「整理」「整頓」「清潔」「清掃」「躾」そして『悟り』の話。
皆さんこんにちは。蓮沼五朗(ハスヌマゴロウ)でございます。
母が特養に入居したため、今までの住まいを退去したことは以前にも書きました。
それに伴い「年金や介護保険の手続きの書類」「特養からの請求書」「介護計画書」そのほか、金融機関、医療機関からの書類が僕の家に届くこととなり、郵便物が増えまして。
僕は元々整理整頓掃除がかなり苦手。なので机の上は書類や本で溢れかえっています。部屋の中もこまめに掃除機をかけおりません。
母の郵便物は以前からあったのですが、届いた書類は机の上に放り投げっぱなし。
すると、やらなければいけない介護の手続きを忘れ、施設運営会社や医療機関から催促を受ける。『面倒臭いなぁ〜』と思いながら渋々やるとろくなことはない。
「えーっと!ではまず机の上の本と余計な書類はどかしてと」「ペンペンペンペン!なんだ!これ書けないじゃん!!」「なんでこんな手書きが多いんだよぉー」とストレスを感じていました。
手続き関係の書類が増えるとはストレスも増えるんかいな?それじゃぁこのストレスを少なくするにはどうしたもんか?
ほほそうか!『机を片付ければ、郵便を受け取ったら即開封。そのまま書類を書けばいいのか!』『それが出来るよう机の上や身の回りは常に整理整頓だ』『よし!こまめに掃除するぞ!』と思いついた!!
なので今週末は柄にもなく朝から部屋の掃除をしましてね。そして掃除をしながら今まで考えたことを整理したツイートがこちらです。
今までにはなかった感覚なんですが、掃除や片付けに集中すると、なんだか気分がいい。実は今週も仕事では「色々」あり、その「色々」に対する回答期日は来週に迫っている。昔の自分なら週末が休みとなれば「色々」を引きずったまま「ゴロゴロ」「ダラダラ」して過ごし、頭の中は仕事のことを「あーだ、こーだ」考えてはイライラしておりました。
掃除に集中すれば、今やっていることだけ考えるようになる。そしてイライラしていた仕事のことを忘れられる。なにより部屋や身の回りがキレイになる。
なるほど、これは一石三鳥にも四鳥にもなりそうだぞ!
『整理整頓清掃習慣』は続けるしかないなと!!
\あ!宣言しちゃった!!/
そういえば、永平寺や宝塚音楽学校では清掃は修行の一環として取り組んでおり、それが人間を磨くことに繋がるのかぁ〜とネットの記事で読み納得している次第でございます。どおりでお坊さんもタカラジェンヌも立ち振る舞いが美しく、しつけとはこう言うことなんだなぁーと思いますね。
もう一つだけお掃除にちなんだお話を。
お釈迦さまの弟子に「周利槃特(しゅりはんどく)」という名の弟子がいたそうです。
この人、兄の勧めで出家したものの、ものすごく忘れっぽい。いや自分でも頭がおかしいのではないかと疑う始末。なにせ自分の名前ですら忘れてしまうんですから。
そんな彼はやがて一緒に修行する仲間にも馬鹿にされるようになりました。
『私はもうここにもいられない。祇園精舎での修行は諦めよう』
と修行を辞する申し出をしようと師匠お釈迦さまのところへ赴きます。するとお釈迦さまは彼にこう言いました。『愚鈍に見えるお前の性格は決して他人に劣っていない。それはお前自身が活かすべき特性ではないのか』そして一本の「箒(ほうき)」を差し出し『ひとつのことなら出来るだろう。毎日この箒で掃除をしながら【塵(ちり)を払い、垢を除ん】と唱えよ』と告げました。
彼はもう一度修行に取り組む決心を固め「お師匠さまの言う通りだ。これなら私にも出来るだろう」と周利槃特の「掃除をする毎日」がスタートです。
しかし、物覚えが悪く鈍臭い彼のこと、掃除をしてると唱える言葉を忘れ、言葉を思い出したと思うと、今度は箒をどこかへ置き忘れてしまいます。
けれども人間的に素直な周利槃特は、来る日も来る日も愚直に『塵を払い、垢を除ん』と唱えながら掃除を続けると「塵とはなんだ?垢とはなんだろうか?」と考えるようになりました。
そして「塵も垢も私の心に積もったモノだった!」と気がつき、それを取り除くことこそ修行であると周利槃特は悟ることが出来たとのお話です。
ここで考えたいのは「心に積もった塵と垢がなんであるか?」です。それは「今までの人生で得た経験や知識による【思い込み】や【偏見】【執着】ではないでしょうか?
僕も一日一度わずか5分でもいいので、机の上の拭き掃除だけでも「集中する時間」を作る。それは掃除だけでは自分の心の塵や垢を取り除くこと。思い込みや偏見、執着のない心を作って行きたいと考えております。掃除も『悟り=人格完成』への手段の一つと思った次第でございます。
あ!忘れてた!!
この周利槃特って皆さんの身近にいるんですよ。知ってますか?
それはあの『レレレのオジサン』だそうです。
周利槃特の特性を見抜き、悟りへ導いた『お釈迦さま』の眼力にも敬服しますが、掃除だけで悟った「釈尊の弟子」をキャッチーなキャラクターとして世に出した『赤塚不二夫先生』もやはり天才ですね。
それではそろそろお開きにしましょう。ここまで蓮沼五朗(ハスヌマゴロウ)がお伝えしました。
それではまた。