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同人誌の作り方(本文パート)

「え? Wordで書けば良いんじゃないの?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

Wordで書けば良い。
それは半分正しいけど、本文を書き終えた後、もう少しだけWordには働いてもらう必要があるんだよというお話をします。

なお、本記事ではMS-Word(Windows版)を取り上げております。他のワープロソフトとは操作が異なるかと思いますが、互換の確認は取っておりませんので、ご利用は自己責任にてお願いいたします。

また、本文以外のパートについてはこちらのページにまとめております。もし宜しければ。


用紙サイズの設定

全体サイズ

前回書いたように、断ち切りを考慮して本の完成サイズより少し大きく作っておく必要があります。印刷所により仕様が異なる可能性がありますが、一般的にはA6文庫の場合、完成サイズが105ミリ×148ミリなので、Wordでの用紙設定は111ミリ×154ミリになるかと思います。上下左右に3ミリずつ足していることになります。

余白と綴じ代の設定

私はこれでやってます(雑)

表紙材質や本の厚みにより、硬いほど・厚いほど、とじしろは多めに取ったほうが無難です(読みやすい)

ヘッダー・フッターの編集

ポイントは、左右バラバラに編集しなければいけないので、左右対照か確認を取ることです。(とらないと、片方だけフォントサイズが違ったりする)

「挿入」から「ヘッダー」「フッター」に遷移。
「先頭ページのみ別指定」をオンにすると、ノンブルが狂うのでオフに。また、下記の通り、奇数・偶数ページで別指定なので、ここはオンです。ヘッダ・フッター位置はご参考程度に。

ノンブル

ノンブルとはページ番号のことです。これは印刷所さんからも要求されることが多い気がします。お手元の文庫本などを見ていただきたいのですが、一般的には綴じ代の反対側に番号が振られるので、偶数ページと奇数ページでは、ノンブル設定を変える必要があります。(下図参照)

J庭55新刊『運命なんかじゃない』の実物(※電書版)

ページ番号は一度設定すれば自動的に番号が割り付けられます(以降、編集しても手作業でナンバリングやり直しする必要はない)

奇数ページを選択している時は、「番号のみ1」を選択。偶数ページを選択している時は「番号のみ3」を選択。

ページ番号設定が終わり、タイトル入力まで終わるとこの状態。

フィールドコード開いてた…。(下記参照)

タイトルの入力

必須ではありませんが、より商業文庫本に似せたいと思うなら、奇数ページにだけタイトルを打ち込む作業も必要です。

こんな感じに。

行間を統一

  1. 行間を固定値にする

  2. ルビと文字列の距離を調整

右下の行間マークをクリック
表示されるメニューから「行間のオプション」選択
行間は「固定値」を選択する。これにより、ルビ有行とルビなし行の間でスペースの幅が違うといった見た目を解消でき、全部統一した行間にできる。ポイント数は、「本文文字サイズの1.7倍」を目安にやってみて、お好みで微調整いただければ。

全文を選択して右クリックすると下記メニューが表示されます。

「フィールドコードの表示/非表示」を選択

hpsというのが本文とルビの距離、upというのがルビのフォントサイズを示す数字なので、微修正を掛けます。詳細はmanaさんのnoteご参照いただきたく。

一個ずつ修正するのは大変なので、検索・一括置換が良いと思います。

確認作業

WordやAcrobatは横書き文書前提のソフトで、ページ捲りのイメージが湧きにくいのです。でも、確認を怠ると、ノンブルが全部内側に寄ったりするので忘れずにやりましょうー!
シメケンプリント様のサイトが便利ですのよ。

『運命なんかじゃ〜』のファイルが何故かエラーになるため、他の小説のファイルでやってみた。

実際にページをめくっていくと、左側ページにタイトルが表示されて、ノンブルも綴じ代の反対側に振られていることが確認できます。

ここまで読んで、「……ぶっちゃけめんどくさいなぁ」って思ったあなた。
気持ちはわかります。
そんなあなたにおススメなのは、シメケンプリント様の「小説PDFメーカー」!

表紙画像や本文のテキストデータを言われるとおりに流し込めば版下ができるという神のようなツール。しかも、シメケン様以外の印刷所に持って行っても良いですよという太っ腹に感謝し、御礼代わりに宣伝させていただきます。



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