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【#創作大賞2024】宇宙人と私

祖母ファンの皆さん、ごめんなさい。
本当は祖母エッセイを投稿予定でしたが「祖母・宇宙人編」を書いている最中からずっと幼少時の宇宙人体験が思い出されて仕方ないのです。

もう宇宙人の話をしたくてしたくてキーボードに触ると「宇宙人」と打ってしまいます。ブラインドタッチだから心のままに「宇宙人」と打ってしまうのかと、キーボードを見ながら打つのですがやはり指が

UCHUUJINN

と叩いてしまいます。この発作を止めるためにも、今日は申し訳ありませんが幼少時に体験した宇宙人達について話しをさせてください。

チャラチャランチャランチャラン♪


宇宙人との約束


私が2歳のとき、信用金庫が企画した日帰りバス旅行に祖母が行くことになりました。そこで母が私を会社へ連れて出勤することになりました。親戚の会社へ勤めていたので、子連れでも大丈夫だったのです。

母は、私のために小さな小さなお弁当を用意します。それを横で見ているだけで心はウキウキ。母と2人だけの時間がほとんどないのでワクワク感も爆上がりです。会社についてからは大張り切りで仕事にとりかかります。

2歳児ながら勤労意欲に燃えていました。

会社の人はとても重要な仕事だと言って、紙にひたすらホチキスを止める作業を依頼。この仕事(?)が本当に嬉しくて今でも覚えてます。ホチキスは祖母が危ないと言って絶対触らせてくれなかったので一気に大人になったような気分にもなりました。

ホチキスを両手で押していると横を通る人が必ず「上手い」と褒めてくれます。余計に熱が入ります。重要な仕事、という言葉を真に受け私は紙をホチキスだらけにしました。もう、止めるところがなくなったので、新しい紙をもらいに行くと休憩をした方がいいと言われました。

会社の中ならどこを歩いてもいいと言われたので1人ブラブラしていると、男の人に呼び止められます。

「ここだけの話なんだけどね、おじちゃん宇宙人なんだよ」

驚きのあまり声が出ません。宇宙人は更に言葉を重ねます。

「しかも火星人なんだ。火星のおじちゃんなんだよ」

そこまで言うと火星のおじちゃんはこれは、2人だけの秘密だからと言いました。

宇宙人、しかも火星人と秘密の約束を2歳児がしたのです。その日は幼稚園にも行っていない自分は大人のように弁当を持ち、重要なホチキス止めを行いました。どれも見事にこなしたと自信に満ち溢れています。一生、この秘密を守り抜いていこう、そう心に誓ったのですが。

何年か過ぎ、その会社の福利厚生で開いたBBQに参加をした時、火星のおじちゃんに会いました。彼はベロベロに酔っぱらっており、私を見ながらこう言うのです。

「火星のおじちゃんだよ~」

本人自らの暴露に動揺します。私は黙っていたのに!

「火星人って信じてるんだよね。かわいいねー」

周囲からは信じてたんだと笑われ、その後も会うたびに「火星のおじちゃん」の話を蒸し返されました。子ども心にげんなりしたものです。

宇宙人の告白


妹と私は2段ベッドで寝ていました。毎晩上下でお喋りに夢中になり大声になるため母に叱られます。でも寝る前ってなんか盛り上がるんですよね。今思い出してもあれは声も大きくなるのは仕方ないと思うのですよ。内容は忘れましたが、とにかく楽しかったのは覚えています。

その日も母は私達を注意しにやってきました。いつもは入り口に立つなり叱るのですが、その日は黙って立っています。無言だったので母に気づいた時は「ギャー」っと叫んでしまいました。

「な、なに?」
「私は……」
「え?」
「ホントウハ、ウフウジンナノダ……」

この人はなにを言っているのだろう、妹と顔を見合わせ母へ視線を向けます。母は無表情で立ったまま。

ママは、頭がおかしくなったんだ

なんだか悲しくなってしまい、お喋りを止め私達は眠りへとついたのでした。

次の日、朝食の席で母が嬉しそうに話しかけてきました。

「信じたんでしょ?怖かったでしょ?」
「うん怖かった」
「ふふふ作戦成功ね」
「ママが頭がおかしくなったと思って怖かった」
「え?」
「背中に嫌な汗かいた」
「ええー宇宙人を信じたんじゃないの?」
「信じるわけないじゃん」
「決死の覚悟で演じたのにぃ」

その時の母の表情は今でも忘れられません。
母は詰めの甘い女だったのです。

宇宙人の菓子


宇宙人とは直接関係ないのですが、祖母がUFO饅頭と呼んでいたお菓子を紹介して今日の話を終わりにさせてください。
こちらです👇

普通、ゆべしは四角くてアンコが入ってないのですが家伝ゆべしはあんを包み、形も他のゆべしと異なります。

私はこの家伝ゆべしが大好きで、福島方面へスキーに行くと必ずお土産に買って帰りました。とにかく美味しいです。一度食べてみてください。

おすすめされて初めて家伝ゆべしを買って帰った時のことです。祖母が、

「UFOまんじゅうだ!」

と家伝ゆべしを見るなり叫びます。

「え?UFOまんじゅうってなに?」
「テレビで言っていたのさ」

初耳でした。テレビでUFOまんじゅうと紹介していたなんて聞いたことがありません。でも祖母がそう言うので長いものに巻かれろ系のはそやmは、自然と家伝ゆべしを「UFOまんじゅう」と呼ぶようになりました。

ただ、祖母以外に家伝ゆべしをUFOまんじゅうと呼ぶ人を見たことがありません。もしUFOまんじゅう呼びの情報をご存じの方がいらっしゃいましたら教えてください。

noteなら誰かが教えてくれそうな気がして仕方ないのです。

ここまで書いて2000字超え。
あースッキリしました。
スッキリしましたが、これまさに

#なんのはなしですか

でしたね。
申し訳ありません。

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