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追悼 松岡享子先生 子どもの育ちに寄り添う

凛とした季節に旅立っていかれた松岡享子先生
先生のお話しから人生最大の贈り物をいただきました。心から大切にしていきます。ありがとうございました。

赤ちゃんを授かったとき、育児がつらいとき、子育てって大変と思うとき、ハリール・ジブランの詩が寄り添ってくれます

この詩は、子どもが幼児のとき「東京子ども図書館」の松岡享子先生の講演で教えていただき、その詩の本質に気づきをいただきました。

子どもを私物化していないか、彼らを尊重しているのか自問自答することは大事です

とはいっても、育ちに寄り添うことは大変です

心が揺れるときこそ、詩に思いを馳せ、

せめて、子どもたちが、今日を終えようとしているとき、安心して眠れるように 彼らに「温かいまなざし」をそそげたらと思います。


「子ども」

赤ん坊を抱いた一人の女がいった

どうぞ子どもたちの話をしてください

(それで預言者は言った)


あなたがたの子どもたちは

あなたがたのものではない

彼らは生命そのものの

あこがれの息子や娘である

彼らはあなたがたを通して生まれてくるけれども

あなたがたから生じたものではない・・

あなたがたは彼らに愛情を与えうるが

あなたがたの考えを与えることはできない

なぜなら彼らは自分自身の考えを持っているから

あなたがたは彼らのからだを宿すことはできるが

彼らの魂を宿すことはできない

なぜなら彼らの魂は

明日の家に住んでいるから

あなたがたは彼らのようになろうと努めうるが

彼らに自分のようにならせようとしてはならない

なぜなら生命はうしろへ退くことはなく

いつまでも昨日のところに

うろうろ ぐずぐず してはいないのだ

あなたがたは弓のようなもの

その弓からあなたがたの子どもたちは

生きた矢のように射られて 前へ放たれる

射るものは永遠の道の上に的をみさだめて

力いっぱいあなたがたの身をしなわせ

その矢が速く遠くとび行くように力をつくす

射る者の手によって

身をしなわせられることをよろこびなさい

射る者はとび行く矢を愛すると同じように

じっとしている弓をも愛しているのだから

―ハリール・ジブラーン「預言者」より

神谷美恵子「こころの旅」みすず書房

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