日本一の嫁になってやる。
もう7年も前のことになる。
その日、仕事のおつかいで、夫の勤務先の近くまで行った。
夫にLINEで近くまで来ている旨を伝えると、
「今どこにおる?
ちょうど休憩時間やから、お茶しよか。
駅の近くのデニーズで待ってて。」
と返信があった。
ちょうど駅の近くにいたので、デニーズに入り、
コーヒーを飲んでいると、夫がやってきた。
「ちょうど腹へっててん。」と言い、
ハンバーグを頼んだ。
数分後デニーズに入ってきた若者が、夫に気づき、わたしたちの席にやってきた。
若者は「おつかれさまです。休憩ですか?」と、夫に言い、ちらりとわたしの方を見た。
彼の心の中のつぶやきはこうだろう。
「だれ?このおばちゃん??」
わたしは、ドラマのできる奥さまの決まり文句の
「主人がいつもお世話になってます」と言う気満々だったが、その期待は大きく裏切られ、
夫:「おつかれー。今日も暑いし、忙しいな」
夫は若者の心のつぶやきを完全スルーし、挨拶だけを交わした。
若者もわたしの存在に触れたらあかんと思ったのか、「じゃあ、失礼します」と自分の席に移動していった。
「紹介してくれへんのかーい!!」と、心の中でツッコんだ。
なになに?
ドラマに出てくる美しい奥さまのように、髪の毛もクルクル巻いてないし、まつげもエクステしてない、オバチャン一直線のわたしを「嫁です」って紹介できへんのか??
あの若者の「だれ?この人?どこの人?」のつぶやきも無視してええのか?
わたしのことが誰なのか気になって気になって、彼が眠れない夜を過ごしてもええのか?という、わたしのモヤモヤをよそに、夫は運ばれてきたハンバーグを美味しそうに食べている。
この時、わたしは心に誓った。
「日本一の嫁になってやる!!そして、あの若者に、『いつも主人がお世話になってます』って言ってやる!!」と。
とはいえ、髪の毛はクルクルでもないし、相変わらず化粧っけもない。
だけど、夫のサポートをさせたら、日本一であることにまちがいはない。
家事も育児もしない夫に、心から感謝しているわたしはまちがいなく日本一の嫁だ。(最近はごみ捨てくらいは行ってくれてるか。笑)
あとがき(ブログにあとがき、スミマセン。)
この記事は、岸田奈美さんの『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』を、日曜日の昼下がりに読んで、無性に書きたくなりました。感謝を込めて。(note初心者が、上から目線で失礼いたしました。)
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