大人の女が美しい 隠す編
雑誌の袋とじはいつだって魅力的だ。何があるのか、どうなっているか。ワクワクというよりドキドキする。それを人に見られてはいけない気がする。見えないから見たい、隠れているからこそ興味を掻き立てられる。手が届かないから欲してしまう。人間の心理とはそういうものなのだろう。
今回のタイトル、友人からのリクエストだ。彼女、この秋冬は「色気のある人になること」が目標らしい。なるほど、色気のある人。様々な定義があるだろけれど、今回はしっとりとした色気ということで考えてみる。
しっとり。まず思いつくのは湿度の高さ、みずみずしさ。だからこそつやがあって透明感がある。清潔感、知性、品性、たおやかさ。ハリ、やわらかさ、しなやかさ。上品で軽やか。そして引力。そう、引力がある人。時間で言えば夜。太陽より月。満月よりは三日月。だろうか。
秘めた美しさ。神秘性。どこか陰りのある美しさ。色で言えば原色ではなくライトグレイッシュトーン。にじみ出てしまう美しさ。まるで後光のよう。奥行きがある美しさ。圧倒されてしまう。心を奪われてしまうほどの美しさ。
そういったものを多く持つ人がしっとりとした色気を持つ人なのではないだろうか。
ではそういった人になるには?
多くを語らないこと、これに尽きる。つまり、「隠す」のだ。
想像させること、余韻をもたせること。だから満月ではなく三日月なのだ。
笑顔ではなく微笑み。自分が主役ではなく相手を主役にさせること。そのために話しやすい雰囲気を作ること。相づち、うなづき、アイコンタクト。相手の話に被せず最後まで聞くこと。意見を求められるまで自分語りをしないこと。大声で話さないこと。香りをまとうこと。触れたくなるような肌に磨くこと。五感に響くような印象であること。そしてもう一度会いたいと思わせる印象があること。
これら全てを満たすのは困難かもしれないが、周りに一人はいるはずだ。印象的な人。それが色気のある人だ。まずはその人をよく観察し真似をすることからはじめよう。
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