道具となり得ることを、みやちんのエピソードは教えてくれました。
新規就農を目指す私にとって、消費者に新しい体験を提供し、農業の新たな可能性をじっくり考えていきたいと思います。
あらためて、農家の可能性は無限大なんだなぁと思いました。
これからも、農業という素晴らしい仕事を通じて、多くの人ととつながっていけたらと思います。
今日も最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
では、また明日。
了
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