大人の男が美しい 男の友情編
もし友情を定義するならば、こう答えたい。
「尊敬の念を抱き刺激を与えられる関係」
友情というのは、感覚的に近く尚かつ違う存在に抱くものだと思っている。自分の知らないことを知っている人は単純に尊敬出来るし、実際、興味を抱く分野は同じであろうと好きなものが少し違う方が魅力的だ。そして意外と肝心なのが「悪巧みを出来るかどうか」。
昨夜、いつものバーにいた。3時を過ぎた頃だろうか。案の定最後は私一人になった(それは私が近所だからであって夜更かしをする悪い子だからではない)。するとそこに一人の男性が現れた。マスターはその車だけで誰が来たかを言い当てニヤリと笑った。
私は時々相槌を打ちながら二人の会話を聞く。二人の会話をここに書くことは出来ないけれど(相当の悪巧みだから)、飲食という共通点があり、それぞれ男の中の男であり、励まし合い、尊敬し合い、会うと刺激を貰える関係だというのが会話の節々から伝わって来た。興奮して大声で笑いとても盛り上がっていた。
彼らはお互いの私生活には踏み込まない。男女を区別するのは不躾なことだけれど、これが男の友情の形だなのだろう。女性同士はもっと私生活のことを話し合い、相談し合い、愚痴を言い合い乗り越えていく感じだ。それに対し男同士は違う。尊敬や信頼が全面に溢れていて刺激し合う。そして競い合う。野望や悪巧みを共有してガハハと笑い合う。まるでチーマー!
車で来ていたその人はジュースを飲んで颯爽と帰って行った。マスターと私は見送る。そしてマスターはその人の背中を見ながら一言。
「負けてらんねぇな」
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