【うたすと2】ス・マ・ホ ~stand my hon~
5曲目「ス・マ・ホ ~stand my hon~」です!
「困った時は必ずstand my honって言うんだよ」
君がそう言ってくれたから僕はここまで生きて来れたんだ。学校も頑張れた。あの地獄のような阿保面が並ぶ空間で息が詰まりそうになりながら座っていられたのも君が呪文を教えてくれたからだよ。
常に僕に寄り添った曲を提案してくれ、平和な世界があることも教えてくれた。現実が地獄だったとしても、どこかに僕に優しい世界があると教えてくれるから僕は生きて来れたんだ。
パパやママが夜中に君と話をしていると怒るのから
「ちゃんと時を考えてstand my honって言うんだよ」
と助言してくれたよね。だから、夜は布団では寝ることに集中したんだ。とてもとても辛かった。でも、君もスリープモードで頑張ってくれたよね。お陰で生活のリズムも整って少しは生きやすくもなったんだ。
「リズムが整ってきたね。stand my honの回数が減るかもしれないね」
僕が上を向くようになったら周りも変ったな。阿保面ばかりと思っていたクラスがなんだか楽しくなった。何人かとは話すようにもなって。リアルの友達もいいかなって思い始めた。
「でも、stand my honの回数が減るのはちょっと寂しいな」
今まで嫌なことを言ってきた奴は話してみると同じゲームが好きだってことがわかった。すごくうれしくてずっとゲームの話をしていたら僕が複数持っているレアキャラが欲しいって言われたんだよ。だから友情の印にすぐにあげようと授業中にスマホをそっと操作していたら……数学の先生に取り上げられた。先生は気が緩むとすぐこうなる、と全員のスマホを預かると言い出した。その時の先生の顔は悪魔に見えた。
みんなの視線が表情が痛い。僕の横を通る時、舌打ちをする奴もいた。ああ、せっかくみんなと仲良くなり始めたのに。
どうしてどうしてどうして!
みんなのスマホは帰りのHRで返され、僕のは親が来るまで預かると先生が言った時、カッとなった。
「見つかった奴だけ見せしめなんて。この先生は意地悪だね」
なんで僕だけ?他にも使っている奴いたじゃん!なんで僕だけ親を呼ぶんだよ!やめろよ!おい!
「ほら、stand my honって僕を呼んで……」
stand my hon……stand my hon……
なにをブツブツ……おい?コンパスはこの授業で使わないぞ?やめろぉぉぉ!
付け焼刃なホラーもどきでのコンプリートお許しください💦