【#創作大賞感想】「おーい!落語の神様ッ」最終話でこみあげる涙
日頃、ナアジマヒカルさんにはお世話になっていて、別名で「骨皮筋衛門」にも出演してもらっています。無断で出演させたのに懐の広い彼は笑って許してくれました。無断出演を許してくださったこと、感謝してもしきれません。お陰様で「骨皮筋衛門」はスムーズに仕上がりましたよ!
ナアジマさんの「おーい!落語の神様ッ」👇
は、お仕事小説ということもあり、あまり知られていないであろう落語界の仕組みを丁寧に解説しながら話を進める構成となっています。やはり、通常の仕事とは違い、普通に生活をしていては知らない入出金の内容の違いに「ええ?」と衝撃を受けるなど、知らない世界を見れて勉強になりました。
お仕事小説というジャンルは昨年の創作大賞で初めて知った言葉で「今まで知ることができなかった仕事」を見せてくれる小説だということを昨年度の受賞作から学んでいます。その点で、この「おーい!落語の神様ッ」も落語の世界を丁寧に教えてくれており、まさしく「お仕事小説」だなと納得できました。
落語というと「話の面白い人」が就く仕事というイメージを持っているのですが、この話の面白さというものは自分ではわかりにくいものだと思います。それゆえストレス度も高く身を持ち崩したり挫折したりと紆余曲折の道を辿る世界なのでしょう。芸が磨かれた、精進できたというのは感覚的な判断に頼ることもあるため納得できる場合もあれば妬みも発生しやすいと思います。読み進めながら「非常に厳しい世界だな」とキュウッと胃が痛くなりました。これはもう、好きでないとできない世界ですし、周囲の人の支えがないと継続ができない仕事です。
そんなマイナス思考を持ちつつ読み進めたにも関わらず、私は最終話で涙ぐんでしまいました。鼻がツーンとして目頭が熱くなってでもグッと口を閉じて、
「えーい!こんこんちくしょい!」
と鼻をすすってしまったのです。これには驚きました。物語は大団円ですし、ホッとしたり良かったねとなったりして、作者にお疲れ様とコメントを書き込みたくなるはずなのに、なぜかできません。ギュッと口をつぐんで
「えーい!こんちくしょい!」
と鼻をすすることしかできなかったのです。読み終えてスキをつけてしばらうボーっと「なぜなんだろう?」と考えました。そしてはたと
ナアジマヒカルさんの優しさにやられた
んだな、と気づいたのです。
ナアジマヒカルさん、優しいお話ありがとうございました。