人間ドックに行ってきた話:心電図編
心電図が苦手だ。どうしても緊張して力を抜いて横になれない。そんな私が必殺技を身につけた。ヨガのシャバーサナ(シャヴァーサナ・シャバアーサナと表記色々)のポーズである。
シャバーサナは屍のポーズと呼ばれるもので、体全体の力を抜いて横たわり目をつむってひたすらリラックスするポーズである。横たわることで、自然と腹式呼吸になる。
ヨガの最後で行うのだが、これがまた気持ちいい。私はヨガのポーズでこれが一番得意だ。
シャバーサナを知って活用してみると、心電図は一発OKとなり苦にならなくなった。
暫くは快適な心電図タイムだったのだが、ある年を境に環境が一変した。
心電図の横で肺機能の検査を行うようになったのである。
カーテンで仕切られているとはいえ、技師さんの元気な励ましの声が筒抜けな環境の中で心電図を測定するのである。
技師さんの口調はもろジャングルクルーズ。
目の前に大きな滝がぁ!危ないぃ、という感じで健診者を励ますのだ。
それでも、肺機能検査と重ならなければ一発OKで済ませられる。しかし、私の心電図と肺機能検査が重なってしまった😨
目を閉じて「ワタシハ屍…」と無の境地に入ろうとした瞬間、
「ハイッ!吸ってぇえ、吸って吸って吸ってぇえ、吐いて吐いてフウゥゥゥウ!!!ハイッ!もう一度吸ってぇえ!」
もう、身体の震えが止まらなかった。
その年の心電図の結果は微細動で要観察となった。
次の年の心電図は肺機能検査と重ならずに測定できた。やはり問題はなかった。これでジャングルクルーズ技師さんが微細動の原因と証明された。
去年から感染対策で肺機能検査自体が、希望者のみで行われるようになり、心電図の環境は静かになった。
今年も静かな環境で心電図の検査が受けられたのだが、
「肺機能検査の技師さんどうしたのかなぁ」
と気になってしまい、
「右手の力抜いてください!」
と何度も注意をされてしまった。
心電図はジャングルクルーズタイプの技師さんではなかったのである。