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【#毎週ショートショートnote裏お題:優先席の微世界先生】優しい涙
お昼近くに歯の治療に行ったため、本日は表裏同時投稿です。
裏お題「優先席の微世界先生」こんな感じに仕上がりました!
💺💺💺
俺は心が疲れているから優先席に座る権利がある。高校生だって色々あるんだよ!疲れてるんだ!
他にも席は空いているのに、わざわざ優先席を選んで座ろうとした。
世の中の全てに反抗したい気分だったのだ。優先席に座るのが反抗だなんて器が小さいかもだけど。
「ダメ!」
小学生が俺の前に立ちはだかる。生意気だな、高校生にお説教かよ。大きな声をあげようとしたその瞬間、
「微世界先生が今、修繕中だから」
え?この子なに言っているの?と不思議そうな顔をした俺に優先席を見ろと目で促す。
優先席を見ると小さな人間がゴソゴソと動いていた。
「快適に座れるように修繕しているのよ」
老婆が俺の横に来て説明をしだす。
「この前は優先席の掃除をしてくれた」
「快適に座れるように」
俺の周りに微世界先生を称える人の輪が自然と出来ていた。
「お兄さん、さあ座って」
みながにっこりと笑い席をすすめてくれる。
微世界先生がポンポンと席を叩きほほ笑む。
俺の頬は優しい涙で濡れていた。
(410字)
自分でも驚きの結末です。今度優先席をじっくり観察してみよう。
表お題「助手席の異世界転生」はこちら👇