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赤黒プロギングから見たコンサドーレサポーターが持つ「越境」の可能性とは?

0.はじめに

この記事は北海道コンサドーレ札幌 Advent Calendar 2024に参加しています。アヤ(@aya_consa)さん、毎年本企画の運営、ありがとうございます!


まずは今年も多くの方に #コンサドーレユニラン部 にご参加ご興味をもって頂きまして、誠にありがとうございました。普段からのジョギングからはじまって、マラソン大会や団体参加などで赤と黒の縦縞ユニフォームを着て走る人が本当に多く増えたなと実感しています。

ホーム最終戦柏戦での集合写真。集まった人たちの多さにビビりましたが大変嬉しかったです。ありがとうございました!!

それがユニラン部によるものなのかどうかはわかりませんが、ともかくユニを着て走るという文化のようなものが根付いてきているのは、個人としてもとても嬉しいことです。

今回はそんな #コンサドーレユニラン部 で今年2024年から始めたプロギングについてと、その活動から見たコンサドーレの他ジャンルへの繋がりと広がりの可能性(を妄想した)話を、年末のお忙しいところに恐縮ですが、少し読んでもらえたら嬉しいです。

1.赤黒プロギング

1-1.そもそもプロギングとは

そもそもプロギングとは、何か?ですが簡単に言うと「ジョギングをしながらゴミ拾いをする」というフィットネスです。

スウェーデン語の「plocka upp(拾う)」と英語の「jogging(走る)」を組み合わせた造語で、2016年にスウェーデン人アスリートのエリック・アルストロム氏によって始められました。

そのため、2024年12月現在からみると、歴史的には10年にも満たないまだまだ新しいスポーツかと思います。

大まかな雰囲気はこちらのYouTubeをご覧ください。

1-2.ゴミ拾い?いいえフィットネスです。

通常、街の清掃活動の場合ですと、よくトングや火ばさみを使用してゴミを拾う光景を目の当たりにしますが、プロギングでは軍手のみを着用してトングは使用しません。

こういう軍手を使います。これはプロギングジャパン様公認の軍手。赤黒感が少しあって気に入っています。

そのため、ゴミを拾う場合は必然的に屈む姿勢となるのですが、これを行うのがフィットネスたる所以です。

屈んだ姿勢(ランジ)でゴミを拾う。これがフィットネス効果を上げてくれます。

この屈んだ姿勢を「ランジ」と呼んでいて、体幹トレーニングをされている方などは一度は耳にしたことのあるワードではないかと思うのですが、これがフィットネスとしての効果が高いんですね。

最初はきついですが徐々に慣れてきます。多分。

プロギングは1回あたりの走行距離は3~4km程度なので、通常のランニングやマラソンとしては距離は短い方なのですが、ジョギングに加え、しゃがんだり立ち止まったりする動作が加わることで、通常のジョギングの1.2倍のカロリーを消費するといわれています。

そして、プロギングには街をきれいにすることで、直接的に環境改善に貢献したり、共に活動することで、新しい交流が生まれるコニュニティ効果が期待されているので、これから体を動かしたり、コンササポの中で新しい仲間を増やしたいと思っている方にはうってつけの活動ではないかと思います。

11月に大通公園で実施した赤黒プロギング。紅葉がとてもきれいでした。

それと、プロギングを実施する際に重要なことはゴミを拾っている人を見つけたら、大きな声で褒め合うことです。
よくプロギングではゴミを拾った人に対して「ナイスー!」と声がけをしています。

初見の方は少し気恥ずかしいかもしれませんが、やっているとこれが案外すんなり出来るものなのです。一度やり始めると自然と「○○さんナイスー!」という掛け声が自然と出てくるようになると思います。

ここでゴミを拾って袋に入れる人に「○○さんナイスー!」です。
コンサドーレを応援している人ならほぼ出来るはず!w

コンサドーレでもゴール裏や他場所で応援歌やコールをはじめてするときにちょっと緊張したり気恥ずかしかったりしたことがあったかもしれませんが、今はそんなことはないのではないでしょうか。あれだけの声援を送れるのですから(笑)。

そんな感じでやってもらえたら、意外とすんなりいけるのではないかと思います。

1-3.2024年活動実績

プロギングは個人でもされている方もいらっしゃる中、大規模なマラソン大会当日や翌日に開催されることがあり、 #コンサドーレユニラン部 の方が参加されていて、そこから始まったのがきっかけでした。

#コンサドーレユニラン部 はおかげさまで発足から徐々に参加される方も増えてきているのですが、課題の一つとして「走ることが何となくハードルが高いと感じられている(方が多いのでは?)」というのを運営する側から見ると特に感じています。

そのため「走る」ことや「運動すること」がある一部の人だけに許された楽しみのように捉えられているのではないでしょうか。

実際に走ってみたら誰でも出来るとは思うのですが、数キロ走ってみることの最初の一歩のきっかけがなかなか掴めない。この小さくも踏み出す一歩の心理的な負荷の高さがランニングや運動へのハードルの高さではないかと思います。

そこで、距離も短く、気軽に参加できる程度の運動量で、かつ誰でも参加できる、という特性があるプロギングは、ユニラン部の活動の新しい軸になりえる!と判断し、2024年10月に有志で試験的に宮の沢で実施してみました。

宮の沢でのプロギングは形から入ってみてどうやるのか?距離としてはどのくらいが適正なのか?を実際に探りつつ実施してみました。

その際に学んだこととしては

  • ゴミを拾う人と回収する人はそれぞれ分担すること

  • 距離としては3~4km程が適正であること。ここでは6km走ってみたのですが、初心者の方だと少し長いと感じられるということ

でした。

これらの経験をもとに大通公園~狸小路~すすきの付近で第1回赤黒プロギングを開催するに至ります。

ここでは我々 #コンサドーレユニラン部 のメンバーだけでなく、札幌在住のFC東京サポーターの皆さん、そしてプロギングを主催するプロギングジャパンのトレーナーの方々にもサポート頂き、プロギングの大まかな進め方について実体験を深めました。

更に、11月には北海道警察、北海道庁、札幌市、市内の高校生の方もご参加いただいた交通安全アピールのプロギングにも参加させていただきました。

ここまでは主にプロギングのコーチをしてくれる方のご協力を頂いて進行していたのですが、来年以降、#コンサドーレユニラン部 内で進めることが出来るようにすることと、プロギングに関する知識をもつメンバーを増やすため、私を含めて #コンサドーレユニラン部 で2名、公認C級プロギングリーダーというプロギング実施時にファシリテート役を務める人のための認定資格を受験しました。

既に1次試験は2名とも合格しており、2次試験のレポート提出の結果待ちの状態。そしてこれを書いている12月16日に2名とも無事合格となり、晴れてC級認定プロギングリーダーとして活動できるようになりました!

2.サッカーの垣根を超えること

2-1.プロギングをする本当の価値

ここまでプロギングの話をお読みいただいたコンサドーレのサポーター、もしくはそれ以外の方、ここまでの話を見てどう思われましたか?「サッカーチームのサポーターがなんだかゴミ拾いしてちょっと良いことをしているアピールってこと?」だと思われましたか?

上記の通りですと、半分正解です。

正直に言えば、もちろんこういった活動には社会的に良い(と思われている)活動をしていることのアピールの側面もあります。

しかし、私が思うこのプロギングの価値、とは「コンサドーレを通じて、これまで関係ないと思われてきた分野の人たちと繋がり、お互いの価値観を共有出来ること」だと考えています。

・・・いきなり何を言ってるんだ、って感じですよね。ですから順を追ってお話ししていきます。

まず、赤黒プロギングを実施するにあたり、今回多くの方にご協力を頂いております。それは勿論参加頂いたユニラン部の皆さんのおかげでもあるのですが、以下の方々のご協力も頂いております。

まず一般社団法人プロギングジャパン様。
そもそもの日本全国におけるプロギングイベントの開催等を取りまとめていらっしゃるのですが、#コンサドーレユニラン部 がプロギングに接したのは、ここで開催されているプロギングの企画が最初でした。

次にプロギングジャパンの認定リーダーのこーへーさん(@konpeito_run)としゅうじさん(@syugoodluck)には、プロギングイベントに参加させていただいたり、こちらからもお招きさせていただいて、プロギングのイロハを実地で経験させて頂きました。

特に大きいと思ったのが、「イチJリーグサポーターの非公認応援団体が、サッカーとは繋がりのない団体と繋がりが出来た」ということです。もし我々がコンサドーレの応援や、ランニングに集中するだけでしたら、恐らくこういう出会いは無かったのかと思います。

ですが、こうしてコンサドーレサポーター×プロギングが出会うことにより、「プロギングを通じて地域貢献しているきっかけがコンサドーレによりもたらすことができた」という見方、といいますか価値が出来たのではないかと考えています。

この価値を具体的なものとするため、プロギングジャパンの地域ごとのパートナー団体として、#コンサドーレユニラン部も「Run for red and black」名義で登録させていただいております。

コンサドーレユニラン部の名称は大人の事情により使用できませんでした…お察しください(笑)

他全国のパートナー団体も見まわしましたが、Jリーグチームのサポーターの団体での登録は見当たらなかったため、我々北海道コンサドーレ札幌のサポーターが先がけてプロギングのパートナー団体へ登録したこととなります。

更に11月の交通安全プロギングでは警察や札幌市さんなど地域行政ともかかわることが出来ました。現時点で具体的にコンサドーレに対して恩恵を受けるもの、ではありませんが、サポーターが各種活動を通じてサッカー以外の団体への繋がりが持てる、ということはそこから応援だったり、支援してくれる方へのきっかけが出来るのではないか、と可能性の多寡はともかくとして、期待できる要素はあるのではないでしょうか。
何を言ってるんだと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、そこは前向きにとらえている次第です。

2-2.ジャンルを超える楽しさと可能性

こうしてコンサドーレを主軸に色々な分野につながりが出来てくると、「新しいサポーターを増やすための種まき」であったり「次第に興味を持ってくれるきっかけ」をもたらすことが出来るようになってくると考えています。

なんせコンサドーレはサッカーだけでなく、カーリングやバドミントンも活動している「総合型地域スポーツクラブ」ですからね。それにホームページには以下のようにもつづられています。

「サッカークラブの枠を越え、北海道内の地域活性化やスポーツを通じた子どもたちの心身の育成、生涯スポーツの実現やコミュニティの創出を目指し、地方自治体や行政と手を取り合い、様々なスポーツを取り入れた総合型地域スポーツクラブとして、北海道を元気にしていきたいと考えています。」

もう既にサッカークラブという枠を越えて、北海道内の地域活性化をやっていくぞ、と宣言しているんですよ。だったらその理念に乗っかろう、微力でもやっていこうと思っています。

ちなみに目下の目標としては自治体とのコラボ企画で、名古屋市がグランパスくんを呼んだように、我々はドーレくんを呼んで一緒にプロギングをすることです。いや、本気ですよ?(笑)。

2-3.別分野と「つながる」ことの重要性

別の分野と「つながる」ことの良い事例としてコンサドーレサポーターに身近なのは、やはりタイトル未定さんのFNS歌謡祭出場への後押し、ではないでしょうか。

元々はコンサドーレと株式会社TSUIMA様とのつながりがあって、そこに所属しているタイトル未定さんへの支援だったわけですが、YouTubeの再生回数によるポイント制であったり、スポンサー様へロイヤリティが高いとJ界隈でも評判の高いコンサドーレサポーターが、まさに「アイドル」というジャンルに正式にコネクションを持ち、見事目標を達成できた事例です。

そのあたりは今年2024年度のアドベントカレンダーでドーレさんが詳細に記載いただいておりますので、そちらをご参照ください。

ここでもたらされた結果というのはコンサドーレにとってとても大きな実績だと個人的には考えています。
すべてがこの通り上手くいくかどうかはわかりませんが「コンサドーレとつながることによって、有益な結果が得られる」という事例を一つ生み出したことはとてもクラブや我々にとって大きな価値ではないでしょうか。

こういった事例を更に集めて、解析し、可能であれば定量的に、例えば「こういうことをやるのであればコンサドーレがこう絡めば、こういう結果を得ることに協力が出来る」というセールストークがコンサドーレには出来るのではないかと考えています。

そこは更に突き詰めて考えないといけない分野かとは思うのですが、そういう可能性が今後更に広げられていく事例だったと思います。

2-4.サポーターが持つ価値「越境」

プロギングにしてもアイドルにしても、コンサドーレを応援するサポーターが持つ「サッカーを越えて他分野とつながる可能性」というのを、私が日頃交流を持たせて頂いるサッカー書評家つじー先生(@negacle_consa)の言葉を借りると「越境」と呼ぶのだそうです。

この「越境」という言葉を私はとても気に入っています。

我々はサッカーのサポーターですが、同時にサッカー以外の何かしらの世界やジャンルにも足を踏み入れている個人の集まりです。そこが何かのきっかけでつながって、サッカー、ひいてはコンサドーレとつながるとより高いシナジー効果を得ることが出来る可能性を、我々自身も気づいていないほど持っているのではないでしょうか。

そして我々もサッカー以外のジャンルを知ることによって、自分たちの人生の彩りが少しずつ増えていく。そういう世界線をコンサドーレを応援していることで実現出来る事例がどんどん増えていけると良いなと思います。

3.さいごに

ここまでプロギングを通じて、コンサドーレに対してサポーターが持つ他ジャンルにつながる「越境」という観点で(ほぼ個人の妄想を)書いてみました。お付き合い頂きまして、本当にありがとうございました。

最後にプロギングのことをちょっと真面目に書きますと、ゴミ拾いをして社会や地域に貢献する、というより個人がいかに楽しめるか?やってよかったかを実感できる活動が最も目指すべきことだと思っています。

勿論、地域のためコンサドーレのためで頑張ることは良いことですし、素晴らしいことだと思います。しかし、継続できるのは「いかに自分が楽しめるか?」が重要です。

なぜなら人は楽しくないものは続けることが出来ないからです。


小野伸二O.N.Oもこのように言っています。楽しむって大事なんです。

プロギングが目指す考えとして「社会貢献と言わない社会貢献」というのがあります。端的に言うと、社会貢献という堅苦しさや一部の意識高い人たちが持つ敷居の高さを捨てつつも、結果として社会貢献につながっていく、というものです。字面で書くことは簡単なのですが、私自身はこの理念を浸透させていくのは相当難しいと実感しています。

私だけでなく #コンサドーレユニラン部 に参加されている人達が、こういうことをちょっとだけ頭の片隅に入れて、その上で自分たちが楽しみ、繋がりが広がって、結果的にコンサドーレにこれまでかかわってこなかった分野の人たちを巻き込んでいく。そんな世界線が出来たらよいなと切に願っています。

2025年、北海道コンサドーレ札幌はカテゴリーを変えてJ2リーグで戦うことになりました。悔しいという気持ちが無いわけではないですが、悔しがっている時間があれば、今自分たちに出来ることに全振りしていきます。

年が明けて、開幕戦が始まり、更に北海道の雪解けの季節になりましたら、札幌市内のコンサドーレにゆかりのある場所で2025年度の赤黒プロギング1回目を開催しようと計画中です。

その際に是非コンサドーレサポーターの皆さん、リレーションシップ・パートナーの皆さん、スポンサー様各位に興味を持っていただき、ご参加頂けることを心からお待ちしています。

それでは2025年もよろしくお願いいたします!

はじめて宮の沢でプロギングをした時の空、最高にきれいでした!


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