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JR線 横須賀線 東京駅

今、ただならぬニュースが流れている。SNSで知り合った男女のニュースだ。恐くて取り上げたくないけれど、私もたびたびSNSで男女関わらず会ったことがあるので他人事とは思えない。

その人と知り合ったのは、今や懐かしいmixi。彼が私のサムネイルを見て男性だと勘違いをして友達申請をして来た。その時のサムネイルは上記の写真、だまし絵だった。鏡台の前に座る女性とスカルが一緒に見えるもの。ユニークなものが好きな私はそんなものをサムネイルにしていた。

流石に知らない人からの友達申請は恐くて、半年ほど放置していたしすっかり忘れていた。ある時酔っ払って帰って来た時にふと思い出し、興味半分でその友達申請を受諾した。それから二人のメッセージは1年半ほど続いた。

一つ上の彼。アーティストだった。絵を描いていた。二人共若かっし、二人共バカだった。彼は私のことを姫とか子猫ちゃん呼んで甘やかしていた。今でも友達は私のことを子猫ちゃんと呼ぶ。それは彼がキッカケだ。それに私はiPhoneにケースを付けない。それも彼の受け売りだ。

映画館で映画を見ずにキスばかりしているデートなど初めてだったし、彼は初めてのことをたくさんくれた。お揃いの香水も嬉しかった。アニックグタールのマンドラゴール。私にも彼にもよく似合った。私は彼の襟足も涙ボクロも大きな手もお酒を酔うとすぐにピンク色になる頬も全てがたまらなく好きで、好きで、好きで。

東京駅丸の内側の横須賀線に乗る時、たびたび彼のことを思い出す。もう二度と会わないけれど、会えないけれど。心に残る人。クリスマスに終電で会いに来るような、ロマンチストな絵描きのことを。

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