ドングリ爆弾に怯えた過去の話
友人がシイノミをフライパンで炒ると美味しいよと教えてくれた。
既に食いしん坊に成長していたので
「マジマジ?」
と喜び神社にシイノミを拾いにいった。
とりあえず洗って乾かしてから熱したフライパンにジャラジャラっと入れ、じっと待った。
殻が割れ始めると食べ頃、と教えてもらっていたのでワクワクとフライパン前で待っているとシイノミが小刻みに動きだした。
キタキタキタ~♪と小躍りしながら待っていると突然、
パンパパパ~ン!とシイノミがはじけ飛んだ。
ギャーっと叫んで逃げたのでなんとか当たらずに済んだが、
ものすごく怖かった。
はじけ飛び終わったので火を止めにいったらフライパンに残った一個が
「パーーーン!」
無知ゆえにドングリ爆弾を生み出してしまった。
猿蟹合戦のサルがクリに攻撃された時と似ていて悲しくなった。
部屋のどこかでポンッと音がしたので見てみるとシイノミが最後のドングリ爆弾としての役目を果たしていた。
部屋中に散らばったシイノミ達が冷えた頃、寂しい気持ちになりながら拾い集めて捨てた。