部長が豆で妄想が暴走してしまった結果最適な鼻炎薬を見つけた話
豆部長は「あたいごっこ」の時の部長ではありません。
当時、私は部長がやたら在籍する部署におりました。今考えると、なぜ部長ばかり集めた席を作っていたのか謎なのですが、そこで様々な業務を行っておりました。
その中で一人、やたらに奇声を発する部長がおり、仕事中の眠気をよく改善してくれたものでした。いえ、
笑いを抑えるのに大変苦労をさせられました。
彼の奇声は、
「イシシシ…シ!」
「ギャッ!ヒッ!イッ!ウシッ!シャー!アッツ!」
といったもので(多分まだ種類がありますが忘れました)、解読不可能なものです。
彼はよくクシャミをするのですが、春と秋に「花粉症ですか?」と聞くと
「風邪です!」
と答え、冬に「風邪ですか?」と聞くと
「花粉症です!」
と大真面目に答えてくれました。
答えはわかっているのですが、面白いので季節が変わる度に聞いていました。
シルエットがなんとなく丸く豆のようだったので、
私は密かに「豆!豆!」と言ってたいそう愛でておりました。
当初、豆部長を「絶対面白いって!」と主張をしても誰も変な人としか理解してくれず、私も変な人の部類に入りかけました。
しかし!誤解を恐れず真実を訴え続けました。
おかげで、私は面白い人を見つける才能を持っていると認められ、豆部長は正式に女性社員の中で「豆」として認められるようになりました。
ただ面と向かって豆部長と呼ぶことは禁じられていたため、女性社員の中で彼の評価がうなぎのぼりとなったことは本人には伝わっておりません。
それまでは奇声を発する暑苦しくうるさいおじさんだったのに。
私に感謝して!
さて、話は私の鼻炎薬との出会いに移ります。
当時私は花粉症であることを知りませんでした。なぜなら強力な鼻炎薬と出会ってしまい、鼻水が酷くならずに済んでいたからです。
ゼリア製薬の「セピー鼻炎ソフト」というもので、会社の用事で郵便局に出かけた際、近くのドラックストアで見つけました。
「セピー鼻炎ソフト」は初めて見る鼻炎薬でした。手に取ると肌色のソフトカプセルがカタカタとゆれます。その一つひとつは豆の形に似ており、豆部長を思い起こさせます。
豆部長に似ている鼻炎薬って面白いと試しに買ってみると、私の体質に合っていたのか、鼻はピタリと止まり仕事でたいそう役にたちました。
今ではすっかり我が家の常備薬となっております。
豆部長がいなかったら、私は「セピー鼻炎ソフト」を見つけることさえできなかったでしょう。
ありがとうございます。豆部長。
ただ、薬の効き目が良すぎて花粉症であることに長い間気づかず、後に柚子で大変な目に遭うのですが、それは明日、お話しします。
本日は柚子湯の日なので豆部長を思い出してしまい、グータラな会社員時代の思い出を披露してしまいました。
って、どこまでが本当かな?
本日はノンフィクション寄りのフィクションをお送りしました。