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目標と目的。

小学校1年生になる次女が、発表会の曲を選んだ。

ゆずの「栄光の架け橋」が、どうしても弾きたいという。

年中のころから始めたピアノ。
体を動かすことが大好きな次女は、あまりピアノが好きではないように
見えた。

「練習しなさい」と言っても、したくないときにはしない。
自分軸で生きている感じが、正直うらやましい。

あまりピアノに興味を示さなかった次女が、
「今度の発表会は、栄光の架け橋が弾きたい」と言い出した。

バイエルを少しかじった程度の彼女には、まだまだ難しい曲である。
「難しいんちゃう?」と聞いても、次女は首を横にふる。

一度自分で決めたことは、誰に何を言われようと、
やり通そうとするのが次女。

「だって、とと(パパ)の一番好きな曲やから」
「ととの泣いた顔見たことない。だから、見てみたい。」

栄光の架け橋は、夫の青春時代の思い出の曲。
東京オリンピックの時に流れていて、
「人生かけて必死やったときを思い出す」と言っていたことを
覚えていたらしい。

彼女のピアノに目的ができたのだ。
「ととを泣かせること」

「ピアノがうまくなりたい」は目標。
その先にある「誰かを喜ばせたい」は目的。

プチ思春期が始まり、
「とときらい」「ととくさい」と、少しだけ距離のあるふたり。

次女の「栄光の架け橋」が、
次女と、ととの心の架け橋になればと願う今日この頃。

ととの涙と、次女のやりきった顔が今から目に浮かぶ。






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