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あの世で「仏様一年目のペーペー」になった私の上司

今日は元上司の四十九日の法要でした。

6年ぶりの再会がこんな形になるなんて。

もう二度と会えないと思うと、寂しくて悔しくて、涙があふれてしまいました。

しかし、当時の職場の人たちとの再会はうれしく、会話もはずみました。

にぎやかな場所が好きだった上司。

もしかしたら、すぐ隣でニコニコと満足そうに、我々の再会を喜んでいたのかもしれません。

導師どうしさんはお経を唱え終わると、静かに私たちにお話をして下さいました。

故人の魂は「月」のようなもの。
月は、普段意識することはないが、いつもそこにある。

雲に隠れて見えなかったり、満ち欠けして姿が変わることもあるが、月そのものは変わらずずっとそこにある。

我々の心は、月を映す水面であれ。

心穏やかに努めていれば、きれいに月を映すことができる。
ざわついて波風のたった水面では、月はうまく映らない。

故人はこれから仏様になるが、まだ「なりたて」です。

なので、故人とお話したいときは、しっかりと心の中で故人の名前を言いましょう。

故人にあなたの声が聞こえるよう、静かで穏やかな水面でいるよう努めてください。

導師とは、法要を執り行う位の高い僧侶のことです。

そうか。

私の上司は、これから「あの世に就職する新卒社員」になるのか。

何でも知っていて頼りになる上司でした。

いつも穏やかで冷静。

熱血仕事人間でした。
「お客様の利益を守る」という信念は一度もまげたことのない人でした。

そんな上司が、あの世では駆け出しの仏様、ペーペーなんだ!

なんだか、笑える。

きっとすぐにあの世でも活躍して、頼りにされるのだろうな。

できるならば、生きているうちにもう一度 会いたかったです。


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