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サッカー界よ、明日は我が身だと気づいてくれ。

はじめに 誹謗中傷による死

5月23日、ネット上の誹謗中傷により1人の未来ある若手アスリート(芸能人)が亡くなった。リアリティショーでの言動について中傷する言葉を送りつけられ、精神を傷つけられたことが原因とされている。
彼女が最後に投稿した愛猫との写真を見て、あまりの虚しさと悲しさに涙が溢れ、怒りに拳が震えた。

韓国を例に幾度となく指摘されてきたSNSの闇が、ついに日本でも牙を剥いてしまった。何者でもない凡人たちの悪意が、有望なエンターテイナーを殺してしまった。信じたくないが、これは現実だ。

サッカー界との関連性

そして、この許し難き"殺人事件"は、サッカー界にとっても他人事ではない。俗な言い方をすれば、超ダイレクトに響く問題だ。

知っての通り、サッカー界隈は誹謗中傷で溢れている。亡くなった彼女に送られた誹謗中傷にも引けを取らない悪質なものが、当たり前のように人から人へと送りつけられている。

僕のような素人に限らず、選手やチーム公式もしょっちゅう標的になっている。「死ね」「カス」「やめちまえ」「お前はサイコ野郎だよ」「アカウント消せ」
あまりの幼稚さ、醜さ、酷さに、呆れてものも言えない。

いつ犠牲者が…

率直に言わせてもらうと、コロナ禍で皆のメンタルが疲れている今、いつサッカー界から犠牲者が出てもおかしくないと思う。選手、チームスタッフ、数々のインフルエンサーたち… もちろん、僕という可能性も捨てきれない。(僕は誹謗中傷に関係なく危ないが)

サッカー選手の4割がうつ症状や不安障害を抱えているとのデータもある。スタジアムやネットでの誹謗中傷は間違いなく大きな原因の一つだろう。

だからこそ、サッカー界は今回の悲劇を「他人事」と放置せず、明日は我が身だと認識し、誹謗中傷に対する姿勢を本格的に改める必要がある。そう僕は考える。

なぜ、人種差別だけ特別扱いするのか

Jリーグは、人種差別に対しては強硬な姿勢を示している。が、ハッキリ言って全然足りない。
確かに人種差別は言語道断の非人道的行為だが、人種差別だけが特別扱いされていることには違和感を覚える。人種差別でなくても選手を深く傷つける誹謗中傷は山ほどある。毎週のように選手やチームのアカウントに送り付けられる誹謗中傷を見れば、人種差別と大差ないと誰もが感じるだろう。
なのになぜ、人種差別だけを厳しく処罰するのか。選手を守るためではなく、所詮は対外的なアピールのために処罰しているのではないか。そう考えてしまう。
人種差別でなければ何を送りつけても見過ごされ、大ごとにならない現状が歯痒い。サッカー界は、人種差別以外の誹謗中傷に対する姿勢を改める必要があるのではないか。

我々素人にできること

このような提言をすると、「それはそうだがJFAとJリーグに任せておけ」「我々素人が何を言っても無駄だ」と冷めたことを言う人がいる。彼らは何かやましいことがあるから反対するのだろうか…?

それはさておき、素人の行動や心がけは決して無駄ではない。素人なりにできることはある。具体的には、

誹謗中傷する人間に共感しない
関わらない
賛同しない
粛々と報告する
「誹謗中傷=絶対悪」との共通認識を持つ

こうした対処を皆で心がけていけば、自然と誹謗中傷は減っていく。それでも誹謗中傷をやめられない人間もいるだろう。人を平気で傷つける人間は後を絶たない。
だが、この期に及んでも己を見つめ直せない人間は、いつか大きな問題を起こして裁判沙汰になり、痛い目に遭うと思う。これからの日本は、そういう世の中になっていくはずだ。

JFAやJリーグの対処だけでは限界がある。この界隈を根本から改善するには、我々素人サッカーファンによる自浄作用が不可欠だと思う。

批判と誹謗中傷

よく言われている話だが、批判と誹謗中傷は別物だ。詳しくはトイアンナさんのブログがわかりやすい。https://toianna.hatenablog.com/entry/2020/05/24/155225
就活でお世話になった人も多いだろう。

無論、批判も言い方次第では誹謗中傷になりかねない。どれだけ理路整然と事実を突きつけても、言い方があまりに酷いせいで相手が傷つけば「誹謗中傷」とされても仕方ないと思う。
なので、例え批判をする場合でも、人に対して過激な言葉を使うのはなるべく避けたいところ。タメ口は論外だ。いつでも、他者に攻撃的な人間は嫌われるものだ。

おわりに

我々はこの世界を少しでも楽しむためにサッカーを観て、共通の趣味を持つ人たちとSNSで繋がっている。
楽しませてくれるプロフェッショナルたちに暴言を吐くのは言語道断だし、せっかく出会ったサッカーファンたちと盛り上がるある種の「現実逃避の場」を「現実での鬱憤を晴らす場」にするのもおかしな話だ。

楽しむために始めたSNSを、現実社会よりも過酷なイライラする世界にしてはいけない。誹謗中傷で人を傷つけ、サッカー界に影を落とす人間を決して許してはいけない。
今回の悲劇を機に、遊び半分ではなく本気で、この深刻な問題と向き合う人が増えてくれることを願う。

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