【青ブラ文学部】新薬発見#答え合わせ#眠り薬
今の時代、眠り薬を望む患者のなんと多いことが。朝まで寝ることができない、日常に支障が……そう訴える患者は男女問わず多い。様々な薬が開発されたが全ての患者に適した薬はない。人それぞれ症状や環境の違いで効き目が異なるのだ。
最適な眠り薬を求め日々、医師も患者も答え合わせを行っているのが現在の不眠治療といえるのかもしれない。
「先生!万人に適した眠り薬を発見しました!」
「本当か!でかした!」
助手の報告に新薬研究に悩む教授が飛びついた。
「で、その眠り薬は?どこだ?」
助手が手になにも持っていないので教授は不思議そうな顔をした。すると助手は、教授の前に90を遥かに超えていそうな老婆を連れてきた。
「この方は?」
「私の祖母です」
フルフルと震えながらも老婆は曲がった腰を更にかがめて教授に挨拶をする。
「孫がいつもお世話に……ZZZ……」
「危ない!」
慌てて教授が助手の祖母を支えたが、その様子を見て助手が「これです」と胸を張る。
「な、なにが「これです」なんだ?」
年末年始に帰省してばあちゃんとテレビを観ながら話していたんですよ、そうしたらすぐ居眠りしちゃうんです。もしかしてばあちゃんって眠り薬のフレグランスを醸し出しているんじゃないかと思いついて。不眠を訴える患者にばあちゃんをレンタルすれば一番の処方にな……
「ここまで長生きしてりゃ誰もがこうなる!」
教授の怒声が響き渡った。
教授の声もどこ吹く風、老婆は心地よさそうに居眠りをしている。
眠り薬への答え合わせはまだまだ正解を導き出せそうにない。
青豆ノノさんの記事があまりに素晴らしくて参加したくなりました。
山根あきらさん、よろしくお願いします。
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