ホンダと日産の経営統合の末路
初めに
大学の課題で作成したレポートを張り付ける。
更新したいのだが、テスト勉強とSNSで浪費するであろう時間が長すぎて更新できないのでこうやって暴挙にでることにした。
導入
自分は今回、政治的な局面からこの統合が軌道に乗るか考察した。結論としてはホンダと日産の経営統合そのものは成功してもその後の業績が爆発的な回復をするようには思えない。
まず、今回の二社の合併の裏には台湾の鴻海(ホンハイ)の「日産買収計画」が絡んでいる。この鴻海精密機械工業は台湾に本社を置く世界最大のEMS企業である。同社は2016年、日本の総合電機メーカーであるシャープの筆頭株主となっている。
以前から鴻海はルノーが所有している日産株の買収が可能かどうかと、フランス側と日本の経済産業省に打診をしていた。この動きを察知した日産側がホンダとの資本提携競争を急いだとみられる。このことから、この合併の背景で日本の経済産業省のシャープの買収に続く日産の買収を防ぎたいという思惑が動いているとも捉えられる。
各企業の状況
ホンダ、日産の合併に加えて三菱自動車の合併を行えば世界三位の800万台のグループを作ることができ、最終的に世界に強いインパクトを与える企業が誕生することは事実であろう。しかし、実際はどの企業も業績が好調とは言いにくく、買収後に成長をすることができる決め手がない状況にある。
日産はゴーン社長退任後思うように業績が伸びず2024年には赤字決算を出している。また、25年1月には米南部ミシシッピ州のキャントン工場で生産を予定していた小型の電気自動車（EV）1車種について計画を断念している。
三菱自動車は23年に過去最高の売上高を計上したものの、以降の業績は横ばいが続いている。また、オセアニア地域の核を担っていたオーストラリアでの販売台数の減少も大きな痛手となっている。
ホンダはハイブリット自動車事業が好調であり、四輪駆動車自体の売れ行きは好調なものの、物価が急激に上昇している中国でのEV車の売れ行きの悪さや、電気自動車の（EV）のインセンティブ（販売奨励金₎の増加により利益を圧迫している。
追加情報：インセンティブ(販売促進費)とは
このインセンティブとは自動車メーカーが販売店に支払う販売促進費の一種である。これはホンダ以外の自動車販売メーカーにも言えることであるが、米国で売れ行きが好調なEV車も店頭販売価格にはこのインセンティブ込みの価格になるため消費者にとってどれだけの商品価値を持たれているかは現状の販売台数だけでは測れない危うさがある。このことから現状のホンダには合併するだけの経済的余裕があるとも思えない。
各企業の不本意な統合と経産省
もっとも、先に述べたようにこの合併に関してはホンダや日産、三菱自動車などの合併する当事者である企業よりも、日本の産業を守りたいと考えて動く経産省が中心になって話を進めているようにも捉えられる。実際の業績や企業内の空気の実情は全く考慮されていない。日産が潰れるまでの時間稼ぎとしか考えていないのではないかとも捉えられる強引さである。
そのため、合併がうまくいってもその後の業績が好調になるとは思えない。そのため、この合併が軌道に乗るとは到底思えない。
この統合から見える現状の日本企業の問題
また、この合併の裏にある鴻海の動きは日本企業の競争力の低下を示している。今の海外企業にとって日本企業は「お買い得商品」のような扱いをされているのかもしれない。その結果が今回のような企業が望んでいるとは思えないような合併を引き起こしたのではないだろうか。
参考資料
https://ryukyushimpo.jp/news/economics/entry-3894340.html (琉球新報；2025年1月25日閲覧)
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1635705.html (Car Watch；2025年1月25日閲覧)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOTG083TZ0Y4A101C2000000/#:~:text=%E2%96%BC%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E5%A5%A8%E5%8A%B1%E9%87%91%20%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A,%E3%81%AB%E4%BD%BF%E3%81%86%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%82%82%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82 (日本経済新聞；2025年1月25日閲覧)
https://news.yahoo.co.jp/articles/deadd36831e207393f0c248b1716ce24beb45087 (Yahooニュース；2025年1月25日閲覧)