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メガネだけでも真似していいですか?
直接お目にかかったことはないけれど、教授こと坂本龍一さんのファン歴は50年近くになります。出会いはYMOのアルバム「Public Pressure」でした。
コンピューターゲームの効果音や今まで聴いたことのないシンセサイザーを曲中に埋め込む斬新さに、当時小学生だった僕は強力なマインドコントロールを受けました。その後、成長と共にジャズフュージョンからHR/HMへと音楽の嗜好が変化してもYMOは特別な存在で彼らの楽曲に魅了され続けているんです。
それでも最初はRYDEENやTECHNO POLICEといった彼らの作品の中でも比較的キャッチーな楽曲が好きで、教授のアルバム「Thousand Knives」を聴いてもピンと来なかったと記憶しています。
しかしその後の教授は、皆さんも知るとおり「戦メリ」「ラストエンペラー」への出演やサントラを手がけたり、バルセロナ五輪の開会式をプロデュースするなどの世界的な大活躍をされ、僕も「この人はハンパねぇ」と強い憧れを抱くようになっていったのです。
それは音楽だけでなく、ファッションやメガネ(アイキャッチの写真)に至るまで「存在の全て」と言えます。
僕も教授が亡くなった歳まで生きられたら、晩年の彼のように「美しく」ありたいですね。
さて今日は仕事中に聴いていたFM「J-WAVE」の放送で「Arts Council Tokyo」のポッドキャストを知り、過去回で東京都現代美術館で開催中の企画展「坂本龍一|音を視る 時を聴く」を紹介する放送を聴きました。キュレーター 難波裕子さんと教授とのエピソードを伺って、もうこれは行くしかない!と、さっそくチケットを取りました。
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「坂本龍一展|音を視る 時を聴く」
ポスター
そして午後からは教授のアルバム「Oups」を何度も聴いています。一見シュールな感じがするピアノ曲の奥にあるものすごい「熱量」と「情感」が理解出来たように思いました。自分の命が今すぐにでも尽き果ててしまうか分からない中での作品だからこそ、火花が散るほどの生命力を感じるんだろうと。どの曲も素晴らしいですが、とくに「andata」は迫りくる迫力が凄まじく、何回聴いても涙が止まりません。
僕は音楽を聴くのも文章を書くのも好きですが、どう足掻いても教授には近付くのはまず無理でしょう。だけどせめて「メガネ」だけは真似をさせていただき、これからも偉大な人の背中を見つめ続けようと思っています。
それではまた。
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