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ネット上に誹謗中傷した投稿者特定にかかった費用は請求できる?支払いが命じられたケースも!

2021年6月2日のニュースで、ネットの誹謗中傷を行った投稿者に対して、その投稿者を特定するためにかかった費用を全額支払うように裁判所が命じたことが報じられました。これまでとは異なる画期的な判決で、今後は今回と同じように投稿者特定費用の実費の請求が認められるようになることが期待されます。

この記事では、判決内容を紹介しながら、悪質な書き込みの投稿者特定にかかった費用を請求する方法を詳しく解説していきます。費用面を気にしてネット上の中傷に対して断固たる対策を講じることができずにいる方は、ぜひ参考にしてください。

投稿者に対して特定費用の支払いが命じられた裁判の概要

冒頭に紹介した裁判は、ネット上の誹謗中傷に対し損害賠償を求めた事件です。一審段階では、投稿者特定の費用の支払いは3万円しか認められませんでした。勝ち取った損害賠償の額よりも、裁判のためにかかった費用の方がはるかに大きくなるバランスの悪い判決でした。

それは損害賠償の額が30万円だったことと関係します。一般的に弁護士費用は賠償額の1割程度が認められるのですが、書き込みした人を特定するための費用も同等のものとして扱われたのです。

しかし、今回の高裁の判決は投稿者を特定する手続きの複雑さを認識し、投稿者に対してその費用を弁護士費用まで含めた全額支払うよう命じたというわけです。

特定費用の請求が認められないケースが多いのが実情

特定費用の全額支払いが命じられた判例ができたとはいえ、まだまだすべてのケースで同じような判決が出ているわけではありません。今回のような判決があっても、実際にかかった費用の一部しか認められないのが現在の状況です。

とはいえ、このような判例ができたことで、今後は、投稿者特定にかかった費用を全額取り戻せるケースが増えるものと期待できます。

ネット上で誹謗中傷した人を特定する費用の負担を懸念して法的処置を講じることができないと悩んでいる方は、弁護士に相談してみてください。具体的で実行可能な解決方法を提案してくれます。

ネット上の誹謗中傷に苦しんでいる方は、弁護士に相談するのがおすすめ

ネット上に書き込まれた誹謗中傷を解決したいなら、弁護士に相談するのがおすすめです。裁判所も認めるように、誹謗中傷をした人を特定するには「複雑な手続きをログが消える前に行う必要がある」ため、法律の知識が全くない状態では簡単にはできません。

投稿者特定にかかった費用を実費で投稿者に負担させる判決が出た現在、積極的に弁護士の力を借りることをおすすめします。

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