手相学の真意〜覇王線〜

手相学の探求を続けていると、とある疑問が浮かび上がります。

多くの手相占いの本で語られていることは、本当なのだろうか。
仮に本当だとしたら、その根拠はどこにあるのだろうか。

それらの疑問解決へのヒントを与えてくれたのは、Amazonで取り寄せた数々の洋書です。

今日は吉相と言われる「覇王線」のお話です。

覇王線とはどんな線？

覇王線と呼ばれる吉相があります。東洋手相では三奇線とか三奇紋と言われます。
市販されている手相占いの本やインターネット情報によると

成功の証　億万長者の相　最高の金運線

と奉られています（笑）

そもそも覇王とはどんな人かというと・・・
　１. 武力や権謀で王になった人。諸侯を制御して天下を治める人
　２. 覇者。王者。

覇王線を持っている人は、幸運が舞い降りてくるかのように、将来、王者となり、天下を取る人物なのでしょうか？あるいは王者となる運命のレールを敷かれた人なのでしょうか？

手相学でいう覇王線とは、扇型に伸びる３本の線を意味します。

覇王線を形成しているのは、以下の3本の線です。

　１）運命線（中指の付け根に向かう線）
　２）太陽線（薬指の付け根に向かう線）
　　　＊幸運線・金運線と名付けている人もいます。
　３）財運線（小指の付け根に向かう線）
　　　＊本来は水星線と言います。

手相学が辿ってきた歴史背景と手を読む技術から覇王線が真に何を教えてくれているのかを考えてみましょう。

歴史背景から探る

多くの文献には、手相占いの歴史は古く、発祥の地はインドでその起源は紀元前（約5000年前）と記されていますが、その信ぴょう性は明確ではありません。
一方、現在日本で行われている所謂「手相占い」は、明治維新以降渡来した西洋手相術で、西洋（欧州）で発展したものです。

西洋手相術の基本は手のひらに配置された惑星エネルギーを理解すること。この惑星とは、古典占星術で用いられる７つ（土星・木星・火星・太陽・金星・水星・月）であり、現代の天文学的なそれとは異なります。（太陽や月は天文学的には惑星ではありませんね）

古典占星術の発祥の地はカルディア地方（現在の中東、ペルシャ湾付近）とされています。そこからギリシャ〜ローマを経て欧州に伝えられてきました。それぞれの惑星にはギリシャやローマ神話の神々が宿っているとリーディングするのが占星術。上述のように手相と占星術は密接に繋がっていることから、手相も同じ場所が発祥の地で同じ経路を辿って伝承されてきたのでは？と考えています。

この発展経緯から見えてくるのは、根底に古代ギリシャ哲学があるということ。古代ギリシャ哲学の思想「いかに生きるべきか」が占星術や手相術のベースなのです。

このような歴史背景を考えると、古代の人たちは、お金持ち・億万長者になることを望んでいたのか？という疑問がでてきます。

人生の成功者＝人生の覇者＝神に近づく悟りを得る豊かな人生

西洋手相学の海外の文献（特に人生哲学を語っている比較的古い文献）には「財運線」（例えば、Money line とか Financial line）という記述が見当たりません。私が調べた限り、東洋手相でも財運線という名の線は元々なかったようです。

先人たちが目指したのは、現実的な金運やお金持ちになるという概念はなく、人間的な成長を遂げ、精神性を高める豊かな人生だったのではないでしょうか。

自分で創る覇王線

上述したように、覇王線を形成しているのは、運命線・太陽線・財運線（水星線）です。

運命線は、人生の軌跡であり生きる意欲の線。
太陽線は、頑張って生きてきた証の線。
３つ目の財運線は、財運が良い？本来「水星線」と言われる線で、財のみを見る線ではありませんが、財に関わる線でもあります。

この3本が出ていたら、なんとなく王者になれるような気がするのは確かですね。

この写真は、40歳後半（2012年）と50歳（2015年）の同一人物の手の写真です。2012年にははっきりと出ていない３本の線が、2015年にはしっかりと覇王線が完成しています。小指も少し大きく変化しているのがお分かりでしょうか。

生き方を変えると良い線が出てきます。今、あなたの手に覇王線が現れていなくても案じることはありません。生き方を変えること、上手に生きると現れる相なのです。覇王線は持っているだけで幸せになれる単なる幸運の証ではないのですから。

根底にある惑星エネルギー

水星、太陽・・・など、手のひらには惑星の名が与えられています。実際、西洋手相術は、西洋占星術と密接に関係し、ともに古くから伝えられてきました。

手相学を深めるために学び始めたのが古典的と言われるホラリー占星術でした。７つの惑星のみを使って読むホラリー占星術。手のひらにある７つの惑星。占星術的な惑星の意味を知ることで、手のひらにある惑星エネルギーの真意を探ることができました。

７惑星の真意を知ると、手相術と占星術が面白いくらい密接に関係していることがわかります。そしてどのようにすれば自分の手に覇王線をつくることができるのか、そのヒントを得ることができます。

手相術には良い相と言われるものがいくつかありますが、それらは自分でつくることができます。そして、良い線が出て良い相になったら、豊かな人生へ確実に歩美を進めている証なのです。