【KBR2022】移籍、大敗、歓喜、そして決勝戦〜その4〜
⑤決勝day1〜5回戦自戦記 はじめてのはいしん〜
対局者は
東 Mintia バウアーヤマジ選手
南 雀カツっ!! harry選手
西 友添道場チーム 加藤博士選手
北 そうぞう+ω はた
以上の4名。
いよいよ対局が始まる。雀カツっ!!との着順勝負で勝つと生き残り、負けると敗退。大一番だ。
先程までいた空間とは違いめちゃ静か。幸いにして打ち慣れた大三元の2卓個室だったので変な緊張感は無かった。
東1局、ドラ含みで2メンツ完成の好配牌を貰うと、第1ツモで發が重なる。
456の三色もあり雀頭が定まらないため發は1枚スルーの想定。
發が出ないまま順調に手が伸びて、ピンズの好形が活きて4sと發のシャンポンでテンパイ、リーチを放つ。
しかし同巡、友添道場加藤さんから追っかけリーチ。
まずい。直感でそう思った。8pトイツ落としが見えていることもあるのだが、なんとなくまずい気がしていた。
頼む、發オリ打ち!どっちかトイツやろ!それか2山やろ!
そんな願いは届かず、お互いに当たり牌はつかまないまま最終ツモ番。
できることなら食べたかった。4p暗刻のスジ、ドラまたぎ。8pトイツ落とし、3p切りリーチ。
これやん。
何がうれチーピンやねん。
メンタンピン三色ドラ1、ど高目にぶっ刺さる。
………
はっ!
我に返った時、はたはカン3mチーを忘れていた。これは割と本当にそんな感覚だった。ドラドラでタンヤオ手でまっすぐ進めているのはそうなのだが、出たらどうするとかそういう思考が働いておらず本当に頭が真っ白だった。たぶんドラは反射的にポンできそうだが…。
これも同巡に出た2枚目の3pをポン。鳴くなら1枚目からだろう。
結果的に4枚目の7sを引き入れ暗カンし、次巡3mをツモ。
頭は真っ白だが点数計算は間違えない。1600-3200のアガリ。こんなにミスしてこんな唯一の打点アップ手順が踏めるなんて、たぶん今日はツイてるな。そう思った。反省している場合ではないので良いように考える。ここからは急に頭が働き始めた。
とにもかくにも、ライバル雀カツっ!!に親被りさせ、一気に9600点縮まり戦線復帰だ。
東3局、親の友添道場加藤さんが雀カツっ!!harryさんから2000をアガりさらに点差が縮まる。しかし、1本場は終盤にharryさんが2000-4000のツモアガリ。これで再び10000点以上の差がつくことになってしまった。
割と厳しい状況なのだが、なんだかこの日は行けそうな気がしていた。
東4局親番。
配牌でメンツは無かったが、3巡目に絶好の7p引き。
打牌候補としては7s、1m、6m、9mのトイツ落としか。
678三色は狙い目なので7s、6mは切らない。1mが早い人が2人いて2mの縦+ペン3m受け、かつ安全な1mは残したかったので、ここはタンヤオも見て9mトイツ落としとした。実況の安房さんと合致したのが何気にめちゃ嬉しかった。
この浮き牌7sに6s、8sと引く豪運を見せてこの形。
打1mとした。もうオリる必要がないこの手、唯一不安なカン7mを外す手順として、9p引きでの一通へのシフトも少し考えていたので5pは残した。
程なくドラの1pを引き入れテンパイ、カン7mで678三色確定のリーチを放つ。
少し高まってリーチモーションが乱れ、まあまあパチンと響く打牌になった。すみません。笑
宣言牌をチーされて、次巡に4mをツモ切り7mがスジに。
程なく三色のテンパイを入れていたバウアーさんに7mが流れてツモ切られた。
リーチ三色ドラ1の12000をアガり、これでわずかながらライバル雀カツっ!!を上回った。
1本場は9巡目に完全イーシャンテンとなるがここから何も引けず、終盤にバウアーさんからharryさんへ2000は2300の横移動。これで再び雀カツっ!!が上に。目まぐるしい。
南1局はこの手。
現状、雀カツっ!!との着順争いが焦点ではあるがMintiaと21,300点差となっており、このあと雀カツっ!!に走られた場合の37,900点差条件が現実的なものになっている。そのため、Mintiaの親を落とすことも大事なので白はポンするのだが、狙う手役は8sが重なったことでトイトイが本命、マンズが横に伸びればホンイツという想定だった。
さらに次巡に1mが重なる。白をポンし、8sトイツを残してトイトイの進行とした。
1mが暗刻になり、カン6mテンパイを取る。が、8sはポンしてトイトイに向かうつもりだ。
しかし直後にバウアーさんから親リーチ。現物は1枚も無く…放銃は致命傷になり得るので、この押し引きは正直どうしていいかわからなかった。たぶん押すけど。
運良く一発目は現物7p、次巡ワンチャンスの8pをツモ切り。しかしドラの6sを引いてさすがに一旦撤退。現物の7mを落とす。
そしてこの選択。
5sが通っており8sは切りやすい。5mも、7mが場に4枚見えで5-8mは無い。が、2-5mは自分で4枚固めている無スジ。
ここは、打8sで5m単騎のテンパイとした。まだ通っていないスジも多いが2-5mの危険度と、5-8sも4枚しかないことからめくり合いたくないという判断になった。5mに4mがくっついた時だけワンチャンス1mを勝負するかなぐらいのかなりオリ寄りの選択だった。
しかし。
これぞ僥倖。アイライクうーまん。しかも直前に加藤さんに入って2枚になっていて、まさにラス牌だ。
大きすぎる700-1300+供託1。正直、この単騎テンパイではなく5mを勝負しての58sにした方がいい気はする。しかし結果は最高。これで再びリード。
南2局、harryさんの親は何としても落としたいが0本場はharryさんが1500点の加点。1本場は早い巡目にバウアーさんが500-1000は600-1100のツモ。接戦のままラス前へ。
南3局は手なりで進行し、二段目の終わりにこのテンパイが入る。
現状ライバルharryさんとは1300点差。リーチ棒を出しても1人テンパイならばオーラスは4300点差となり伏せることができる。しかし2人テンパイなら3300点差、何よりharryさんにテンパイを取られるとリーチ棒を出さなくても1300点差のオーラスとなりかなり苦しい。親番なので他家の1600-3200も耐えられなくなる。
さらに待ち取りだ。タンヤオドラ1、残り3枚の3-6pか、5枚の2-5pか、もしくはタンヤオイーペーコードラ1の2枚のカン4p。
自分の選択は
①2-5pリーチ
②カン4pダマ
③カン4pリーチ
の三択だった。
リーチするなら…ツモベースになる。ならば枚数の一番多い2-5pで勝負か。しかしカン4pダマも5200、ツモれば満貫あり捨てがたい。
出した答えは…
勝負駆けの2-5pリーチ!
プレッシャーをかけ、満貫ツモか悪くても1人テンパイを取りにいった。放銃すれば敗退濃厚となるharryさんも来づらいだろう。ここでヤミテンにして、harryさんにテンパイを入れられるのが最悪と考えた。たぶんこの選択ならどうなっても後悔しない。守りに入らない。自分に言い聞かせた。
もちろんできればツモりたかったが、すぐに2-5pは純カラとなっており1人テンパイで流局。プラン通り4300点差をつけてオーラスを迎えた。
迎えたオーラス。
供託1本ある4300点差なので、harryさんの500-1000ツモ、1600は1900直撃は敗退。他家への3900は4200放銃まではセーフ。
ここでドラドラ配牌を貰えたのはありがたかった。他家にはドラが2枚以下。役ドラドラの放銃は耐える。が、手形が悪いので序盤のツモが劇的に良い場合以外はほぼアガリを見ていなかった。
追い風だったのは友添加藤さん、Mintiaバウアーさんにも終わらせにいく理由があったこと。当然この僅差、特に加藤さんはトップを狙ってくる。もちろん2日目のことを考えるとトップが欲しいが、背に腹は代えられない。
その加藤さんから序盤に南のポンが入り、ドラの9pが放たれる。これで自分からドラが3枚見え。加藤さんへの差し込みも考えられる形になる。
しかし、続いて加藤さんに白のポン。これで少し話が変わってしまった。ドラ9p打ちが7899pからのドラ1枚外しで、かつ何か1つ暗刻が手の内にあればテンパネし5200に。放銃した瞬間アウト。さらにトイトイが否定できないので差し込むことが出来なくなった。
ここから慎重な打牌選択が求められた。もう9p9pと行ってもいいのだが、harryさんの動向がまだ見えないので形を完全に崩したくなかった。生牌がもう切りづらいが、加藤さんの立場ならトイトイはいらないので手出しはほぼ手牌の関連牌。4s→ポン出し9sなので7s8sはかなり切りづらいが、2sは切りやすいと判断した。
さらに5p手出し。これでほぼテンパイ、かつ待ちにピンズが絡む形と読んだ(実際はカン4pからの受け変えだったが)。なのでマンズソウズのトイトイに当たらない牌は切りやすくなった。
途中4m手出しを入れられたがスライドか…トイトイからマンズのリャンメンに変化した可能性も考えた。また、harryさんの動向にも目を配らなければならない。ピンフドラ1の2000点を脇からは見逃している可能性もあり加藤さんに安全かつharryさんの現物を切っていく必要があった。
必死のオリ。加藤さんはよアガってくれーい!後でポケモンGO何でも交換します!レイドも招待します!東発の12000は許さんけど!
………
バウアーさんから2pが出て加藤さんからロンの声。
頭に登っていた血が一気に引いていく感じ。
耐えた、耐えたぞ。瞬間は嬉しさよりも疲れがどっと来た。
2着落ちは痛い。しかしこんなに嬉しいまくられ2着は今後もう無さそうである。
終わってみれば、ライバルharryさんとは4300点差。そう、あの奇跡の5m単騎700-1300ツモで3400点+供託の1000点=4400点差ができたのだ。全日本結果論協会的にはあのアガリでオーラスのオリの選択ができたことになる。本当に天に恵まれたと思う。
配信室から出ると、モニターはまだオーラスの途中(YouTube配信は3分ディレイのため)。チームメイトが固唾をのんでモニターに釘付け。
そっと後ろから見守った。
こんなふうに応援してくれてたんだなと思うと、それに応えられて本当によかった。
こうして命からがらの逃げ切りで、4位にて1日目敗退を免れた。
その5へつづく