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秋になると


いつまでもツクツクボウシの声がして、夕方には草むらから涼し気な虫の声がしていた。家に帰るとじっとり汗をかいている。そんな日がいつまで続くかと思ったら、突然寒い朝が来た。つるべ落としってこんなことじゃなかったはず。いや、これ秋じゃなくて冬じゃないか。急いで長袖をひっぱりだした。

いつまでも夏と思っていたけど、店にはしっかり秋の味覚が並んでいる。きのこやさつまいも、れんこん、銀杏、里芋とおいしそうな秋の味覚。今宵は何を作ろうかワクワクする。

だがしかし、それらのおいしそうな秋の味覚を楽しむ前に私の秋が来たよ儀式に必要なものがある。

私が秋になると必ず食べたいもの。息子の月やおとさんが喜ばないことは百も承知。だが私は食べねば、作らねばおさまらぬ。

秋を告げる食べ物その1

栗ごはん

月もおとさんも白いご飯が好きで、ご飯に余計な物は入れてくれるなという感じ。仕方がないのでおとさんがいない夜、栗ごはんを喜んでくれる実家で栗ごはんを炊く。月には白いご飯。おとさんは栗をむいている私にぼくの分は持って帰らなくていいよと念を押していった。はいよ。私が全部いただきます。

秋を告げる食べ物その2.

栗の渋皮煮。

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熱湯にしばらくつけておけば鬼皮はスルリとむけるので渋皮煮を作る方が好きなのだ。渋皮をむくと栗の実が渋皮と一緒にすてられることになるのがもったいないというケチというか貧乏性というかくいしんぼうというか。渋皮栗をゆでて筋を取るのも気持ちがいい。甘さ控えめに煮た渋皮栗はコーヒーのお伴だったり、煎茶の横にちょこんと一粒だったりする。

秋を告げる食べ物その3.

紅玉りんご

ふじやきおうや秋映えといろいろなりんごが出回るけれど、紅玉りんごを食べないとりんごを食べた気がしない。期間も短くなかなか店に並ばないので見つけるとつい買ってしまう。そのままちょtっぴり酸味を感じて食べる。むいた皮はアップルティーに。

ほんのひとつまみの塩をふって弱火で煮たのもまたおいしい。

そんな秋を告げる食べ物が今日は我が家にあったので、いただいた切れはしカステラと冷凍庫のパイシートで気まぐれおやつ。

カステラにブランデーをしみこませて渋皮栗をのせてパイで包んだのと、月にはカステラにりんごをのせてパイで包んだのを作る。パイの焼ける香りでお腹がすいてくる。寒い夜にあたたか~い飲み物を用意して、月の話を聞きながらホカホカ過ごすのだ。

秋の夜長に好きな本の話もできたらいいな。

ああ今宵は満月だ。お月様の話でもしようか。我が家の月と。






#秋の味覚レシピ

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