ファッションは人生を楽しませる
それは、幼少時から始まっていた。
一人で家で遊ぶのが好きな女の子だった。
今でもあるのだろうか、厚手の紙で出来た女の子や服やバッグを切り取り着せ替え人形として遊んだり。
クーピーやクレヨン、鮮やかな色鉛筆を使って塗り絵をしたり。
そしてリカちゃん人形やバービー人形も大好きだった。
服を着せ替えては、楽しんでいた。
小学校時代から8歳離れた兄にも触発され、雑誌を見て洋服もその頃から好きだった。中学生になると、1時間離れた街まで繰り出して親と洋服を買いに行った。
高校生では、服を買う為にバイトしお金が貯まったら東京に日帰りで服を買いに出掛けていた。
自然に、進路は服飾の専門学校を目指した。
親には大反対された。
「県内の大学か、せめて短大にしてくれ。」と。
何とか説得し、私は無事に東京の文化服装学院に入学出来た。
上京してから、更にファッションが身近になり沢山勉強した。
買い物は月何万と決め、食費を削って買っていた。
そんな中当時、男性の同級生が着ていた服があまりにも衝撃的だった。
NOZOMI ISHIGUROノゾミ イシグロ
ノゾミ イシグロについて
ノゾミ イシグロは日本のファッションブランド。主にウィメンズウェアを展開している。石黒望(Nozomi Ishiguro)は1964年生まれ。桑沢デザイン研究所でドレスデザインを学び卒業。コム デ ギャルソンに入社。トリコ・コムデギャルソン、ジュンヤワタナベなどのブランドにアシスタントデザイナーとして携わる。
そう。毎月ノゾミイシグロの服を買う為に渋谷のセレクトショップに通った。
そして、通い出して1年が経ったある日ショップスタッフさんからこう言われた。
「ノゾミイシグロのショーに出ない?今日!」
「今日??! えっ、出ます!」
どうやら、南青山の小さなイベントハウスで行うファッションショーのモデルさんが一人出れなくなったらしい。こんな嬉しい事があるだろうか。
本番は、ボロボロとした布が顔に垂れる様な帽子を被った為に顔は分からなかった。
だがそんな事より、大好きな服を着てランウェー出来る事が震えるほど嬉しかった。
こんな事は、服が好きじゃなかったら経験出来なかった。
ファッションは人生を楽しませる
そして、そんな私はアパレルスタッフだ。
もう12年目になった。
途中、職を変えた事もあったが。
これからもずっと、服に携わっていきたい。
最後に私の中でこの映画に出会って、アパレルを仕事にしようと思った。これを観た時、自分の夢に向き合う事について何とも言えない絶望感と不思議にやる気を出させてくれた。
これから、進路を決める人。
社会人になって夢を諦めてしまった人。
自分の進むべき道が分からなくなってしまった人。
アパレルに興味がある方は、特にお勧めの一本です。
『GO』で日本アカデミー賞最優秀監督賞に輝いた行定勲が放つ青春映画。コムデギャルソンに勤め、文化服装学院で教鞭をとっていた経験を持つ鈴木清剛の三島由紀夫賞受賞作を原作に、夢に向かう若者たちの喜びと苦悩を描き出している。主演は『スペーストラベラーズ』の池内博之と『ハッシュ!』の加瀬亮。また、紅一点として好演を見せる元モデルの美人女優・りょう、『GO』の脚本家・宮藤官九郎、ミュージシャンのSUGIZOら共演陣のひとクセある顔触れも魅力だ。
あらすじ
冴えない毎日を送る会社員の賢司は、デザイナーズ・ブランドを立ち上げようとしている高校の同級生・凌一と出会う。後日、賢司はふと凌一の部屋を訪問する。そこには凌一の他に専門学校の教師をしている椿とロンドン帰りのカツオがいた。賢司は3人と一緒にブランド名を考える。最終的に“ストロボラッシュ”に決まり、盛り上がる3人。それを見て賢司は羨ましく思うのだった。しかし、凌一ら3人もそれぞれ不安を抱えていた。やがて、上司との諍いから会社を辞めた賢司が仲間に加わる。賢司は夢を持って毎日を過ごすことに充実感を覚えるのだったが……。
こんな時代、服はただ着る事が出来ればいい。
外出は減ったし誰にも見せる予定もないのだから、新しい服を買う意味はない。
毎日厳しい日々、いい服なんて買ってられない。
誰も間違っていない。価値観も人それぞれだと思う。
ファッションで、明るくなる。
ファッションは、自信になる。
ファッションを味方に楽しもう。
こんな時代だからこそ、ファッションの力をほんの少しだけ信じてみて欲しい。