【落選供養】坊ちゃん文学賞①
昨年から公募に積極的にチャレンジしています。
note以前もやってはおりましたが結果につながらないため、モチベーションが続かず、どうせ読んでもらえないと公募を諦めていました。
でも公募って落選の方が多いんです。こんな簡単なことに気づかず諦めていた過去の自分に往復ビンタを送りたい💦
公募に積極的になった今、落選は増えるはずです!そこで、落選した我が作品をnoteで供養したくなりました。供養することで修正点も見えてくる気がするんです。
最初の供養作品は先週木曜に授賞式があった「坊ちゃん文学賞」の応募作です。
3299文字といつもの記事より長めなので3記事に分けて投稿させてください。
🌠🌠🌠
「自由」1
「宇宙天気予報のお時間です。本日の太陽風の速度はおだやかで磁気嵐も弱まり……」
このような予報が毎日流れる今、宇宙船での旅行は隣の県へ遊びに行くかのような気軽さで行われるようになった。3XXX年の今、星と星との交流で新たな文化や意識が生まれ続けている。
「宇宙の旅が当たり前になるなんて、2000年代では想像できなかっただろう」と人々は笑う。
21世紀も終わる頃には宇宙での活動域は飛躍的に広がっていた。自分達以外の生命の存在を遠くまで探せる科学技術を得た人類は、特別な訓練をせずとも宇宙船にも乗れるようになり、あらゆる分野の学者が宇宙で調査を行えるまでになった。人類の興味が宇宙へと移ると、地球上での国同士の争いは自然と消えていた。地球規模の視野で宇宙を見始めたことが、地球の平和を保つことにつながったのだ。
長い調査を経て、ついに人類は地球以外でも生命が存在する星を見つけた。彼らは、大気や水といった生命が生まれるのに必要な要素が存在する星で進化をとげ、文明を発達させていた。地球とほぼ同じ環境の彼らは地球人とさほど変わらない姿で、肌の色の種類や使われている言語も似通っていたため、理解し合うのに時間はかからなかった。昔、ヒトとかけ離れた姿のウチュウジンに連れ去らわれると騒いだのが馬鹿らしくなるくらい、彼らはヒトと似ていた。耳がとがっているとか、手足がたくさんあるなどの妄想も間違いだった。地球と同じ環境で生きているのだから、同じ姿や価値観になってもおかしくない。生きてきた環境の似た者がたどった歴史も同様だったようで、彼らの星内でも他国同士の対立はなくなり、星全体で宇宙に目を向ける時期を迎えていた。地球と同じ考えで彼らも宇宙での可能性を探っていたのである。
国同士で行われたのと同じく、星と星の間でも交流は始まった。軽い意見のちがいはあったが、お互いに戦争のバカバカしさだけは学んでいたため、それ以上の争いにはならなかった。そのおかげで星と星との文化交流はおだやかに広まり、科学技術を高め合い、宇宙での活動域はさらに大きくなっていった。
3000年代に入る頃には、同等の文化を持つ星は200近くあることがわかり、星全体が1つの国として考えられるようになった。宇宙連合星の一員として、地球単位で参加し他の星の文化を吸収し住む人々への理解を深めることで、地球は宇宙での平和を手に入れたのだ。
全てが順調だった。恋愛感情が生まれるまでは。
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