冬ありがちな問題
冬は、おねしょの増悪因子として有名です。
春から夏は殆どしなくなるのですが、毎年秋から冬になるとおねしょが増えるため、何年も通院してしまっている子がいます。
冬悪くなるのはなぜでしょうか。
1. 寒くなると膀胱は反射的に収縮して尿漏れしやすくなること。
大人でも寒いところにいくと、急に尿意を感じることがあるでしょう。
夜間睡眠中に布団をはいで寝ると、体が冷えてしまい、多くの場合、おねしょをしてしまいます。
寒いとブルっと体を震わせることで熱を産生しようとします。膀胱の筋肉も収縮しておしっこが漏れやすくなります。膀胱にはおしっこがたまってきた時に畜尿する自律神経のほかに、漏れを防ぐ神経がうまく調節してくれているのですが、おしっこを出すほうの神経の働きが刺激されて起るようです。
2.夜間尿量が増えてしまうこと。
寒いので、汗をかかなくなります。すると汗から出るはずだった分、尿量が増えてしまいます。
皆さんの排尿記録をみていると、同じ生活をしていても、冬になると2倍の尿量になっている子もいます。尿が200㏄から400㏄になったら、膀胱くんも許容範囲を超えてしまいます。たまったものではありません。
また、寒いと、手足など体の末端の血管や皮膚表面の血管を収縮させ、体の中心の血液を増やして熱を保持しようとします。血液が運ぶ熱により体温をあげるのです。
体の中心を循環する血液量が増えて、腎臓から産生される尿量が増えることになります。
したがって温かくして、体を冷やして膀胱を刺激しないこと、つまり、おしっこをためて出さないようにしてくれている神経の働きを保ってもらうことが必要ですね。
そこで冬の対策として重要なのは防寒です。
防寒では特に下半身を温めることが有効です。例えば、腹巻、毛糸のパンツ、スパッツ、レギンス、レッグウォーマー、靴下。
暖房も重要です。エアコン、パネルヒーター、湯たんぽ、電気毛布など。
エアコンをつけて寝たら大丈夫という子もいます。部屋が乾燥しますので保湿もしながらするのがいいでしょう。
よい睡眠をとるときの適温は16-18度くらいとされていますので参考にしてください。
なお、そのような努力をしても、男の子は体感温度が高いせいか、布団をはいでしまい、水の泡になることがあります。
布団をはいでしまう子なら、時々起きて布団をかけてあげるしかなさそうです。
本でも詳しく紹介しております。