「小さな一歩が大きく未来を変える」-孤独、不登校を乗り越え、この世に”生きる意味”を見つけた。
あなたは、人と一緒にいても、”寂しさ”や”孤独”を感じたことは、ありますか。
今回、インタビューを受けてくれたのは、関東の定時制高校に通う17歳のりんと。彼のこれまでの人生と、ハッシャダイソーシャルとの出逢いを通して変化した自分について、話を聞かせてもらいました。
学校、家族、ネット.... そんな世界を生きる中で、自分の生きる意味や存在価値を見出したかったりんと。そんな彼がふと出逢った、彼自身が輝ける居場所とは。
「Choose Your Life Story」では、ハッシャダイソーシャルに出会って、一歩踏み出した若者たちのリアルな声や感情をお届けします。
*1) 3カ月のオンラインプログラム「BASE CAMP」は、ハッシャダイソーシャルが運営する新しい仲間や大人と出会いながら、自分の人生をデザインしていくオンラインの学校です。
【BASE CAMPの詳細ページはこちら】
失敗するくらいなら、やらない方がマシ。
-BASE CAMPに参加する前の自分を、客観的に見たときにどんな自分だったと思う?
今まで自分がやったことない物事に対しては、進んで挑戦しない、そんな“頑張れない“自分だったと思います。挑戦して失敗する姿を、周りの人に見られたくなくて、「僕できるから」と意地張って、強がっていました。もともと、小さいころから勉強もスポーツも要領よく”できちゃう子”だったんです。
-そうだったんだ。そんな自分に対して、どう思っていたの?
「自分、いる意味ないじゃん」と思っていました。
“すごい大人“を見て、憧れはするけど、自分は行動せずにただ見てるだけだったから、自分の存在意義を感じることができなかったんです。
誰の役にも立てない、何も動けない。その場の楽しいことだけ考えて、変化のない日々の繰り返し。そんな自分自身が、“生きる意味”を感じられず、勉強や学校に対して、投げやりになっていた時期もありました。
先生たちも、僕のためを思って、勉強や宿題について言ってくださるのは分かっていたはずなのに、いつの間にか「注意しなければならないから、注意している」のではないかと、疑ってしまう自分がいました。
“つまんない”
“頑張れない”
“やる意味が分からない”
毎日、浮かんでくるのはそんな“ネガティブな感情”ばかりで。気づけば、「学校に行きたくない」と思うようになりました。そんな当時は、苦しくてしんどかったです。
-“勉強“という一つのものさしで評価されたことで、自分の存在価値や学校に行く意味をだんだんと感じられなくなったんだね。学校に行けなくなった一番のきっかけって、あったりする?
中1の時に、学年主任と、もめてしまったことが一番の要因です。
この出来事が起こるまでは、自分の態度を注意する大人は、周りにいませんでした。だから、自分でも、学校で何をすることが良くて、何が悪いのかよくわからなかったんです。
母子家庭で父がおらず、男の人に怒られ慣れていないこともあってか、学年主任から頭ごなしに注意されることが、どうしても耐えきれませんでした。
この経験が自分の中ですごくトラウマというか。それ以来“男の人”が怖くなってしまい、3ヵ月学校に行けない日々が続きました。
孤独と寂しさを感じていた。そして、ネットの世界へ。
-そうだったんだね。答えてくれてありがとう。そんなときに心の支えになってくれるような存在はいた?
唯一自分の傍にいてくれたのは、姉ですね。母親は、僕が幼い頃から、女手1つで兄と姉と僕の3人を育てていて、昼も夜も働きっぱなしという生活をしていました。
なかなか家に帰ってくることも難しく、遅くまで仕事があるときは夜中まで連絡もすることができなくて、朝まで帰ってこれないような日もありました。
今となっては、家庭を必死に支えてくれた母親を心の底から尊敬しています。ですが、幼少期の自分にとって、誰かに傍にいてほしい時に母親がいなかったことが、気づかぬうちに、寂しさや孤独の感情を生み出していたように思います。
大好きな三浦さんと姉
そんな、”頼れる存在が家にいない”という家庭環境だったからこそ、一番気落ちしているときに自分の話を聞いてくれて、悩みを相談できる相手は、姉だけでした。
姉は自分にとって、何でも話せるし困ったときにアドバイスをくれる“母親的な存在“でしたね。でも、姉にもプライベートがあり、ずっと一緒にいるわけではなかったです。
身近な誰かにすぐに助けを求めることができず、「強くあろう」と思ってたからこそ、寂しさや孤独を紛らわすために、”ネットの世界”に飛びこみました。
配信アプリやゲーム、チャットといった“非現実な世界“で出逢う人たちは、どんなに自分が見せたくない姿を見せても離れていかない。気づけば、それは、自分の生活の大半を占めるようになりました。
これまで、自分の存在価値を感じられず、誰の役にも立てないと苦しんでいた僕にとって、ゲームは楽しいし、やった分だけ成果を出せます。だからこそ、ここは自分が自分でいられる場所であり、必要とされている場所だと思えたんだと思います。
”動けなかった自分”のからだが、勝手に動いた瞬間。
-りんとにとっての心の拠り所は、お姉ちゃんの存在とネットの世界だったんだね。ここまで聞くと、BASE CAMPとは無縁な生活に思えるけど、ハッシャダイソーシャルにはどうやって出会って、なぜBASE CAMPに参加しようと思ったの?
たまたま、ハッシャダイソーシャルの三浦さんが僕の学校に講演しに来てくださったのがきっかけです。高校1年生の10月頃だったと思います。
世界を旅する話や、自分で人生を切り開いてきた話を、たくさん聞かせて頂きました。講演会で話を聞くまでは、学校・家・ネットの世界しか知らなかったからこそ、三浦さんの話にはこれまで見たことのない景色が広がっていました。好奇心が掻き立てられ、わくわくする感覚がありましたね。
僕は講演後、三浦さんに話しかけたくて仕方がなかったのですが、最初は勇気が出なくて。僕たちがホームルームをしている間に、三浦さんは先に帰ってしまっていました。少し後悔しながら、最寄り駅へつくと、人身事故で電車が止まっていたんです。三浦さんもまだ帰れずに同じホームにいたんです。
その時の僕は「やばい、三浦さんがいる、どうしよう....!」って、焦って緊張していたのですが、勇気を振り絞って話しかけました。これまでの“動けなかった“僕からすれば考えられないくらい、大きなアクションでした。
もしこの時、違う電車だったり三浦さんが駅のホームにいなかったり、僕が勇気を振り絞って声を掛けなかったりしたのなら、僕がBASE CAMPに参加することはなかったと思います。
-BASE CAMPの参加前からドラマがある…!これって、結構すごいことだと思う。小学生や中学生の頃のりんとだったらできなかったことだよね。「自分できるし」って強がってたりんととは思えない。
そうですよね。なんかよくわからないけど、その時、体が勝手に動いたんです。笑
話を聞いて、心の底から「おもしれえええええ!」って思えたし、声を掛けなければ後悔してしまうと感じたんでしょうね。そこから、三浦さんといろいろな話をする中で、オンラインスクールで3ヶ月間頑張ることを決めました。
BASE CAMPリーダーの拓海さんとの写真。
”正解のない”ことに初めて挑んだ3ヶ月間
-この出会いで、りんとの人生がまた大きく動き始めたんだね!りんとが、BASE CAMPの3ヵ月で印象に残ってること教えてほしいな。最年少にも関わらず、最初から最後までモチベーション高く、みんなをリードする姿が印象的だったんだけど、実際はどうだったの?
はじめは、やったことがないことをやってみることや、初めて出会う人たちと時間を共に過ごすことに対して、漠然とした“不安”がありましたね。
尊敬する三浦さんの存在があったし、講演会で話を聞いて心の底からわくわくして、完全に心に火をつけられたからこそ、「最後までやってやろう!」って思えましたね。
これまで新しいことにチャレンジしてこなかったからこぞ、BASE CAMPのワークに取り組むことは、正直初めは全然慣れなかったです。勉強のように答えがあるわけでも、スポーツやゲームのように勝ち負けがあるわけでもない。そんな正解のないことに取り組む時間は不安との戦いでした。
また、これまで強がって周りを信じきれない自分もいたからこそ、人への頼り方も分からず、上手くワークや自分との対話が進まないことに焦りを感じていましたね。
そんな時、同じ2期生の参加者が、悩んでいる僕を見て「このままのりんとでいいんだよ」と優しく言葉を掛けてくれたんです。
出来ないことに対して否定せずに受け止めてくれて、出来るにはどうすればいいか一緒に考えてくれるそんな存在がこれまでいなかったからこそ、それは新鮮で、僕にとって大きなパワーになりました。
そして、自分が気落ちしているときに、ネガティブをポジティブに変えてくれる大人が周りにはいてくれました。
こうして同期や大人の方々が、僕の全てを受け止めてくれたからこそ、自分が重く捉えてしまっていた悩みも、「なんでこんな小さなことで悩んでるんだろう」とポジティブに捉えられるようになりました。
どんな自分も受け止めてくれて肯定してくれる仲間。
悩んだとき・壁にぶつかったときに一緒に考えてくれる仲間。
そんな存在が僕の心の支えとなっていました。
そして、いつしか、このBASE CAMPは僕にとって、ゲームの世界でも、家や学校など決められた世界だけではなく、いま、この広い世界を生きていくための一つの理由にもなったし、「自分がここにいていいんだ」と思える“心の拠り所”にまでなりました。
BASE CAMP出会った、大切な沢山の仲間たち。
ーそんな自分の心境の変化を客観的に見てみてどう思う?
これまでは、すごく寂しくて孤独で、自分が自分でいられる居場所を探し求めていたんだと思います。
「できないことは恥ずかしいことだ」と思いこんで、周りの人にネガティブな気持ちを多く言わずに強がっていたし、出来ないと思うことにはあえて手を出さずにいるような、難しい人間でした。
でも、この場所があったから、僕は人を頼れるようになったし、「自分ひとりで、どうにかしなければ」と思う気持ちが消えました。
できないことは正直に「できない」と言っていいし、困ったときや悩んだときは「助けて」と言っていい。3ヵ月を経て、心からそう思えています。
逆境を乗り越え見つけることができた、これからのじぶん。
-ありがとう。新しい気づきや変化を得られたのは、まぎれもなく、りんとがアクションを起こしたからだと思う。これからはどんな自分でありたい?
困っている人に向けて、自分の経験から何かを伝えられて、人に与えられる自分でありたいな、と思うようになりました
実際に自分のことを振り返ったり、色々な人と話してみたりして思うのは、”たくさんの人の支えのおかげで、今の自分がある”ということ。だからこそ、これからは自分が経験してきたこと活かして、人のためになりたい。そう、思えています。
そして、人との関わりの中で大切にしたい自分は、“ありのまま“の自分であること。自分にとって大切にしたい人を大切にして、そういった大切な存在を増やすためには、まずは自分が等身大であること、ありのままで真正面からその人にぶつかることが大切だと気づくことができました。
-最後に、これからオンラインスクールに参加する高校生や、この記事を呼んでくれる方へ向けて、メッセージをどうぞ。
可能性は誰にでもあります。だから、「今だ!」と思ったその時に実際に動いてみてほしいです。
僕も、三浦さんに出会って、勇気を振り絞って声をかけたことから、そう思えるようになりました。
そんな小さな一歩が、これからの人生を大きく変えるきっかけになる、と僕は思います。
あとがき
最後まで読んで頂きありがとうございました。
今回記事を担当した、ハッシャダイソーシャルのななみです。
りんとのこれまでの人生を振り返ってみたときに、一番印象深かったのは、彼自身とても孤独を感じながらそれでも強く在りたいと思っていたところ。自分自身が生きる意味や、自分の価値を感じられなかった過去は、とても寂しく苦しいものがあったことが、聞いていたわたしにも、ひしひしと伝わってきました。
BASE CAMPの中で頻繁に伝えているメッセージの中に「人生は、人との出逢いによってつくられる」というものがありますが、まさにりんともそうだったのではないでしょうか。
三浦さんという一人の人に出逢い、心動かされ、新しい世界に飛びこんでみた結果、“変えたかった“自分と“つまらない“日常を自分の手で変えることができたのです。
と同時に、りんとにとって輝ける場所を見つけたことは、これからの彼の背中を押してあげられる生きがいとなると思います。
初めから、自分自身が輝ける居場所を見つけることは簡単ではありませんが、まずは自分が“ありのまま“であることで自分自身が誰かにとっての居場所になれるかもしれない、と今回の記事を担当して、改めてりんとに教わりました。この文章が多くの人に届き、背中を押してくれることを願っています。
〈取材・文章=ハッシャダイソーシャル 三代菜々美/木村りさ〉
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【 BASE CAMP3期生・最終プレゼン一般公開について】
7月1日(木)20:30~22:30、りんとが所属していた第2期生に続き、第3期生の最終プレゼンが一般公開されます。
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